テレビ東京「六本木三丁目移転プロジェクト」
湊かなえサスペンス「望郷」
9月28日(水) 21:00~23:18
■ 原作: 湊かなえのミステリー連作短編集
「望郷」 (文藝春秋・単行本2013年1月、文春文庫2016年1月)
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6編のうち第65回日本推理作家協会賞短編部門の受賞作「海の星」と他の2編「みかんの花」「雲の糸」をオムニバスドラマ化。
■ 湊かなえ氏の略歴
1973広島県因島市中庄町(現・尾道市因島中庄町)の松浦家に生まれる、本名: 松浦美苗。尾道市立因北小学校、市立因北中学校、1988県立因島高校に入学、1991武庫川女子大学/家政学部に合格、大学4年時の1995/1/17阪神・淡路大震災、1995京都のアパレルメーカーに就職。
1996秋、目標が見えないと青年海外協力隊(JOCV)隊員に応募し採用、H8--2次隊/ 家政隊員として、南太平洋ポリネシアのトンガ王国/クイーンサロテカレッジ女子高校/家庭科で2年間の栄養指導に従事。
2002兵庫県淡路島の高校家庭科/非常勤講師に採用、2003(30歳) 金戸氏と結婚し退職、洲本市在住。女児出産後、形に残せるものに挑戦したいという思いから書くことを始める。
2004川柳コンテストで最優秀賞受賞、2005BS-i新人脚本賞/佳作入選、2007「答えは、昼間の月」で創作ラジオドラマ大賞受賞、「聖職者」で小説推理新人賞受賞、小説家デビュー。
2009「告白」で本屋大賞受賞、2010映画化で大ヒット。2012「望郷、海の星」で日本推理作家協会賞(短編部門)受賞。
2013「望郷」で直木賞候補、2016「ユートピア」で山本周五郎賞受賞。「ポイズンドーター・ホーリーマザー」で直木賞候補。
■ 概要
チーフプロデューサー: 中川順平(テレビ東京)
制作協力: ホリプロ
製作・著作: テレビ東京
主題歌: 山崎まさよし「光源」(NEW SINGLE「君の名前」収録)・・・作詞・作曲:山崎将義、EMI Records 9/28(水)リリース。
憧れや畏怖、期待や失望が交錯するヒューマンサスペンスドラマ。
舞台は白綱島 (ロケ地は広島県尾道市因島)。
美しき海に架けられた白い吊り橋は、愛する故郷に何をもたらし何を奪って行ったのかー。
実際に瀬戸内海の島で撮影された美しい風景の中で綴られる、切なくも愛おしい人間模様と、最後に明かされる衝撃の真実…。
■ 撮影協力
因島観光協会、おのみちFC、因島総合病院、ホテルみやじま、土生商船、JA尾道市、因島の皆さん、尾道のみなさん、向島ケアハウス、アートリークスラパン、ままかり家1、東京ベイプラザホテル、早坂園芸、EDION、よこはま島鮮、B1DIVER'S、YUKIKA VISION、西武新宿PePe、IVY TAMAI、銀座松竹スクエア、上野原市、その他。
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■ 「みかんの花」
□ スタッフ
脚本:浅野妙子
監督:新城毅彦
□ キャスト
富田美里: 広末涼子・・・白綱島在住。現在は結婚し、老いた母の世話で島に縛り付けられている。20年前、自分を置いて出て行った姉に恨みを抱き続けている。
富田美里(回想): 山口まゆ・・・15歳の美里。健一に好感を持つ。
宮田達也: 中村靖日・・・美里の夫。
富田美香子: 田辺桃子・・・美里と達也の娘。東京に憧れを持っている。
白網島市長: 森喜行
富田笙子: 水野美紀・・・美里の姉。現在は人気小説家。20年前に島を出た切りで一度も戻って来なかったが、白綱島の市の閉幕式に来賓として島に戻って来た。
宮下邦和: 水橋研二・・・笙子の同級生。20年前、笙子と付き合っていた。
富田安江: 倍賞美津子・・・美里と笙子の母。美里がまだ幼い時に不慮の交通事故で夫を失った。以来、夫の残したみかん畑を栽培しながら娘たちを育てて来た。現在は認知症を発症している。
奥寺健一: 田中圭・・・20年前、バッグパッカーとして村にやって来た青年。ミカン狩りを手伝った後、富田家に居着くようになり、美里の初恋の対象となる。
□ あらすじ
白綱島市は全国で唯一残る一島一市だったが、対岸の市に吸収合併されることに。
島で暮らす主婦の富田美里(広末涼子)は市の閉幕式の会場で、演壇に上がった人物を食い入るように見つめていた。
その人物は、小説家の桂木笙子(水野美紀)。
20年前、島を捨て東京へ行ったきり一度も帰ってこなかった憎き姉だ。
作家として成功した笙子は都会的な服装に身を包み、望郷の思いを込めた文章をセンチメンタルに読み上げていた。
式が終わり会場を出たところで、美里は笙子の同級生だった宮下邦和(水橋研二)に呼び止められた。
そこに笙子も現れ、美里は嫌悪感を露(あら)わにする。
だが笙子はまったく悪びれない。
ともに邦和の車に乗せてもらい、母と美里の夫、娘の待つ家に向かった。
美里は想いを馳せる――。
20年前のあの夏、父を事故で亡くし家族三人で必死に生きてきた富田家に、都会から来た若い男・奥寺健一(田中圭)が爽やかな風を運んで来た。
そして、美里は健一と或る約束を交わした。
しかしその約束は守られず、姉の笙子を憎むことになる。
島を出た姉。島に残った妹。
20年の月日が経ち、母の安江(倍賞美津子)は認知症を患った。
美里はある疑念を抱く。そして笙子は驚くべき事実を語り始めた…。
◇
■ 「海の星」
□ スタッフ
脚本:大島里美
監督:中前勇児
□ キャスト
浜崎洋平: 伊藤淳史・・・東京郊外の賃貸に妻子と暮らす。子供の時に父親が突然失踪し、毎晩、母親と探し歩いていた。或る日、釣りをしていると真野幸作(おっさん)に声を掛けられる。
浜崎洋平(回想): 加藤清史郎・・・少年期の洋平。
浜崎友美: 紺野まひる・・・洋平の妻。
浜崎太一: 五十嵐陽向・・・洋平と友美の息子。
浜崎佳子: 若村麻由美・・・洋平の母。夫の失踪後、毎日、朝から晩まで働き、洋平を一人で育てた。夫を探すため、毎晩歩き続ける。
浜崎秀夫: 橋本じゅん・・・洋平の父。20年前に突然姿を消してしまう。
浜崎家の大叔父: モト冬樹・・・洋平の大叔父。
真野幸作: 椎名桔平・・・洋平が「おっさん」と呼んでいた漁師。或る日、釣りをしている洋平と出会う。
真野美咲: 平山あや・・・洋平のかつての級友。島で小学校の教師をしている。幸作の一人娘。
真野美咲(回想): 平祐奈・・・少女期の美咲。
□ あらすじ
白網島出身の浜崎洋平(伊藤淳史)は、東京のマンションで妻の友美(紺野まひる)、息子の太一(五十嵐陽向)と3人暮らし。
或る日、洋平宛てに一枚の葉書が届いた。
高校時代の同級生、真野美咲(平山あや)からだ。
仕事で上京するので、「お父さんのこと」で、どうしても会って話したいという。
20年前――。洋平(加藤清史郎)が小学6年生の秋、父・秀夫(橋本じゅん)が失踪した。
「煙草を買って来る」と言い残して家を出た切り、行方不明のままだ。
果たして事故なのか事件に巻き込まれたのか、それとも…。
母の佳子(若村麻由美)は毎夜、洋平を伴い秀夫の行方を捜す。
父が姿を消してから、佳子は働き始める。早朝・休日を問わず働き詰めの生活を送る母の姿を見て、洋平は少しでも家計を助けようと、物置にあった父の釣竿を持ち出した。
洋平が釣りをしていると、クーラーボックスを肩からかけた真野幸作(椎名桔平)が近づいて来た。
漁師だという幸作は、洋平に頻繁に声をかけては、クーラーボックスの魚を分けてくれるように。たびたび洋平の家にも訪ねて来た。
だが、或る出来事を切っ掛けに疎遠になり、それ以来会っていなかった。
葉書をくれた美咲は幸作の娘。「どうしても話したいこと」というのは、幸作が最近になって美咲に明かした『或る秘密』に関することだというのだが…。
◇
■ 「雲の糸」
□ スタッフ
脚本:小寺和久
監督:藤井道人
劇中歌: 黒崎ヒロタカ(濱田岳)「空の果て」・・・作詞・作曲:山崎将義
□ キャスト
磯貝宏高(芸名・黒崎ヒロタカ): 濱田岳・・・白綱島出身の人気アーティスト。人殺しの息子と言われ、少年時代は苛(いじ)められていた。高校卒業後、島の人間と会わずに過ごして来たが同級生の的場に誘われ、島に帰ることとなる。
磯貝宏高(回想): 吉田騎士・・・少年期の宏高。
磯貝亜矢: 内山理名・・・ヒロタカの姉。白綱島で働いている。律子が犯した罪の真相を知っている。
磯貝亜矢(回想): 井頭愛海(X21)・・・少女期の亜矢。
磯貝律子: 麻生祐未・・・ヒロタカの母。過去の罪を島で償い続けている。出所してからずっとフェリー乗り場で掃除の仕事をしている。
的場裕也: 大野拓朗・・・的場鉄工所社長の息子。ヒロタカの同級生。会社の50周年記念パーティーのため、ヒロタカを強引に島へ呼んだ。
的場社長: 西岡德馬・・・的場鉄工所の社長。会社創業50周年の記念パーティーを開く。
真知子: 渚あき
渚社長: 河西健司
司会者: 寺井文孝
宏高の先輩: 山崎まさよし(特別出演)
□ あらすじ
白綱島出身の人気アーティスト・黒崎ヒロタカ(濱田岳)は、7年振りに帰って来た故郷で海に落ち、意識不明の状態に陥った。
遺書はなく、マスコミは事件の可能性もあると報じた。
有名になったヒロタカにとって、故郷は知られたくない過去だった。
まだ赤ん坊の頃、母の律子(麻生祐未)が起こした事件のために辛い少年時代を送った場所だったからだ。
1カ月前、ヒロタカは同級生の的場裕也から電話を受けた。
裕也の父が社長を務める的場鉄工所は島の大企業で、今年創立50周年を迎える。
その記念パーティーにゲストとして来てほしいという。
ヒロタカは事務所を通すよう頼むが、強引な裕也の依頼を断り切れなかった。
重い足取りで故郷に降り立ったヒロタカ。
島の人々の盛大な拍手や歓声に迎えられたが、どうしようもない居心地の悪さを覚えていた。
そんな彼の身に、一体何が起こったのか…?