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加賀の國「三州奇談 三薄の宮」と須々幾神社、「鬼平犯科帳 兇賊」と波自加彌神社

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現在、金沢市在住のブロガー「迷亭」氏がご自身のブログ「下町じゅげむ」に投稿された、
現代語訳『三州奇談』その8「祭礼申楽」(2018-01-11) を拝見し、
私の生まれ育った故里の旧「森本町」のことが登場しているため、関連する記事の投稿に駆られました。


*


次の通り引用させて頂きました。

□ 『三州奇談』「大人の足跡」後半


加賀國河北潟縁の八田村に「鈴木三郎重家の塚」というものがあり、今は「三薄の宮」といっている。重家から五代目の新九郎がここで百姓をしていたが、ある時潟で鱸(スズキ)を釣り上げた。この鱸はたちまち美女となり新九郎と夫婦になった。年月がたって竜宮から迎えがあり妻は帰ってしまい、あとには死んだ鱸が残された。新九郎はその鱸を埋めて塚を築いた。その後、新九郎は富樫に仕えてこの辺りを治めていたが、亡くなったときには同じ塚に葬られた。やがてここに薄が生えてきた。村の人はこれらを一つの社に「祭り三薄の宮」と呼び、餅酒を供えて祭りをした。ある時祭礼をしなかったところ、村中が疫病にかかった。社にお詫びの祭礼をおこなうと、疫病はおさまった。その後ここには薄がたくさん生い茂った。これを切ると血が流れた。村人はたいそう恐れ、今なお祭礼を欠かすことがない。


「三薄の宮」

 

鈴木三郎重家とその五代目・鈴木新九郎の塚。竜宮伝説の一つ。鈴木・鱸(スズキ)・薄(ススキ)の三題噺(ばなし)であり鈴木姓の起源を語る物。この鈴木一族(鈴木党)は出自が熊野水軍で、そこから各地に移住し、熊野の分社を核として布教したのである。

 

 




*


□ 八田村の「須々幾(すすき)神社」

 

出典: 石川県神社庁HP




加賀國の八田村は市町村合併政策に沿って、河北郡八田村⇒河北郡森本町八田⇒金沢市八田町と改編された。

ここの鎮守様は「須々幾神社」で、本務社は河北潟対岸の「小濱神社」(加賀國二之宮加賀郷総鎮守。河北郡内灘町大根布)。
建久年間(1190~1199)井上荘の地頭職・鈴木三郎重家が荒廃していたお宮を立派に建て直し、「須々幾の宮」と呼び、天正14年(1586)に「須々幾神社」となる。
天正15年(1587)小濱神社境内社の「多賀神社」を移築し、伊弉諾(イザナギ)神・伊弉冉(イザナミ)神を祀る。


**

 

 

□ 関連する私の記事 「ドラにゃんこの部屋」 鬼平犯科帳--兇賊(2007-07-01) から

 

 

池波正太郎の「鬼平犯科帳(五巻)」(文春文庫2000年)の「兇賊」には、我が故里に程近い石川県河北郡津幡(つばた)町や富山県境の倶利伽羅(くりから)峠・石動(いするぎ)町が登場する。一匹狼の盗賊、鷺原の九平(さぎはらのくへい)が、「生まれたところは、加賀の国金沢城下から北へ一里ほどの田近谷の村であった。」とある。

 


戦後の昭和29年(1954年)までは、石川県金沢市と河北潟の東北部に在った河北郡の中に、金沢に近い南から、森本村、大場村、八田村、花園村花園・田近・崎田、・・・三谷村直江谷・小原谷・薬師谷があり、⇒後に、森本町として合併し、更に金沢市へと編入されて行く。



本務社として「小濱神社」と並んでこの地域に兼務社が多い、
「波自加彌(はじかみ)神社」(金沢市花園八幡町)
は、寿永2年(1183年)の源平北國合戦の折り兵火のため社殿が焼失し、現在地の「田鹿(たじか)八幡宮」に遷座され復合した。

 

出典: 波自加彌神社HP

 


「波自加彌神社」の田近宮司様が次のように寄稿されている。

 

「当神社は、生姜・山椒など香辛料の古称「薑=はじかみ」の神を祀る神で、毎年 6月15日に、関係者が多数参詣に訪れて「はじかみ大祭」、通称しょうが祭りが行われ賑わいます。昨秋、1300年の式年祭を執行しました。歯で噛んで辛いもの「はじかみ」が「田鹿」となり、さらに「田近」へと転語したものです。田近郷は明治に田近村となり、明治40年の合併で花園村に、さらに戦後森本町になり、その後金沢市との合併で田近の大字名田近地区としてわずかに残っています。」


*


今回、私の故里の旧「森本町」について、「小濱神社」と「波自加彌神社」それぞれの兼務社をチェックしてみました。

懐かしみながら、母校「森本中学校」の頃を思い出しながら・・・(笑)。

 


□ 本務社・・・内灘町大根布「小濱神社」

今町「八幡神社」
才田町「八幡神社」・「春日神社」
八田町「須々幾神社」
大場町「佐那武(さなたけ)神社」


福久町「瓊々杵(ににぎ)神社」
木越町「八幡神社」


□ 本務社・・・花園八幡町「波自加彌神社」

二日市町「波自加彌神社」
岸川町「八幡神社」
月影町「花園神社」
梅田町「菅原神社」
四坊高坂町「八幡神社」


忠縄町「忠縄神社」
北森本町「川崎神社」
塚崎町「八幡神社」
岩出町「岩出神社」
堅田町「誉田別(ほんだべつ)神社」
不動寺町「軻遇突知(かぐづち)神社」
薬師町「八幡神社」
桐山町「日吉神社」
俵原町「熊野神社」
千杉町「貴船神社」
榎尾町「八幡神社」


*

 

 

□ 出典: Wikipedia「石川県河北郡1889年」
 

 

1.津幡町 2.中条村 3.小金村 4.坂井村 5.中口村 6.金川村 7.井上村 8.内灘村 9.大場村 10.八田村 11.川筋村 12.河崎村 13.木越村 14.花園村 15.田近村 16.崎田村 17.倶利伽羅村 18.萩坂村 19.笠井村 20.笠野村 21.金浦村 22.湯ノ谷村 23.医王山村 24.東英村 25.種谷村 26.西英村 27.金津村 28.高松村 29.金津谷村 30.七塚村 31.直江谷村 32.小原谷村 33.薬師谷村 34.森本村(紫:金沢市 桃:かほく市 橙:津幡町 青:合併なし)

 

 


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