[ワシントン7月11日 ロイター] 米航空宇宙局(NASA)は11日、ハッブル宇宙望遠鏡の後継機である「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」が初めて撮影したフルカラー画像を公開した。
NASAの今回の公開に先立ち、バイデン大統領が最初の写真を披露するイベントも開かれた。バイデン氏とNASAネルソン長官は、46億年前の銀河団「SMACS 0723」の画像を公開。バイデン氏は「宇宙の歴史を知る新たな窓だ」と期待を示した。
90億ドルを投じた新宇宙望遠鏡は過去最大の大きさと性能を備える。138億年前のビッグバンからわずか1億年後の137億年前の銀河も初めて観測できるとされ、天文学に革命をもたらすと期待されている。
□ NASAジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による46億年前の銀河団の初フルカラー画像 ロイター2022/07/11
□ ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が広げる「人類の地平線」 毎日新聞 2022/05/25
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□ NHK-BSP「コズミックフロント~宇宙の始まり インフレーション」概要紹介 2014/12/12
宇宙はどのようにして始まったのか?
最新の科学が導き出した答えが、138 (137±2) 億年前、宇宙誕生直後のビッグバンの直前に、想像を絶する急膨張「インフレーション」が起きた!! というものだ。
1秒にも満たない一瞬の間に、光速(約30万km/s)を超える速度で宇宙空間が膨張したという「インフレーション理論(宇宙論)」は、今から34年前の1980年に宇宙物理学者・佐藤勝彦博士(京大⇒東大)、アラン・グース博士(MIT)によって提唱された。
当時、その証明は難しいと考えられていたが、宇宙望遠鏡観測の技術進歩によってインフレーションの痕跡を探す観測が可能になり、今まさに、南極やチリ高地などで、発見の一番乗り競争が繰り広げられている。
更に、インフレーション理論は宇宙の始まりを説明するだけでなく、驚くべき宇宙の姿---宇宙は一つではなく無数の宇宙が生まれているというのだ。
□ 6月30日は「アインシュタイン記念日」 2018/06/30
今日6/30(土)は、物理学と宇宙起源学の礎を与えてくれたアルベルト・アインシュタインの記念日。
太陽は、最新の天文学では109億歳で寿命を迎える。現在の太陽は46億歳なので63億年後には今の形は失われる。赤色巨星⇒白色矮星⇒次第にエネルギーを失いやがて黒色矮星⇒ブラックホールだけが残り極限まで圧縮された状態になる⇒光子(光の素粒子)を放出しながら長い時間を掛けて蒸発。宇宙には光子のみが残る。光子には質量が無いため宇宙から全ての質量が無くなってしまう。この情景はまるで宇宙の始まり、ビックバン直前の宇宙とそっくりなのだ。別の宇宙の始まりなのである。
米国のマサチューセッツ工科大を中心にした国際研究チームが、宇宙重力波望遠鏡「LIGO」(ライゴ、レーザー干渉計重力波天文台に設置)によって、2016/2/11(木)に「重力波」(英語gravitational wave)を世界で初めて観測できた。宇宙物理学の歴史に新たな1ページを書き加える観測一番乗りに、世界中の研究者が沸いた。歴史的には、ガリレオ・ガリレオが望遠鏡を使った天体観測開始(1609~10年)から400年余、アルベルト・アインシュタインが「重力波」の存在を予言した(1905~16年)から丁度100年になる。その予言を観測し実証するという "最後の宿題" を、世界の宇宙科学者千人以上が四半世紀に亘り追い続けていた。そして遂に、LIGOチームが観測データを音に変換した「重力波」のヒュッという囀(さえず)りを披露した。
米MITを中心にした国際研究チームが、宇宙重力波望遠鏡「LIGO」による「重力波」の世界初観測 20160211