現在開催中の「モネ」展を間もなく鑑賞しようと前売券を買って、スタディ中。
横浜美術館は2016/09/02の「メアリー・カサット展」以来だ。
![]()
■ 開催概要
展覧会名: 「モネ それからの100年」展
会場: 横浜美術館 (横浜市西区みなとみらい3-4-1)
会期: 7/14(土)~9/24(月・祝) [木曜日が休館日。但し8/16(木)は開館日]
開館時間: 10:00~18:00 [但し9/14(金)・15(土)は10:00~20:30]
主催者: 横浜美術館、東京新聞、テレビ朝日。
先行巡回: 名古屋市美術館で4/25(水)~7/1(日)完了。
*
■ 見所
1. 日本初公開の知られざる作品を含むモネの絵画25点を展示。モネの画業の変遷を辿りながら、そこに通底する特質を捉え直し、時代を超えて愛されるモネの芸術の魅力に迫る。
2. 20世紀アートとモネを一緒に楽しめる!「アメリカ抽象表現主義」の代表的画家マーク・ロスコ、モーリス・ルイス、ロイ・リキテンスタインをはじめ、1950年代以降の絵画を展示し、「モダンアートの先駆者」と称されるモネの芸術の革新性を浮き彫りにする。
3. 本展のための新作も!今日の多様なアートに、モネとの共鳴を見出す。
現在活躍中のアーティストの作品も、新作を含め多数展示。絵画のみならず、版画・写真・映像など幅広い分野の現代アートに、モネの芸術との時代・地域・ジャンルを超えた繋がりを見出す。
*
■ 展示構成
今回は、モネの絵画25点と後世代の26作家による65点(計90点) が一堂に集結。会場はモネの芸術の特性によって4つの章立てとして、それぞれに特徴的なモネの絵画とその影響が見られる後世代の作品を並べて見せる。
□ 第1章 新しい絵画へ。立ち上がる色彩と筆触。
1850年代後半から戸外での絵画制作をスタートし、1870年代には印象派グループの中核として活動したモネ。その画業前半の作品群には、晩年の創作へと繋がる資質が随所に垣間見える。
本章では、1870年代の印象派期を跨(また)ぐキャリア前半の作品群を手掛かりに、現代へと通じるモネの芸術の先駆性を再確認する。
対象の細部描写から離れた色彩の自律的な用い方、絵具の物質性や「描く」行為そのものの提示といった傾向は、具象/抽象を問わず現代の画家たちが関心を寄せる諸課題へと結び付いている。
クロード・モネ《ヴィレの風景》1883年、油彩・キャンヴァス、個人蔵。
クロード・モネ《モンソー公園》1876年、油彩・キャンヴァス、泉屋博古館分館。
丸山直文《puddle in the woods 5》2010年、アクリル・綿布、作家蔵。
中西夏之《G/Z 夏至・橋の上 To May VII》1992年、油彩・キャンヴァス、名古屋画廊。
□ 第2章 形なきものへの眼差し。光、大気、水。
変幻する光や大気の一瞬をキャンヴァス上に写し止めることは、モネの終生のテーマだった。
その関心は、1900年前後のロンドン滞在期に最初の頂点を迎える。
グラデーション、滲(にじ)み、色の薄い塗り重ねによって、画面は輝きを持った色面の広がりへと向かって行った。
本章では、1880年代から「ロンドン」の連作に掛けてのモネの絵画を起点として、風景の抽象化、移ろいや瞬間性の表現、絵画固有の空間表現の探究といった問題意識を共有する現代アートを紹介する。
クロード・モネ《セーヌ河の日没、冬》1880年、油彩・キャンヴァス、ポーラ美術館。
クロード・モネ《霧の中の太陽》1904年、油彩、キャンヴァス、個人蔵。
モーリス・ルイス《ワイン》1958年、アクリル・キャンヴァス、広島市現代美術館。
ゲルハルト・リヒター《アブストラクト・ペインティング(CR845-8)》1997年、油彩・アルディボンド板、金沢21世紀美術館。
水野勝規《reflection》2012年、シングルチャンネル・ ビデオ(HD、サイレント/9分)、作家蔵。
□ 第3章 モネへのオマージュ。様々な「引用」の形。
モネの絵画のモティーフは、後世の多くの作品に引用されて来た。
それらの作品には、アーティスト夫々の関心に基づく創意が込められている。
本章では、モネの絵画から直接インスピレーションを得た現代の作品群を紹介し、その個々の創作のなかにモネへの共鳴、モネからの継承を見出す。
ロイ・リキテンスタイン《日本の橋のある睡蓮》1992年、エナメルによるスクリーンプリント・ステンレス・彩色した額、国立国際美術館。
ルイ・カーヌ《睡蓮》1993年、油彩・キャンヴァス、ギャラリーヤマキファインアート。
福田美蘭 《モネの睡蓮》2002年、アクリル・キャンヴァス、大原美術館。
堂本尚郎 《連鎖反応---クロード・モネに捧げる》2003年、油彩・キャンヴァス、個人蔵。
□ 第4章 フレームを越えて。拡張するイメージと空間。
極端なクローズアップによって画面一杯に水面を捉えた「睡蓮」の連作。
風景の断片を切り取ったような構図と、その中でリズミカルに反復するモティーフによって、イメージが画面の外まで広がって行くような感覚を生み出している。
本章では、「睡蓮」の連作を中心としたモネ後期の作品を元に、反復の表現、異なるイメージの重ね合わせ、周囲の空間への広がりといった「拡張性」をキーワードに、現代アートとの密接な関係を浮き彫りにする。
クロード・モネ《睡蓮、水草の反映》1914~17年、油彩・キャンヴァス、ナーマッド・コレクション(モナコ)。
クロード・モネ《柳》1897~98年頃、油彩・キャンヴァス、個人蔵(国立西洋美術館に寄託)。
サム・フランシス《Simplicity(SEP80-68)》1980年、油彩・キャンヴァス、セゾン現代美術館。
松本陽子《振動する風景的画面》2017年、油彩・キャンヴァス、個人蔵。
鈴木理策《水鏡 14, WM-77》2014年、発色現像方式印画、作家蔵。
鈴木理策《水鏡 14, WM-79》2014年、発色現像方式印画、作家蔵。
*
■ 主な作品
クロード・モネ《サン=タドレスの断崖》1867年、油彩・キャンヴァス、松岡美術館。
![]()
クロード・モネ《モンソー公園》1876年、油彩・キャンヴァス、泉屋博古館分館。
![]()
クロード・モネ《セーヌ河の日没、冬》1880年、油彩・キャンヴァス、ポーラ美術館。
![]()
クロード・モネ《ヴァランジュヴィルの風景》1882年、油彩・キャンヴァス、ポーラ美術館。
![]()
クロード・モネ《ヴィレの風景》1883年、油彩・キャンヴァス、個人蔵。
![]()
クロード・モネ《ジヴェルニーの積みわら、夕日》1888~89年、油彩・キャンヴァス、埼玉県立近代美術館。
![]()
クロード・モネ《柳》1897~98年頃、油彩・キャンヴァス、個人蔵(国立西洋美術館に寄託)。
![]()
クロード・モネ《睡蓮》1897~98年、油彩・キャンヴァス、個人蔵。
![]()
クロード・モネ《睡蓮》1897~98年頃、油彩・キャンヴァス、鹿児島市立美術館。
![]()
クロード・モネ《チャリング・クロス橋》1899年、油彩・キャンヴァス、メナード美術館。
![]()
クロード・モネ《テムズ河のチャリング・クロス橋》1903年、油彩・キャンヴァス、吉野石膏(山形美術館に寄託)。
![]()
クロード・モネ《霧の中の太陽》1904年、油彩、キャンヴァス、個人蔵。
![]()
クロード・モネ《睡蓮》1906年、油彩・キャンヴァス、吉野石膏(山形美術館に寄託)。
![]()
クロード・モネ《睡蓮、水草の反映》1914~17年、油彩・キャンヴァス、ナーマッド・コレクション(モナコ)。
![]()
クロード・モネ《バラの小道の家》1925年、油彩・キャンヴァス、個人蔵(ロンドン)。
![]()
ジャン=ポール・リオペル《絵画》1955年、、油彩・キャンヴァス、大原美術館。
モーリス・ルイス《ワイン》1958年、アクリル・キャンヴァス、広島市現代美術館。
![]()
モーリス・ルイス《金色と緑色》1958年、アクリル・キャンヴァス、東京都現代美術館。
マーク・ロスコ《赤の中の黒》1958年、油彩・キャンヴァス、東京都現代美術館。
![]()
マーク・ロスコ《ボトル・グリーンと深い赤》1958年、油彩・キャンヴァス、大阪新美術館建設準備室。
アンディ・ウォーホル《花》1970年、シルクスクリーン・紙、富士ゼロックス版画コレクション。
![]()
サム・フランシス《Simplicity(SEP80-68)》1980年、油彩・キャンヴァス、セゾン現代美術館。
![]()
根岸芳郎《91-3-8》1991年、アクリル・キャンヴァス、個人蔵(名古屋市美術館に寄託)。
ロイ・リキテンスタイン《日本の橋のある睡蓮》1992年、エナメルによるスクリーンプリント・ステンレス・彩色した額、国立国際美術館。
![]()
中西夏之《G/Z 夏至・橋の上 To May VII》1992年、油彩・キャンヴァス、名古屋画廊。
![]()
ゲルハルト・リヒター《アブストラクト・ペインティング(CR845-8)》1997年、油彩・アルディボンド板、金沢21世紀美術館。
![]()
福田美蘭 《モネの睡蓮》2002年、アクリル・キャンヴァス、大原美術館。
![]()
福田美蘭《睡蓮の池》2018年3月、アクリル/パネルに貼った綿布、作家蔵。
福田美蘭《睡蓮の池 朝》2018年6月、アクリル/パネルに貼った綿布、作家蔵(横浜展限定出品)。
堂本尚郎 《連鎖反応---クロード・モネに捧げる》2003年、油彩・キャンヴァス、個人蔵。
![]()
ルイ・カーヌ《睡蓮》1993年、油彩・キャンヴァス、ギャラリーヤマキファインアート。
![]()
ルイ・カーヌ《彩られた空気》2008年、グラスファイバーに樹脂絵具、ギャラリーヤマキファインアート。
ルイ・カーヌ《WORK8》2013年、グラスファイバーに樹脂絵具、ギャラリーヤマキファインアート。
![]()
丸山直文《puddle in the woods 5》2010年、アクリル・綿布、作家蔵。
![]()
水野勝規《reflection》2012年、シングルチャンネル・ ビデオ(HD、サイレント/9分)、作家蔵。
![]()
水野勝規《photon》2018年、シングルチャンネル・ ビデオ(HD、サイレント/9分)、作家蔵。
鈴木理策《水鏡 14, WM-77》、2014年、発色現像方式印画、作家蔵。
![]()
鈴木理策《水鏡 14, WM-79》、2014年、発色現像方式印画、作家蔵。
小野耕石《波絵》2017年、油性インク/アルミに貼った紙、作家蔵。
松本陽子《振動する風景的画面》2017年、油彩・キャンヴァス、個人蔵。
![]()
湯浅克俊《RGB #1》2017年、水性木版(4版4色)・和紙、作家蔵。
湯浅克俊《RGB #2》2017年、水性木版(4版4色)・和紙、作家蔵。
湯浅克俊《Quadrichromie》2018年、水性木版(4版4色)・和紙、作家蔵。
![]()