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NHK-BSP「フランケンシュタインの誘惑」#3「汚れた金メダル 国家ドーピング計画」紹介

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NHK-BSプレミアム「フランケンシュタインの誘惑」

第3回 「汚れた金メダル 国家ドーピング計画」

 

初放送 6/30(木)21:00~22:00
再放送 7/2(土)18:00~19:00

 

 

ナビゲーター/ナレーション: 吉川晃司
司会: 武内陶子アナ

 

ゲスト: 
仲野徹(大阪大学大学院・教授、生命機能研究科/時空生物学、医学系研究科/病理学)、
渡部厚一(筑波大学・准教授、体育専門学群/体育学・スポーツ健康システムマネジメント・スポーツ医学専攻)、他。

 


■ 番組概要

 


科学史に埋もれた闇の事件に光を当てる知的エンターテインメント。

人類に功も罪ももたらす「科学」。その知られざる姿とは…。

 


第3回は、旧東ドイツ(ドイツ民主共和国DDR、1949~90年)が国家包(ぐる)みで行なった、史上最大規模のドーピング事件に光を当てる。

 

 

発覚の度に大きな話題となるスポーツ選手のドーピング。

人体への深刻な影響を知りながら計画を実行した、科学者が編み出した驚くべきテクニックの数々。薬物を投与されていることさえ知らなかった元選手たちの苦しみ。
残された極秘文書から恐るべき実態が明らかになる。

 

 

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■ 関連する記事をピックアップしてみた。

 


旧東ドイツは冷戦時代、オリンピックで夏と冬合わせて519個ものメダルを獲得している。

英才教育の賜(たまもの)。全国各地の幼稚園や小学校にスカウトを巡らせ、才能のある子を奨学金付きでスポーツ学校に転入させる。そこで四六時中、競技漬けのスパルタ教育を施し、勝ち残った生徒をさらに"強化"せる。"強化"とは投薬のことだ。この国の幼稚園と学校は、常にあらゆる方面に才能のある子たちを探していた。早期に才能を発見された子供は、特別に鍛えられ、芽を出せば、今度は専門の学校に移された。体育学校然り、音楽学校然り。運動に秀でた子供たちはハードなトレーニングを受け、世界に通用する選手となるべく養成されて行った。旧東ドイツのスポーツ選手の強さは、しかし、多くの場合、薬で増強したものでもあった。寄宿舎付の専門学校に入っていた未来のオリンピック選手たちは、まだ発育途上のころから、経口トゥリナボールを与えられていたのだ。世界のスポーツ界ではとっくの昔に禁止されていた筋肉増強剤だが、それを子供たちはビタミン剤だと教えられ、毎日、午前中にコーチの部屋でコーチの見ている前で服用させられたという。

 

(出典gendai.ismedia.jp/1988ソウル五輪/東ドイツ女子チーム)

このように、旧東ドイツ出身選手に対してドーピングを続けているのではないかという疑いの目が向けられ続けた。

現実に、ロシュトック出身で10代前半にベルリンの体育学校でエリート教育を受けた自転車ロードレース競技の男子選手であるヤン・ウルリッヒは、1997年ツール・ド・フランス初のドイツ人優勝者という栄光の一方、アンフェタミンによる出場停止やドーピング疑惑医師との接触による所属チーム解雇などの処分を受けている。旧東ドイツのチームや選手による世界記録がいくつか残っているが、これについてもドーピングの結果によるものと推測・批判する声が後を絶たず、通常の競技生活では到達不能なものとして一種のアンタッチャブルにされているものもある。

 


そして遂に、その全容が、1990年の東西ドイツ統一後、次第に明らかになって行った。

旧東ドイツ体制下での国家や各機関、あるいは個人の行動が改めて調査されると、国際大会での好成績を挙げるための国家による組織的なドーピング行為がトップ選手達に対して、同意・強制・無告知など様々な形で行われたことが判明し、ドーピングを強要された選手達が健康被害が苦しんでいることも明かされて行った。

 

 

統一後もドイツ各地で競技指導を続けていた旧東ドイツ出身のコーチの多くは、強い非難を浴びながらその職を失った。

その一部はドイツを離れ、世界各地に職を求めたが、これはドーピング技術の拡散にもつながった。ドーピングに関与したコーチが後に中国に招かれ、旧東ドイツ流の"国策ドーピング"を移植したのは記憶に新しい。その結果、中国は競泳王国となったが、選手の多くは禁止薬物の存在を知らされていなかったという。中国女子水泳選手の尿に奇妙な物質が発見された。これまで見たこともない物質だ。1994年ローマ世界水泳選手権大会、中国女子水泳陣は、全16種目中、12種目で金メダルを獲得、アトランタ・オリンピックへ照準を定める。が、圧倒的な強さの秘密には薬物の投与があるのではないかと疑問を抱いた科学者たちがいた。1994年広島アジア大会で中国は11人ものドーピングによる失格選手を出し「国家包みではないか?」と追及された。検査に立ち会った競技役員は「地方のコーチが実績を上げるために勝手にやった。断じて国家レベルの政策ではない」とシラを切り通した。

 

 

2016年リオデジャネイロオリンピックを直前に控え、ドーピング問題が、ここ最近になってまたクローズアップされている。

世界アンチドーピング機関(WADA)の調査によると、ロシアの陸上競技選手とその関係者が組織的なドーピング投与を行っていたというのだ。調査の対象には、2012年ロンドンオリンピックのメダリストも数名含まれていて、同機関はロシア選手のリオ五輪出場停止を勧告している。ロシアの"国策ドーピング"がメディアを賑(にぎ)わしている。WADAからの勧告を受けた国際陸連はロシア陸連に対し、暫定的な資格停止処分を課した。この処分が解除されない限り、ロシアの陸上選手はリオ五輪に出場できない。五輪を国威発揚のために利用してきた国が、国威を示す最高の舞台である五輪から締め出される。

 


(出典asahicom.jp/ロシア陸上界のドーピング構図)


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