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■ 日本語の「ことば」(言葉)
□ 言霊(ことだま)信仰
日本は古来、手を叩く音「拍手」や口で発する声「言葉」には、現実の"事象"に対して何らかの影響を与える"霊力"が宿っていると信じられ、禍々しき霊や魂を追い払い、その場を清める働きがあるとされる信仰が芽生えた。
そして、良い言葉を発すると吉事が起こり、悪い言葉を発すると不吉事・凶事が起こるとされた。
それが高じて、「万葉集」では、日本は言魂の力によって幸せがもたらされる国「言霊の幸ふ国」とされた。
それと前後して、中国・朝鮮半島から文字文化の「漢字」・「仏教」に触れるようになり、ますますヤマト文化の「ことは」・「神道」を自覚することが求められた。
□ 「言(こと)」+「端(は)」の複合語
言語を表す語は、古くは「言(こと)」。「事(こと)」と類義があり事実にも成り得る重い意味を持つようになった。
これに対して、事実を伴わない(口先だけの)軽い意味を持たせようとし、「端(は・はし)」を付加して「ことは」になったという説がある。
「万葉集」で登場する「羽(は)」は軽い物言いを表し、「葉(は)」は多い・豊かな物言いを表している。
そこから、「言の葉」⇒「言葉」の方が多用されて行って定着したようだ。
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■ 英語の「language」(言語)
2通りの語源があると知った。
古ラテン語 dingua(舌) ⇒ lingua(言語を比喩した)。
古フランス語 langue(舌) ⇒ langage(舌の行為へと派生した)。
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人類の言語獲得の歴史については、NHKの特番でいろいろ学んで来た。
■ 「地球大進化」#3「ヒトへと通じる道」(NHK-BShi 2004/11/24放送)
アフリカ・エチオピアで、猿人の或る種族が「新人類」ホモ・サピエンスに進化した。
現在の我々の祖先である「新人類」は、ミトコンドリアDNAの解析から、全て、20万年前のアフリカにいた1人の女性・・・アダムとイヴに因んで「ミトコンドリア・イヴ」と呼ぶ・・・の血が共通して混じっており、彼女が全人類の最も近い共通の女系祖先なのである。
道具の使用を始めていた人類の祖先「新人類」ホモ・サピエンスは、80万年ほど前に火の使用を開始し、肉食による摂取エネルギーの増加は脳の増大。
10万年前に「新人類」の1群はヨーロッパ方面へ、次の1群は東南アジア方面へ、もう1群はモンゴル方面を経てシベリア方面へと移動し、陸続きになっていたからこそ世界中に拡散したのだった。
8~3万年前には、言語や宗教や芸術を獲得したとされる。
1万年くらい前になると、農業を開始し、家畜を飼育し、ペットを飼うようになった。
一方、「旧人類」ネアンデルタール人(ホモ・ネアンデルターレンシス)は、20万年前に出現したが、2万8000~2万4000年前に絶滅したヒト属の一種、旧人である。
イベリア半島~地中海沿岸~中東の一帯に住んでいた。
複数の火山がほぼ同時期に噴火していた。
中でも3万7000年前のイタリア・ナポリ近くのフレグレイ平野でのカンパニアン・イグニンブライト噴火は、ヨーロッパでは過去20万年間で最も大規模だった。
当時のヨーロッパには現生人類の小集団も住んでいたので、噴火の影響を同様に受けたと考えられる。
ネアンデルタールのほとんどがヨーロッパに居住していたのに対し、ホモサピエンスはアフリカやアジアにより大きな人口を抱えていたため絶滅を避けられたようだ。
更に、ホモ・サピエンスは、声帯と長い咽(のど)を使って色々な言葉の発声が可能となっていた。
ホモ・サピエンスが、高度で複雑な言葉を獲得したのに比べて、ネアンデルタール人は、火の使用はできたが簡単な意思疎通が出来る程度の言葉か鳴き声くらいしか獲得できなかった。
地球に隕石が落ち気象に大変動が起こり寒冷期に入って行く。
ホモ・サピエンスは寒さの中で食料の危機を迎える。
言葉を獲得し、文字まで獲得している者もいるので、行ったことのない所の情報や知識も共有し、この難関をどう乗り越えるかを考えることができたのだろう。
*
私たちの祖先の小型の哺乳類が、思い掛けない偶然によって、突如、新しい脳を獲得していたことも分かった。どのようにして、祖先は突然、新しい脳を獲得したのか?
最新のDNA研究によって解き明かされつつある。
ヒトの祖先・初期の哺乳類が、約2億年前の恐竜時代に獲得した新しい頭脳。
体長3cmのハドロコディウムの頭蓋骨化石から見つかった。
それ以前のトリナクソドンには無かった大脳新皮質。
獲得の謎を解明するためDNA解析。
2つの遺伝子、アクセル遺伝子(増殖せよとの指令する物質を出す)とブレーキ遺伝子(増殖するなの指令物質を出す)。
恐竜など爬虫類では、発生段階でアクセルとブレーキが同時に働き打ち消し合うため、穏やかな増殖によって脳が大きくならない。
哺乳類では、発生段階でなぜかブレーキ遺伝子の僅かな変異が起こり、蛋白質の結合でFOXG1蛋白質が生まれて、ブレーキが故障、働きが抑え込まれた。
その結果、アクセルによる増殖が続けられ、大脳新皮質を獲得できたのではないか?
4万2千年前の氷河期。
我々ホモ・サピエンスとは別の人類ネアンデルタール人。
脳の大きさは1350ml vs 1490mlとやや大きく、身体能力は倍程も優れていた。
しかし、ドイツ・フォーゲルヘルト洞窟の石器には全く改良がなかった。
ところがホモ・サピエンスは、言葉を使って技術を高め、目的別に改良を加えている。
言葉に関わる遺伝子FOXP2。
これをマウスに移植すると長く鳴く(オシャベリになる)。
スペインのエル・シドロン洞窟などから、絶滅したネアンデルタール人の化石断片を収集。
2010年、DNAを繋ぎ合せて復元成功。
ところが予想したFOXP2の違いは無かった。
一方、40万DNA文字列のうちたった1文字の違いを発見。
ネアンA vs ホモT。
A⇒Tの変異がFOXP2に働き掛けて、蛋白質が結合してブレーキが抑制され、言語能力を高めたのではないか? 言葉遺伝子が世代を越えて引き継がれ、知識を発展させて行った。
10万年前
「新人類」は、アフリカから旅立ち、1群はヨーロッパ方面へ、次の1群は東南アジア方面へ、もう1群はモンゴル方面を経てシベリア方面へと移動し、陸続きになっていたからこそ世界中に拡散したのだった。
6万年前
アフリカから海を渡り、東南アジアの「スンダーランド」に辿り着く。
氷河期で海面が約120mも低かったインドネシアは、現在のような島の点在では無く、大きな陸地「スンダーランド」だった。
更に、そこからオセアニアヘと渡った。彼等は、旧石器時代の剥片尖頭(はくへんせんとう)石器文化を形成する。
4万~3万2千年前
地球が間氷期の温暖化に入って海面が上昇し、それまで陸続きだった「スンダーランド」は、現在のような島の点在となり、人々は海洋漂流民となって、日本列島へと北上し、沖縄~九州に辿り着く・・・4万年前の宮崎県後牟田(うしろむた)遺跡。
更に黒潮に乗って関東に移住している・・・3万2千年前の小金井市中山谷(なかざんや)遺跡からは伊豆諸島・神津島産の黒曜石を使用した旧石器類が発見されている。
「港川人」・・・1万8千年前
沖縄島八重瀬町港川の石灰岩フィッシャー(裂け目)から、後期旧石器時代の化石人骨が発見された。
ヨーロッパに分布する「クロマニョン人」等と同じく、「ホモサピエンス」であり、従来発見されて来た縄文人(がっしりとした上半身)とは別系統である(きしゃな上半身)。
「縄文人」・・・2万7千~1万年前
ミトコンドリアDNAの解析によって、「縄文人」は、「港川人」とは別系統であることが分かるとともに、従来の骨格均一説を否定する。
かつ、「縄文人」のDNAは、複数のルーツを持ち、各地域の環境要因によって突然変異を繰り返したのである。
北方ルートの「縄文人」
氷河時代の厳寒期には、海面の水位が下がり、大陸と陸続き、あるいは季節によって陸橋化しており、シベリア~東北アジアからマンモスを追って移動して来た。
北海道~東北の「縄文人」先住民の多くは、このように北方起源のDNAを持つ。
尚、関東以西では少数。
北海道白滝遺跡からは、旧石器時代終期(中石器時代とも言う)の特徴である、黒曜石の楔形(くさびがた)細石刃核(さいせきじんかく)という打製石器が出土された。
南方ルートの「縄文人」
「港川人」もしくはそれ以前とは別系統の「縄文人」もまた、東南アジア方面から島伝いに北上して日本列島に辿り着き、九州以北に定着した遺跡は従来より多数在る。同時期の遺跡は見つかっていないが、それより後年のベトナム・ハンチョウ洞窟には「縄文人」のDNAを持つ化石人骨は出土している。
また、「縄文人」は、海面の水位が下がって陸続きだった、朝鮮半島南部と往来していた。
朝鮮・龍湖洞(ヨンホドン)からは、共通の特徴である外耳道骨腫(潜水による後天的な突然変異)の化石人骨や、日本の佐賀県産の黒曜石を使った剥片尖頭石器も見つかっている。
そして後に、日本列島を北上し、北方ルートの「縄文人」と混合して行った。
「弥生人」・・・3千~2.3千年前
2万9千~2万2千年前から始まった日本列島の大規模な噴火は、果てしなく続き、この時期の「縄文人」の大多数が死滅し、また各地へと霧散したと考えられている。
生き残って来た、あるいは戻って来た東南アジア系の「縄文人」の日本列島に、東北アジア系の、所謂(いわゆる)、渡来系と言われる「弥生人」が、朝鮮半島を経て恐らく数十万人規模で大移動して来た。
先住民の「縄文人」は、一部には、南北の辺境に追いやられて琉球人やアイヌ人となっているが、多くは、平和裡(り)に次第に混血して現在に至っている。
ミトコンドリアDNAで解析すると、縄文人の7a,N9bは1割に過ぎぬが、弥生人のD4,N9a,Z,Cの4種合計で4割に達する。
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【追記】 5/18(水)届きました。