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伊坂幸太郎の小説『マリアビートル』映画化: ブラッド・ピット主演『ブレット・トレイン』

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以下、8/3(水)「MusicVoice」配信の記事を補強した。


□ 概要


ブラッド・ピット主演映画『ブレット・トレイン』

 

 

 

8/5(金)全米公開、9/1(木)日本公開)のワールドプレミアがこのほど、米ロサンゼルスで行われ、ブラッド・ピットほか真田広之らがレッドカーペットを歩いた。
伊坂幸太郎氏のベストセラー小説『マリアビートル』を、『デッドプール2』のデヴィッド・リーチ監督がハリウッド映画化した。
ワールドプレミアの会場には、劇中に登場するマスコットキャラクター“モモもん”、カラーに染められたレッドカーペットならぬピンクカーペットが出現。カーペット沿いは、ドリンクのガチャガチャマシン・ビニール傘・自動販売機が設置され、更には自動改札機・コインロッカー・駅の売店・立ち食いうどん屋まで。日本の駅のホームを連想させる本作の舞台である日本への愛を感じさせる空間が演出された。
 

但し、原作は東京発・盛岡行き東北新幹線だが、映画では東京発・京都行きの東海道新幹線に変更されている。

 

 

いつも事件に巻き込まれてしまう世界一運の悪い殺し屋レディバグ。そんな彼が請けた新たなミッションは、東京発の超高速列車でブリーフケースを盗んで次の駅で降りるという簡単な仕事の筈だった。

盗みは成功したものの、身に覚えのない9人の殺し屋たちに列車内で次々と命を狙われ、降りるタイミングを完全に見失ってしまう。

列車はレディバグを乗せたまま、世界最大の犯罪組織を率いる冷酷非道な犯罪組織のボス、ホワイト・デスが待ち受ける終着点・京都へ向かって加速して行く。さらに、コントロールを失った時速350kmの超高速列車からは炎が・・・・・。

 

 


□ スタッフ


原作: 伊坂幸太郎『マリアビートル』

脚色: ザック・オルケヴィッチ

監督: デヴィッド・リーチ

音楽: ドミニク・ルイス
撮影: ジョナサン・セラ
編集: エリザベート・ロナルズドッティア

製作: コロンビアピクチャーズ/87ノース・プロダクションズ/フークア・フィルムズ
配給: 米国ソニー・ピクチャーズ・リリーシング、日本ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
公開: 米国2022年8月5日、日本2022年9月1日(グランドシネマサンシャイン 池袋、土浦、ららぽーと沼津、大和郡山、衣山)

上映時間: 126分




□ キャスト


主人公のコードネーム、レディバグ(原作の七尾)役のブラッド・ピット。

レディバグのハンドラー(調教師)、マリア・ビートル(原作の真莉亜)役のサンドラ・ブロック。

木村雄一の父親、“運命”を語りたがる、剣の達人エルダー(原作の木村茂)役の真田広之。

息子を人質に取られた元殺し屋で、アル中の日本人殺し屋: 木村雄一役のアンドリュー・小路。

殺し屋コンビ、

タンジェリン(原作の蜜柑)役のアーロン・テイラー=ジョンソン、

レモン(原作の檸檬)役のブライアン・タイリー・ヘンリー。

狡猾で悪魔のような性格、女子学生プリンス(原作の王子慧)役のジョーイ・キング

レディバグになぜか恨みを持つ、

メキシコNo.1の殺し屋ウルフ(原作の狼)役のバッド・バニーことベニート・A・マルティネス・オカシオ

犯罪組織のリーダー、

ホワイト・デス(原作の峰岸良夫)役のマイケル・シャノン、
ホワイト・デスの息子サン役のローガン・ラーマン。

新幹線の乗務員(ワゴン販売員)を装った、

アメリカ人殺し屋ホーネット役のザジー・ビーツ、

(ノークレジット) 福原かれん。

日本人乗務員(車掌)役のマシ・オカ。

テレビ番組「モモンガ テレビキッチン」の人気マスコットキャラクターのモモもん。

 





□ 撮影中のエピソード


ブラッド・ピット自身の代表作のひとつ『ファイト・クラブ』で出会い、かつて自身のスタントマンをしていたデヴィッド・リーチ監督に関して、「(撮影中)僕らはいつもジャッキー・チェンのことをたくさん話していたよ。僕らは大ファンなんだ。彼はバスター・キートンのような存在だと思っている」「彼のような演技をすることは、僕は今までやったことがないから、とても楽しかった」と、当時の思い出を振り返った。

真田広之も登場。日本が原作の作品に出演することに関して「伊坂さんの原作が世界公開の映画として作られるということで、やはり日本人としては嬉しいですし、そこに参加できたということはすごく光栄です」。

日本が誇るアクションスターでもある真田だが、本作でもキャストやスタッフ同士アイデアを出し合いながら「楽しく映画少年たちが集まって(笑)、砂場でお城を作っているような、そんな雰囲気」だったと言う。

デヴィット・リーチ監督は、日本を舞台にした作品であるにも拘わらず、コロナの影響で日本に行くことができなかったため、最初は製作の難しさに直面したと今の時代の苦労があったことを明かしながら、同時に「(映画は)誇張されたバージョンの世界でもあるから、視覚的なセットを作り上げることはアーティストとしてとても自由な(開放的な)経験でもあった」、結果的に「コミックのような誇張された世界を作り上げることで、映画がより良いものになったと思う」と自信を見せた。

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 『マリアビートル』(MARIABEETLE)

 

 

伊坂幸太郎による日本の小説で、2010年9月22日に角川書店より発行された。

角川書店単行本2010年9月刊行、文庫本2013年9月刊行。第7回大学読書人大賞受賞作。

『グラスホッパー』(GRASSHOPPER) 角川書店単行本2004年7月刊行、角川文庫本2007年6月刊行、第132回直木賞候補作) の続編

 

 

 

 

 

 




□ 登場人物


木村雄一: 元殺し屋(スナイパー)。アルコール中毒だが息子の渉が入院して以降、アルコールを断っている。息子を重体にさせた王子に復讐するため、彼が乗ったという東京発・盛岡行き東北新幹線に乗り込む。しかし、逆に王子に手玉に取られてしまう。

木村渉: 雄一の息子。5歳。物語開始前に王子にデパートの屋上から突き落とされ、意識不明の重体で東京の病院に入院している。

木村茂と晃子: 雄一の両親。現在は岩手県に住んでいる。王子の命令を受けた木村に呼ばれ、新幹線に途中乗車する。

 

繁: 木村茂のかつての仕事の後輩。木村雄一が幼少の頃にも木村家によく訪れていた。

蜜柑(みかん)と檸檬(れもん): 腕の立つ殺し屋コンビ。峰岸からの依頼で誘拐された彼の息子と支払い済みの身代金の回収を行い、峰岸が待つ盛岡に運ぶ手はずであったが、2人が目を離した隙に峰岸の息子は殺されており、身代金が入ったトランクも紛失してしまう。彼らの視点を意味するハンコは「果物」になっている。

王子慧(おうじ・さとし): 邪悪で狡猾な中学生。外見は普通の中学生ながら、それすら利用して大人を騙し、翻弄する。またどんな悪事を働いても助かる自分の強い幸運を信じている。物語開始の少し前に木村の息子である渉をデパートの屋上から突き落とし意識不明の重体にした。自分を殺しにやってきた木村を逆に手玉に取ってしまう。

王子の協力者: 王子との定時連絡が途絶えれば木村の息子を殺す契約をしている男。医療器具に詳しく、その時になれば機器を操作して事故に見せかけ殺すという。

七尾: ツキのない殺し屋。業界では「天道虫」(てんとうむし、Ladybeetle / Mariabeetle、七尾は七つ星天道虫から来ている) と呼ばれ、真莉亜から仕事の指示を受けている。東京駅から乗車し、蜜柑らが運ぶトランクを盗んで上野駅で降車する仕事を請けるが、因縁ある狼と出くわして彼を殺してしまうなど、様々なアクシデントに巻き込まれ、途中降車も叶わず終点盛岡に近づいて行く。彼の視点を意味するハンコは「天道虫」になっている。

真莉亜(まりあ):七尾に仕事の指示を送る女性。七尾から見て優秀で戦闘力も高いが、自分はあくまで窓口と言って七尾にやらせる。彼女がいう簡単な仕事は毎回、七尾の不運もあって大変なことになる。

狼: 七尾に恨みを持つ殺し屋。威勢は良いが弱者しか相手にできない小心者で、寺原に目を掛けられていた、鯨を殺したのは自分だなど、見栄を張った嘘が多く、異名も「オオカミ少年」などの狼に由来する。

峰岸良夫: 裏社会の有力者で恐れられる人物。前作『グラスホッパー』で寺原が殺されたことをきっかけに危機感を抱き、現在は盛岡に移り住んで姿を隠している。息子が誘拐され、その救出と支払った身代金の回収を蜜柑と檸檬に依頼する。途中の騒動により、終点盛岡にて自ら確認に出る。

峰岸の息子: 誘拐されていた20代半ばの青年。峰岸の依頼を受けた蜜柑と檸檬に助け出され、新幹線に乗るが、2人が目を離した隙に何者かに殺されてしまう。

鈴木: 塾講師。前作『グラスホッパー』の登場人物。亡き妻の両親と会うため新幹線に乗っている。

槿(あさがお): 「押し屋」と呼ばれる殺し屋。前作『グラスホッパー』の登場人物。相手を後ろから押し、車などに轢かせて殺害する。

スズメバチ: 毒を得意とする殺し屋。前作『グラスホッパー』の登場人物で、裏社会の大物である寺原を殺害し、業界で有名となる。しかし、その後は姿を消し、引退したと思われている。実は男女2人組の殺し屋、うち男は車掌に扮し、女はワゴン販売員に扮していた。


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□ あらすじ


元殺し屋の木村雄一は、幼い息子を遊び半分でアパートの屋上から突き落とし、意識不明の重体にした中学生・王子慧に復讐するため、東京駅にて彼が乗った盛岡行き東北新幹線「はやて」に乗る。ところが王子は木村が自分を殺そうとしていることはおろか、元殺し屋という過去も知っており、木村をスタンガンで気絶させる。自信家の王子は大人を翻弄することが好きで、今回も遊び半分で木村を誘い出したとし、自分の知り合いが密かに木村の息子の命を狙っていると教え、彼をコントロール下に置く。

腕の立つ殺し屋のコンビである蜜柑と檸檬は、闇社会の大物・峰岸良夫の依頼を受けて誘拐された彼の息子を救出し、支払われた身代金の回収を行った。それらを盛岡に運ぶため新幹線に乗るが、身代金の入ったトランクを紛失してしまう。さらに2人が目を離した隙に峰岸の息子も殺されていた。途中の各駅には任務確認のために峰岸の部下も配置されており、このままでは峰岸に粛清されるため、2人は慌てる。

ツキのない殺し屋である七尾は、仲介屋で仕事のパートナーである真莉亜より、簡単な仕事として東京駅から新幹線に乗り、トランクを奪って上野駅で降りる仕事を受ける。いざ上野で降りようとすると、偶然にも因縁ある殺し屋・狼と鉢合わせしてしまう。狼が邪魔をして上野で降りられず、その彼とは車内で揉み合いとなって殺してしまう。狼の死体を隠し、次の大宮で降りようとするが再び不運が訪れ、降車に失敗する。

それぞれ3組の殺し屋たちは自分たちの危機を脱するため、また王子慧は大人たちを翻弄するため、身動きの取れない新幹線内で行動を起こす。
 

 

 


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