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BS朝日「遥かなる深海大冒険」#5「富山湾など」#2「駿河湾など」紹介

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10/1(日)の#2「ミクロ生物から巨大沈没船」(再放送)に続いて、10/5(木)は#5「富山湾の巨大生物 VS“赤い海"のナゾ生物」(初放送)が行われる。



「遥かなる深海大冒険5 ~富山湾の巨大生物 VS“赤い海"のナゾ生物~」

初放送 10/5(木) 21:00~22:54



平成29年度文化庁芸術祭参加作品。

地球最後のフロンティア“深海”の秘密を探求するシリーズ第5弾!
今回は湾内で独自の生態系を形成する「富山湾」を特集。


*


■ 富山湾

 

3000m級の山々が連なる北アルプスから富山湾の最深部1250mまでの高低差は、実に4000m以上。
そんな特殊な環境が作りあげた豊かな海の謎に迫る。

 

【参考立体図】


富山湾の大きな特徴の一つは、リュウグウノツカイやダイオウイカなどの『幻の深海魚』たちが多く水揚げされること。
そこで、貴重な深海魚を求めて、中村征夫さんが、いざ深海漁へ!果たしてどんな深海生物に出会うことができるか?

 

 



 

■ 海底に突き刺さる旧日本軍の潜水艦

 

更に今回は、日本各地の海底の謎にも迫る。
今年5月、長崎県の五島列島沖で音波による調査で発見され話題となった『海底に突き刺さる旧日本軍の潜水艦』。
番組は、この夏行われた『潜水艦の姿を深海ロボットで映し出す調査』に完全密着。
音波調査で見つかった深海に沈む潜水艦の正体とは?
そして、なぜ、あのような形で海底に突き刺さっていたのか…今、様々なナゾが解き明かされようとしている。
この世紀の大調査の様子を独占映像満載で届ける。

 




■ 巨大噴火の痕跡が生々しく残る鹿児島・硫黄島


海底には鬼界カルデラと呼ばれる約7300万年前に起きた巨大噴火の跡が、直径20キロに亘り広がっている。
その海底からは、現在も、硫黄を含む温泉が湧き出し、湾内を黄色く染めている。

そんな特殊な環境を持つ硫黄島の周りの海底に、番組は、独自カメラを沈めることに成功。
果たして、黄色い海水の底はどうなっているのか…
そして、その深海には、どんな生物が生息しているか?
独自の調査映像を一挙公開。

【参考立体図】




■ 海底資源研究


そして、日本周辺の海底と言えば、海底資源が豊富に存在することでも有名。
世界をリードする深海研究所・海洋研究開発機構(JAMSTEC)が、今年も、海底資源に関して、世界的な発見を成し遂げた。
そんなJAMSTECの最新ニュースから、歴史的に貴重な深海映像まで、日本の未来を担う海底資源研究の最前線を紹介。

 




「遥かなる深海大冒険2 ~ミクロ生物から巨大沈没船~」

再放送 10/1(日) 21:00~22:54
初放送  4/9(日) 21:00~22:54




「宇宙」と並ぶ、もう一つのフロンティア「深海」。
実は、『宇宙よりも深海の方が行くのが難しい』と語る学者は多い…。
宇宙は電波が通じるのに対し、深海は電波が通じない、まさに暗黒の地だから。
人類にとって、その世界を見ることは夢だった――。

BS朝日ではシリーズとして、“深海”を徹底的に掘り下げ、その未知なる世界に迫る番組を放送。
深海研究で世界をリードする「海洋研究開発機構(JAMSTEC)」の撮影した希少な深海の映像を紹介しながら、
これまで数々の研究成果を発表して来た各分野のスペシャリストが未知なる世界の謎を解き明かし、
生き物だけでなく深海で起きている不思議な現象の数々も紐解く。
さらに、日本のJAMSTECだけでなく、海外の深海研究所が撮影に成功した、貴重な生き物の映像も大公開。

シリーズ第2弾は、豊かな生態系を持つ「日本一深い湾・駿河湾」を特集。そこから深海の魅力を余すところなく届ける。


■ 日本一深く生命豊かな湾・駿河湾

最深部で水深2500m。日本一深い湾である駿河湾には、日本近海に生息する生物のうち、およそ43%に及ぶ多くの種類が暮らしていると言われ、
まさに「生き物のゆりかご」と呼ぶにふさわしい多様な生態系を誇る。

 

【参考立体図】


半世紀に亘り駿河湾に潜り続けて来た水中写真家・中村征夫さんは、浅瀬にも深海生物が現れるところが駿河湾の魅力だと言う。
なぜ、駿河湾の深海に多くの生物が生息するのか? 
さらに、浅瀬にも深海生物が現れる理由は何なのか? 
その秘密は駿河湾の頭上に燦然(さんぜん)と輝く「富士山」にあると言う。
「駿河湾の多様な生態系」と「ニッポンの象徴・富士山」の関係とは一体!? 

 



今回、JAMSTECが40年に亘って撮影して来た駿河湾深海部の貴重な映像を見ながら、その秘密を明らかにして行く。
そこに登場するのは、迫力満点の深海ザメから摩訶不思議な姿を持つ生物など、駿河湾の生き物の奇妙な生態を一挙に紹介。
また、深海の王者はいったい誰なのか…? 駿河湾を舞台に行われている最新の生態系調査も紹介。

 

 




■ 1ミリ以下の美しきミクロな生き物たちが教えてくれる「地球の未来」

深海の海底は、ほとんどは泥状の砂でできている。
実は、その砂の中には人間の目ではとても見えない、1ミリにも満たない生物が多数生息。
一見ただの砂だが、そこにはたくさんの命が潜んでいる。
そんな1ミリにも満たない生物は、「有孔虫」と呼ばれている。
沖縄土産の定番・星砂も有孔虫の一つ。 
有孔虫研究の専門家を訪ねた中村さん。
顕微鏡で深海から採取した砂をのぞかせてもらうと、なにやら動く物体が! この小さな物体こそが「有孔虫」。
しかも驚くことに、それぞれの有孔虫がカラフルに光り輝き、美しい姿形をしていた。
それは、まさに海の万華鏡。
実は、有孔虫は5億年以上前から生息する単細胞生物。
有孔虫の成分を研究することで、数千年から数億年前の地球環境を紐解くことができ、現在の地球温暖化、さらには、未来の地球環境をも教えてくれると専門家は語る。 
そんな、深海のミクロな生物・有孔虫研究の最前線に迫る。

 





■ JAMSTECが撮影した深海生物の人気映像を 一挙公開

JAMSTECが40年以上をかけて撮り続けて来た深海映像。
総時間は32,000時間以上になる。
今回、そんな膨大な映像の中から、深海ファンに人気がある映像を紹介。
専門家に徹底解説してもらう。
中には専門家も改めて驚愕(きょうがく)した生き物の姿も! 
深海生物から深海の不思議な風景まで大放出!


■ ギョギョギョ!世界の深海で撮影した衝撃生き物映像をさかなクンが徹底解説

魚類解説のスペシャリスト・さかなクンが番組初登場! 
世界中の深海研究所が撮影した貴重な生き物映像を見ながら、その不思議な生態を「ギョギョギョッ!」と徹底解説。
深海の生存競争を生き抜くためにその姿を変え進化した奇妙な深海魚から、新種のクラゲやタコまで。
さかなクンの深海生物への愛情溢れる独自の目線で、その魅力を語ってもらう。 
さらに、さかなクン直筆、深海生物を描いたオリジナルのイラストも多数紹介。
不思議な深海生物の姿に、目がクギ付けになること、間違いなし!








 


NHKBSプレミアム 北九州発地域ドラマ『GO!GO!フィルムタウン』紹介

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北九州発地域ドラマ『GO!GO!フィルムタウン』

 




■ NHK北九州放送局の市民エキストラ1000人募集 

撮影日時:5/27(土)12:00頃~18:00頃
撮影場所:JR小倉駅周辺
撮影内容:エキストラ1000人総出で行うクライマックスシーン
募集対象:北九州市内および近隣在住の老若男女
当日の出演者:土村芳(かほ)、藤本隆宏、朝倉あき 他

 





■ 「ラジオ深夜便」地域応援特集「我がふるさとは映画の街 ~北九州発地域ドラマ『GO!GO!フィルムタウン』」

□ 放送日: NHKラジオ 10/5(木)深夜25時台 [10/6(金)午前1時台] 

□ 出演

俳優: 光石研・・・1961年9月26日福岡県八幡市(現・北九州市八幡西区)生まれ。

東海大学付属第五高校在学中に「博多っ子純情」のエキストラのオーディションを受けたところいきなり主役に抜擢されてデビュー。

北九州フィルム・コミッション (略称KFC、北九州市小倉北区城内1-1 北九州市役所広報室内) 事務局次長:上田秀栄

アンカー: 向康子アナ

 







■ 話題のBS番組を紹介する「BSコンシェルジュ」

□ 放送日

NHK-G 10/13(金) 12:20~12:43
NHK-BSプレミアム 16:00~16:23

□ 出演

俳優: 土村芳(かほ)・・・1990年12月11日岩手県盛岡市生まれ。

京都造形芸術大学映画学科俳優コース卒業。

俳優: 藤本隆宏・・・1970年7月21日福岡県北九州市生まれ、3才から宗像市育ち。

西日本短大附属高校在学中の1988年水泳日本選手権にて200m・400m個人メドレーで優勝、史上最年少でソウルオリンピック200m・400m個人メドレーに出場。早稲田大学人間科学部在学中の1989年日本選手権にて200m・400m個人メドレーでともに日本記録を樹立、1990年には北京アジア大会の200m・400m個人メドレーで優勝、同大会で日本人初の金メダルを獲得。1992年にはバルセロナオリンピックで400m個人メドレー8位入賞、同種目で日本人初の決勝進出。早稲田大学人間学部卒業後、劇団四季に入団した。

MC: 福田彩乃さん(ものまねタレント)


MC: 稲塚貴一アナ

 


□ 概要

北九州発地域ドラマ「GO!GO!フィルムタウン」直前スペシャル「BSコンシェルジュ」公開収録!(な、長い…)
公開収録日時: 9/24(日)
会場: 北九州芸術劇場(リバーウォーク北九州6階)

「GO!GO!フィルムタウン」の魅力や見処、オール北九州・全7区15か所以上 [5/16(火)~5/29(月)] で行ったロケの裏話などたっぷりと伺う。

 







■ NHK-BSプレミアム北九州発地域ドラマ『GO!GO!フィルムタウン』

 

本放送日 10/18(水) 22:00~22:59

HP http://www.nhk.or.jp/kitakyushu/drama/

予告動画 https://www.youtube.com/watch?v=AWSQOD975rs



□ スタッフ

制作局: NHK北九州放送局


製作総指揮: 後藤秀樹 (NHK北九州放送局)

演出: 佐原裕貴(NHK福岡放送局)

脚本:池谷雅夫・・・1975年2月11日東京都生まれ。
NHKでは、東京・八王子発の地域ドラマ「東京ウエストサイド物語」や特集ドラマ「お葬式で会いましょう」(文化庁芸術祭参加作品)、連続テレビ小説「まれ」スピンオフドラマ「僕と彼女のサマータイムブルース」、FMシアター「ミッドナイトレジスタンス」(文化庁芸術祭参加作品)などを執筆。

音楽: 荻野清子・・・東京藝大音楽学部作曲科卒業。
舞台、映画、テレビドラマ、ラジオドラマ、CMなどの音楽を幅広く手がける。ピアニストとして、ミュージカルや歌手のコンサートにも参加。三谷幸喜監督の映画「ザ・マジックアワー」「ステキな金縛り」「清須会議」で日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞。NHKでは連続テレビ小説「純と愛」、「気象情報」テーマ、Eテレ「さわやか3組」、ラジオドラマ「カーン」(文化庁芸術祭ラジオドラマ部門大賞受賞)などを担当。



□ キャスト

 



土村芳・・・俳優・北九州フィルム・コミッション職員(配属3年目) 北村節子

この仕事は自分には向いていないと「異動願」提出を考える日々。しかも仕事中に6年間つきあっていた彼に振られる。そんな中、憧れの映画監督の担当チーフを任され、ヤル気を出すが・・・。

藤本隆宏・・・節子の憧れの監督で、かつての恋愛映画の巨匠  木根間安二郎

かつては恋愛映画の巨匠だったが、スランプに陥(おちい)ってからは、様々な映画を撮り、自分のやりたいことが分からなくなる。今回の恋愛映画に全てを賭(か)けるつもりで北九州に来た。

朝倉あき・・・監督に不信感を抱く若手女優 MAIKA

木根間監督が北九州で撮影する映画の主演女優。監督の期待に応えようと演技をするが、テイクを重ねると出て来る謎の演出に悩まされる。彼女の機嫌が、撮影チーム全体のバロメーター?

光石研・・・主人公の上司の事務局次長 新藤司

節子の上司であり良き理解者。映画の誘致で北九州を盛り上げ、市民を笑顔にすることに信念を貫く。北九州ならではの飲み屋「角打ち」で、節子の悩みを聞き、励まし、フィルム・コミッション魂を伝える。


薄平広樹・・・平野健

 


□ 概要 (敬称略)

市内各地でロケが行われ、今や“映画の街”となった北九州市が舞台。

10/4(水)、完成試写会および会見が東京都内で行われ、出演者の土村芳、藤本隆宏、朝倉あき、光石研が出席した。

 


地元住民のエキストラの協力ぶりに話題が及ぶと、土村は「皆さんいろいろな作品に参加しているようで、ご自分で(役柄の)設定を考えてきている」、朝倉も「あまりにも皆さん“ガヤ撮り”がうまくて。よく聞くと台詞(せりふ)もよく練られている」とベテラン感に驚いたと言う。
光石と藤本は「北九州はお調子者が多い」「祭り好き」と口を揃えて頷(うなず)いていた。


土村芳扮する主人公は、北九州でロケなど映画づくりをサポートする市役所フィルム・コミッションの若手女性職員・北村節子。
初めて一人で憧(あこが)れの映画監督になり、担当した撮影を通して、市民の協力を得ながらロケに奔走し、成長して行く姿をコメディタッチの心温まるストーリーで描く。


土村は「岩手県盛岡市出身で、まだ行ったことのない北九州という地のドラマの主演。いいんだろうかと正直最初は思ったんです」と明かした。
さらに「主演としての緊張もあって撮影に入ったけど、現場の皆さんもすごく温かくて」と現場の和やかな雰囲気にも助けられて主役を全うした様子で、「初主演がこの作品で幸せに思っています」と溢れる思いを語った。

 

 



朝倉あき(1991年9月23日福岡県朝倉市生まれ、神奈川県育ち、東宝芸能に所属、日出高校卒業) は「北九州は、両親の地元が(隣の)福岡なのでときどき行っていたが、こんなに(北九州を)しっかり味わったのは初めて。地元の人の温かい歓迎を受けて、街全体で作品を盛り上げるからね、という愛を感じて幸せな撮影期間でした」とうれしそうに話した。しかし劇中で監督に不信感を抱く女優MAIKA役を演じるため、「常に不機嫌な顔をしないといけないのが、なかなかつらかったんですけれど……」と振り返った。
撮影中は出歩けなかったことを明かし「土村(芳)さんたちが『食べちゃった』『あれ、おいしいんだよね』というのを聞いて、うらやましいと思いました。すぐ後に北九州に行く機会があって、そのときにここぞとばかりにいろいろ食べました。ラーメン、魚がおいしかった」と話した。

 

 

 


藤本隆宏と光石研はともに北九州市生まれ。


藤本は「北九州放送局が作る初めてのドラマで北九州の言葉をしゃべれる、腕の見せ所だと思ったら東京出身という役」とがっくり。
光石は「自分の生まれ育ったところの言葉を操ってのお芝居では、演じる先の表現ができるような気がして喜びを感じております。どれほどの喜びかというのは今日の衣装を見ていただければ」と番組タイトルロゴの入ったTシャツをお披露目して笑わせた。

 

 

カズオ・イシグロのノーベル文学賞はサプライズ!! 【付録】経歴

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カズオ・イシグロ(Kazuo Ishiguro OBE, 石黒 一雄)が、日本時間の10/5(木)夜、2017年の「ノーベル文学賞」を受賞したニュースは、ハルキストならずとも驚愕した。

 

ノーベル財団では、国籍・国境等の変遷に鑑み出身国に関しては出生国としており、イシグロを日本出身のノーベル賞受賞者と位置付けていると言う。

 

 

*

 

 

私は彼の作品を一冊も読んだことがない。先ず彼の経歴と作品群をチェックし俄(にわ)か勉強した。

 

10/6(金)朝、9時開館の区立図書館へ行って端末で検索したところ、何と!!短編の「日の暮れた村」しかなかったが、借りた。

次に10時半開店の書店へ行ったところ、書棚に代表作「日の名残り」と「わたしを離さないで」の文庫本を発見!! この2冊しかない。私が嬉しく支払いを済ませている間、私のような老齢の女性がカズオ・イシグロの本を問い合わせていたようだった。ちょっとスマナイ気持ち。

 

 

*

 

 

先ず短編の「日の暮れた村」から読み始めた。

長編の「日の名残り」と「わたしを離さないで」はじっくり読もう。

 

 

■ カズオ・イシグロの経歴

 

日系イギリス人作家。ロンドン在住。62才。

祖父の石黒昌明は滋賀県大津市出身。上海の東亜同文書院大学(第5期生)で学び、1908年の卒業後は伊藤忠商事天津支社に在籍して上海に豊田紡織廠を設立する責任者(取締役)となった。

父の石黒鎮雄は1920年4月20日上海生まれ。九州工業大学電気工学卒業後、東京大学より理学博士号を授与された海洋学者。杉並区高円寺の気象研究所⇒長崎海洋気象台に転勤となり、一家で長崎に住んだ。

石黒一雄は、1954年11月8日長崎市新中川町で、海洋学者の父・石黒鎮雄(2007年に死亡)と母・静子(長崎の被爆者、今年91才)の間に生まれる。


長崎市桜馬場2丁目の「市立桜ヶ丘幼稚園」(2012年閉園)の年少組に通う。

1960年(5才時)、父がイギリス政府の国立海洋学研究所(National Oceanography Centre)に招致され北海で油田調査をすることになり、一家でサリー州ギルドフォードに移住した。


現地のストートン小学校、中等教育の名門グラマー・スクール、卒業後にギャップ・イヤーを取取得して北米を旅行したりデモテープを制作しレコード会社に送ったりした。

1978年、ケント大学英文学科で英文学と哲学の学位取得。
1980年、イースト・アングリア大学大学院創作学科で修士号修得。批評家&作家のマルカム・ブラッドベリの指導を受けて小説を書き始めた。

卒業後に一時はミュージシャンを目指すも、文学者に進路を転じた。

1981年、短編小説「'A Strange and Sometimes Sadness’, ‘Waiting for J’, and ‘Getting Poisoned’ in Introduction 7: Stories by New Writers」

1982年、長編小説処女作「女たちの遠い夏」(筑摩書房単行本)。後に早川書房文庫本を刊行する際に「遠い山なみの光」と改題した。原題「A Pale View of Hills」)・・・ 英国に在住する長崎女性の回想を描いた。

王立文学協会賞を受賞し9か国語に翻訳。

1982年(27才時)、イギリスに帰化。

1984年、テレビ脚本「A Profile of Arthur J. Mason」 。

1986年、長編小説第2作「浮世の画家」(原題「An Artist of the Floating World」)・・・長崎を連想させる架空の町を舞台に戦前の思想を持ち続けた日本人を描いた。

ウィットブレッド賞を受賞した。

1986年、イギリス・スコットランド人のローナ・アン・マクドゥーガル( Lorna Anne MacDougall)と結婚した・・・ He was a residential resettlement worker, and she was a social worker. They met at the West London Cyrenians homelessness charity in Notting Hill.

 


 

1987年、テレビ脚本「The Gourmet」。

1989年(35才時)、英国貴族邸の老執事が語り手となった長編小説第3作「日の名残り」(原題「The Remains of the Day」)で英語圏最高の文学賞とされるブッカー賞を受賞し、イギリスを代表する作家の1人となった。

 

 

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1989年、国際交流基金の短期滞在プログラムで再来日し、大江健三郎と対談した際、
「最初の2作で描いた日本は想像の産物であった。私はこの他国、強い絆を感じていた非常に重要な他国の、強いイメージを頭の中に抱えながら育った。英国で私はいつも、この想像上の日本というものを頭の中で思い描いていた」と語った。
この機会に長崎を訪れ、「桜ヶ丘幼稚園」で年少組の担任だった田中皓子さん(91才)と再会を果たした。

1990年、短編小説「戦争のすんだ夏」(原題「The Summer after the War」)。短編小説「夕餉」(ゆうげ、原題「A Family Supper」)。

1990年、インタビューで、 「もし偽名で作品を書いて、表紙に別人の写真を載せれば『日本の作家を思わせる』などという読者は誰もいないだろう。谷崎潤一郎など多少の影響を与えた日本人作家はいるものの、むしろ小津安二郎や成瀬巳喜男などの1950年代の日本映画により強く影響されている」と語っている。

 

また、幼い頃に過ごした長崎の情景から作り上げた独特の日本像が反映されていると報道されている。

1992年、娘のナオミ誕生。

1993年、「日の名残り」は英米合作、ジェームズ・アイヴォリー監督・アンソニー・ホプキンス主演で映画化された。

1995年、長編小説第4作「充たされざる者」(原題「The Unconsoled」)。
1995年(40才時)、大英帝国勲章(オフィサー)を受章。


1998年(43才時)、フランス芸術文化勲章を受章。

2000年、戦前の上海租界を描いた長編小説第5作「わたしたちが孤児だったころ」(原題「When We Were Orphans」) を出版、発売と同時にベストセラーとなった。

2001年、短編小説「日の暮れた村」(原題「A Village After Dark」)・・・ニューヨーカー2001年5月掲載。

日本語版は2006年11月晶文社出版(柴田元幸・編訳)のアンソロジー「紙の空から」に収録。

 

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2003年、映画脚本「世界で一番悲しい音楽」 (原題「The Saddest Music in the World」)。 

2005年、英中合作映画脚本「上海の伯爵夫人」 (原題「The White Countess」)。

2005年、「わたしを離さないで」を出版し、2005年ブッカー賞の最終候補に選ばれる。

 

 

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2008年、タイムズ紙上で、「1945年以降の英文学で最も重要な50人の作家」の一人に選ばれた。主な作品「わたしたちが孤児だったころ」「わたしを離さないで」。
作品の特徴として、「違和感」「むなしさ」など感情を抱く登場人物が過去を曖昧な記憶や思い込みを基に会話・回想する形で描き出されることで、人間の弱さや、互いの認知の齟齬が読み進めるたびに浮かび上がる。人間が意思を通わせることの難しさや記憶の不確かさを浮き彫りにする作品で高い評価を得た。

2009年、短編小説「夜想曲集―音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」(原題「 Nocturnes: Five Stories of Music and Nightfall」)。

「わたしを離さないで」は映画化・舞台化されて大きな話題を呼んだ。
2010年、イギリス映画化。
2014年、ホリプロ舞台化。
2016年、TBSテレビドラマ化。

2015年、英国紙ガーディアンでは、「英語が話されていない家で育ったことや母親とは今でも日本語で会話している」と語り、(英語が母国語の質問者に対して) 「 I'm pretty rocky, especially around vernacular and such.(言語学的には同じくらいの堅固な(英語の)基盤を持っていません)」と返答している。また、「最初の2作は日本を舞台に書かれたものであるが、自身の作品には日本の小説との類似性はほとんどない」と語っている。

2015年、長編作品の「忘れられた巨人」(原題「The Buried Giant」)を英国・米国で同時出版・・・アーサー王の死後の世界で、老夫婦が息子に会うための旅をファンタジーの要素を含んで書かれている。中世イングランドを舞台に、人々の記憶を奪う謎の霧に晒されながら、遠方に暮らす息子を探す老夫婦の旅を描いた。

2015年、来日講演では、1990年代のユーゴスラビア紛争で「一夜にして隣人同士が殺し合った」事実を着想のきっかけとして挙げた。 「1、2世代前の国家的、社会的な記憶が再起し、人々を戦いに向かわせる。記憶すべきか忘却すべきかの問題は、個人ばかりでなく、国家や社会にも当てはまる」と強調した。

2017年10月5日(まもなく63才)、ノーベル文学賞を受賞。スウェーデンのストックホルムにある選考委員会は日本時間の10/5(木)20時過ぎ、今年のノーベル文学賞受賞者の名前を「カズオ・イシグロ」と読み上げた。昨年のボブ・ディランに続くサプライズ。
ノーベル賞授賞理由 「壮大な感情の力を持った小説を通し、世界と結びついているという、我々の幻想的感覚に隠された深淵を暴いた。感情に強く訴える小説で、世界とつながっているという我々の幻想の下に隠された闇を明るみに出した」。

ロンドン北部の自宅、英国の郊外で多くみられる二戸単位の建売住宅 ( semi-detached suburban house  in Golders Green, north-west London )前で報道陣の取材に応じ、「キッチンでメールを書いている時に、自身の代理人の電話で知った。選考に当たったスウェーデン・アカデミーではなかったため、いたずらだと思った」と話すなどユーモアも織り交ぜた。

 

 

インタビュー動画(TBS系JNN提供) 

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20171006-00000001-jnn-int

「予期せぬニュースで驚いています。日本語を話す日本人の両親のもとで育ったので、両親の目を通して世界を見つめていました。私の一部は日本人なのです。私がこれまで書いてきたテーマがささやかでも、この不確かな時代に少しでも役に立てればいいなと思います。偉大な作家たちの歩みに加わることができたことは、最高の名誉です」。

 

長崎市の田上富久市長は、イシグロさんの長編デビュー作「遠い山なみの光」で原爆投下後の長崎が描かれていることを踏まえ、 「偉大な作家の心の原風景に長崎があり、作品の重要な要素になっていることを誇らしく思う。いつか、長崎市を訪れる機会があることを願っている」とするコメントを発表した。 

作家の中島京子は、「非キリスト教文化圏の感受性を持ちながら、英国文学の伝統の最先端にいる傑出した現代作家」と述べている。

多くのイシグロ作品を翻訳した土屋政雄は、 「イシグロは非常に穏やかな人。いつかするだろうがノーベル文学賞の受賞はもう少し時間がかかると思っていたので今回の受賞には驚いた」と語っている。

時事通信は---

カズオ・イシグロ氏が紡ぐ物語は 「記憶」が重要な意味を持つ。登場人物たちは、さまざまな形で記憶をたぐり、自身や世界との関係性を捉え直す。その作風は長崎市で生まれて5歳で渡英、後に英国籍を取得した「越境者」としてのアイデンティティーと無縁ではない---と伝えている。

 

カズオ・イシグロの短編小説「日の暮れた村」あらすじ

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「日の暮れた村」を読んだ。初めてのカズオ・イシグロ作品。

 

 

リブログ


 

 

カズオ・イシグロの短編小説第四作

「日の暮れた村」 (原題「A Village After Dark」)
 


■ 原文


ニューヨーカー2001年5月21日号に掲載。https://www.newyorker.com/magazine/2001/05/21/a-village-after-dark
 

元々は、1995年の長編小説第四作「充たされざる者」(原題「The Unconsoled」)の下準備として書かれていたもの。

 

■ 日本語版


海外文学短編アンソロジー「紙の空から」(柴田元幸・翻訳、晶文社単行本2006年11月)に収録。本文24ページ + チエ・フエキ画の絵3ページ。

・・・編者と翻訳は、ポール・オースターやリチャード・パワーズなど現代アメリカ文学の翻訳家として知られる柴田元幸(アメリカ文学研究者、翻訳家。東京大学名誉教授)。
この本には、柴田元幸さんが選んだ14の旅の物語が収められている。

 

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「世界文学全集3<06>短篇コレクションⅡ」(池澤夏樹・編、河出書房新社単行本2010年11月) に収録。

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■ あらすじ



かつて、その村を希望に満ちた熱狂が覆(おお)っていた。
村の人間の方は何時までも昔のことを覚えている。
しかし主人公のフレッチャーはすっかり変わって何も覚えていない。
何時とも知れぬまま色褪(あ)せ、もはや漠然としたものでしかない過去の栄光の記憶。

*

主人公の男フレッチャーは、日の暮れた直後に小さな村に戻って来た。
かつて自分が暮らし村人たちに大きな影響を与えていた村だとは、到底、信じられなかった。
だが今は、若くはなく見すぼらしくなっている。

石造りのコテージが並ぶ狭い街路の中で方向を見失う。
広場にさえ辿り着ければと、場所を尋ねようと一軒のコテージのドアをノックする。
老いた彼を迎える村人たちは、直ぐにあのフィッシャーだと気付いた。

しかし決して優しくはなかった。
一人の女が「何であんな人に夢中になったのかわからないわ。いまじゃまるで浮浪者じゃない」と言う。
さらにもう一人、中年の男が「子供のころの君とのき合いのことを連中に話したりする。『昔いじめていた、言いなりになってた痩せっぽちの子供のことなんか覚えているはずがないさ』」と言った。
皆、あの日の熱に浮かされたような夢から醒(さ)めてしまっていた。

彼に熱い期待の眼差しを向けるのは、もはや他に希望を持つことのできない若者たちだけらしい。
実のところ、彼自身の記憶ももう随分、曖昧(あいまい)になっていたのだ。

男は道に迷った挙句に知らないバス停で待つ。
旅の終わりに待っている歓迎のことを想い、憧れ、崇(あが)める若い人たちの顔を想うと、自分のなかのどこか奥深くで楽天が息づくのが感じられた。


 

北の丸公園~千鳥ケ淵~国会前庭を散歩

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10/9(月・祝)は「体育の日」にふさわしく、よく晴れて汗が滲(にじ)むほどの気温だった。

 

午前中、紅葉のKizashiを求めて、先ず「北の丸公園」へと向かった。

 

東京メトロ・銀座線の日本橋駅で東西線に乗り換え、九段下駅で下車。

 

「体育の日」なので皇居一周マラソン大会が盛んに行われていて、ひっきりなしに横を通り過ぎて行った。

「TAC」(東京アスレチッククラブ)の帽子を被った家族などの5k or 10kmのようだ。

 

 

□ リブログ

 

□ 関連ブログ  竹橋~平川濠~「北の丸公園」~清水門を散策(2016-03-30)

 

 

九段坂

 

牛ケ淵

 

■ 「北の丸公園」(千代田区北の丸公園)


江戸幕府の徳川家御三卿、清水徳川家(東の牛ケ淵・清水濠側)と、田安徳川家(西の中池・千鳥ケ淵側)の屋敷跡地。

所管は環境省皇居外苑管理事務所。

 

 

 

手前・牛ケ淵

向こう: 千鳥ヶ淵

 

田安門

 

 

□ 「日本武道館」(北の丸公園2-3)

 

1964年の東京オリンピック柔道競技会場として開館。設計は山田守で、法隆寺夢殿をモデルにした八角形、大屋根の稜線は富士山をイメージした。施工は竹中工務店。
元々太田道灌が江戸城築城の際に関東の守護神「築土神社」(旧・田安明神)が遷座した場所⇒関東代官・内藤清成らの屋敷となったため代官町と呼ばれた⇒徳川忠長や徳川綱重らの屋敷⇒徳川氏の御三卿・田安家屋敷⇒明治維新後に近衛師団兵営地。
 

 

その時、天高く日航機上昇! 近い!!

 

 

□ 「千鳥ヶ淵さんぽみち」~池~芝生

 

紅葉始まる。紅葉林は未だ。

 

ケヤキ

ナナカマドorハゼ

ウメモドキorガマズミ

ススキ

ドウダンツツジの大木

 

 

乾(いぬい)門

 

■ 「東京国立近代美術館/工芸館」(北の丸公園1-1)


1952年に日本初の国立美術館として中央区京橋に開館した。1969年に拡充し現在地の千代田区北の丸公園に移転(旧館は1970年に「フィルムセンター」となった。さらに1977年に旧近衛師団司令部庁舎(1910年竣工、重要文化財)を改修し「工芸館」が開館した。




代官町通り


 

■ 「駐日英国大使館」(英語「British Embassy Tokyo」、千代田区一番町1 )

 

1929年に英国工務省の設計により再建。

尚、1874年に竣工した、銀座煉瓦街などで知られるトーマス・ウォータースの設計による赤レンガ造りは1923年の関東大震災で倒壊してしまった。

 

 

 

■ 代官町通り「千鳥ヶ淵緑道」

~内堀通り「千鳥ヶ淵公園」(千代田区麹町1-2)

 

半蔵濠

 

 

 

■ 「国会議事堂前庭」(千代田区永田町1-1-1)

 

左側(南地区)の日本式庭園(別名・南庭)。

右側(北地区)の西洋式庭園(別名・北庭)、隣接して「衆議院憲政記念館」がある。

有名な「桜田門外の変」で暗殺された、大老・井伊直弼(なおすけ)の彦根藩上屋敷跡地。

「相棒シリーズ」はじめ各ドラマのロケ地として登場。

 

□ 関連ブログ 国会議事堂前庭~国立劇場前庭を散策(2016-02-21)

 

シャリンバイ

レストラン「霞ガーデン」脇の

コブシorハクモクレンの袋菓

トウカエデ?

 

 

■ 「国会議事堂」(永田町1-7-1)

 

今日10/9(月・祝)~12(木)にデンマーク王室・フレデリック皇太子の来日。

 

 

*

 

帰途は、東京メトロ・有楽町線の桜田門駅から。有楽町駅でJR山手線に乗り換えて上野駅まで。

 

今日のウォーキングは久々、大台突破の11,800歩。

カズオ・イシグロの長編小説「日の名残り」あらすじ

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■ 長編小説「日の名残り」

 

著者: Kazuo Ishiguro

原題:「The Remains of the Day」
刊行:「Faber and Faber」社1989年5月。

 

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発刊当時の書評:
“An intricate and dazzling novel.” —The New York Times
“Brilliant and quietly devastating.” —Newsweek 
“A virtuoso performance ... put on with dazzling daring and aplomb.” —The New York Review of Books
“A perfect novel. I couldn’t put it down.” —Ann Beattie (born September 8, 1947, Washington, D.C., U.S.) 


1989年、英国最高の文学賞「ブッカー賞」を受賞。

斜陽化して行くイギリス貴族の執事を描くことを通して、失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ。
英国調の静謐(せいひつ)で繊細な文体が漂う。


■ 土屋政雄・日本語訳

中央公論社単行本1990年7月
中央公論社中公文庫1994年1月

□ 早川書房ハヤカワepi文庫2001年5月

 

 

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カバーのキャッチコピー


品格ある執事の道を追求し続けて来たスティーブンスは、短い旅に出た。
美しい田園風景の道すがら様々な思い出が過ぎる。
長年、仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑(かがみ)だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の闇に邸内で催された重要な外交会議の数々---過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸の中で生き続ける。
失われつつある伝統的な英国を描いて、世界の中で大きな感動を呼んだ、英国最高の文学賞・ブッカー賞受賞作。



■ あらすじ

□ 主な登場人物

スティーブンス - ダーリントンホールの執事(語り手)。
ダーリントン卿 - ダーリントンホールの前の主人。伯爵。
ミス・ケントン(ベン夫人) - ダーリントンホールの元女中頭。
ファラディ - ダーリントンホールの現主人。アメリカ人。



物語は第二次世界大戦が終わって十数年が経った1956年の「現在」。
主人公のスティーブンスが1920~30年代にかけてダーリントン卿に仕えていた時代を回顧する。
執事であるスティーブンスは、新しい主人、ダーリントン卿の亡き後にダーリントンホールを買い取ったアメリカ人の富豪ファラディ氏の勧めがあって、ファラディ氏の車を借りてイギリス西岸のクリーヴトンへと小旅行に出かける。
しかし、ファラディ氏に売り渡される際に、多くの熟練スタッフたちが辞めて行き、ダーリントンホールは深刻な人手不足を抱えていた。


そんなスティーブンスのもとに、かつて共に働いていたベン夫人から手紙が届く。
ベン夫人人とは、スティーブンスと屋敷を切り盛りしていた女中頭のミス・ケントンだった。
手紙には、現在の悩みとともに、昔を懐かしむ言葉が綴(つづ)られていた。
彼女に職場復帰してもらうことができれば人手不足が解決する。
そう考えたスティーブンスは、彼女に会うために旅に出ることを思い立ったのだ。
だが彼には、もうひとつ問題があった。それは、彼女がベン夫人となる前のミス・ケントンと呼ばれていた時代のものだった・・・。


旅の道すがら、スティーブンスは、敬愛する主人ダーリントン卿がまだ健在で、ミス・ケントンとともに屋敷を切り盛りしていた時代のことばかり思い出していた。
「偉大な執事とは何か?」と自問自答を重ねる。
スティーブンスは、自分の父親の執事人生からのエピソードを引用しながら、その「品格」を語る。
「名家に雇われていること」「執事としての職業的な威信が雇主の人間的価値の大きさに比例して決まってくる」「高徳の紳士ダーリントン卿にお仕えしたことで、国家の大事のまっただなかで、この世界という車輪の中心に、夢想もしなかったほど近づくことができた執事人生」
---という自負を持ち誇りに思う。しかしながら、
「みずからの地位にふさわしい品格の持ち主であること」「品格の有無を決定するものは、みずからの職業的なあり方を貫き、それに堪える能力だと言える」
「執事の任務は、ご主人様によいサービスを提供することであって、国家の大問題に首を突っ込むことではない。自分の領分に属する事柄に全力を集中すること」

===中略===

ベン夫人と再会を済ませたスティーブンスは、不遇のうちに世を去ったかつての主人や失われつつある伝統に思いを馳せながら、涙を流す。
やがて前向きに現在の主人に仕えるべく決意を新たにする。


エピローグ「六日目---夜 ウェイマスにて」は、原文の印象に残った箇所を抜粋したい。

「結局、時計をあともどりさせることはできませんものね。架空のことをいつまでも考えつづけるわけにはいきません」(p343)
バスが止まる瞬間まで、私はミス・ケントンのほうを見ることができませんでした。最後に視線を合わせたとき、ミス・ケントンの目に涙があふれているのが見えました。(p344)
「わしに言わせれば、あんたの態度は間違っとるよ。いいかい、いつも後ろをばかり向いてるから気が滅入るんだよ」「人生、楽しまなくちゃ。夕方が一日でいちばんいい時間なんだ。夕日がいちばんいい」。(p350~351)
「私どものような人間は、何か真に価値あるもののために微力をつくそうと願い、それを試みるだけで十分であるような気がします。そのような試みに人生の多くを犠牲にする覚悟があり、その覚悟を実践したとすれば、結果はどうあれ、そのこと自体がみずからに誇りと満足を覚える十分な理由となりましょう」(p351~352)
「本腰を入れて、ジョークを研究すべき時期にきているのかもしれません。人間どうしを温かさで結びつける鍵がジョークの中にあるとするなら、これは決して愚かしい行為とは言えますまい」「明日ダーリントン・ホールに帰りつきましたら、私は決意を新たにしてジョークの練習に取り組んでみることにいたしましょう」(p353)



■ 書評


□□ 丸谷才一の解説(文庫本巻末)

□ 彼が1990年11月「週刊朝日」に寄稿した書評(抜粋)

「主人公スティーブンスは執事である。彼は以前、政界の名士であるダーリントン卿に仕えていて、有能な執事として自他ともに許していた。
しかし彼には第二次世界大戦前夜から戦後にかけてのダーリントン卿の重大な失敗を救うことなどもちろんできなかったし、そして自分自身の私生活もまた失敗だったと断定せざるを得ない。旅の終りにそのことを確認して、スティーブンスは海を見ながら泣く。夕暮れである。桟橋のあかりがともる。
『日の名残り』はそれゆえ、まるでウッドハウスのジーヴズもののきれいな裏返しのようにわたしには見えた。つまりイシグロは大英帝国の栄光が失せた今日のイギリスを諷刺している。ただしじつに温和に、優しく、静かに。それは過去のイギリスへく讃嘆ではないかと思われるほどだ。
ダーリントン・ホールはいまアメリカの富豪の所有に帰し、スティーブンスは彼に雇われているのだが、このアメリカ人は親切な男で、自分が帰国して留守のあいだ、数日イギリスを見物しろと執事にすすめる。その旅で彼が眺める田園風景と同じくらい、古いイギリスの倫理は肯定されているようだ。

「しかし、スティーブンスが信じていた執事としての美徳とは、実は彼を恋い慕っていた女中頭の恋ごころもわからぬ程度の、人間としての鈍感さにすぎないと判明する。
そして彼が忠誠を献げたダーリントン卿とは、戦後、対独協力者として葬り去られる程度の人物にすぎなかった、という認識と重なり合う。
現代イギリスの衰えた倫理と風俗に対する洞察の力は恐しいばかりだ。」

「イシグロは、悲劇を語りながら、ユーモアを忘れない。わたしはその余裕のある態度を望み見て、川端康成にではなくディケンズに師事していることを喜んだ。
海を見ながら泣く執事に、見ず知らずの男は、今朝一ぺん鼻をかんだきりだと言ってハンカチを貸そうとする。執事はそれを断ってから、むやみに冗談を言うことが好きなアメリカ人の雇い主のため、冗談の練習をしようと思い立つ。」

□ 新しく寄稿した書評(抜粋)

「スティーブンスはダーリントン卿に心服していた。尊敬すべき人物だと信じ切っていた。そういう敬愛というよりはむしろ畏怖の対象である貴族への評価が次第に崩れていく。
この従僕はまた私的な悲劇を持つ。女との関係を回顧して、自分が勿体ぶってばかりいて人間らしく生きることを知らない詰まらぬ男だったという自己省察に到達するのだ。
この公私両方の認識の深まり方につきあうのが『日の名残り』を読むということなのである。」

「注目に価するのは、その時間構造である。まずアメリカ人がイギリス旅行をすすめてくれる所からはじまって、スティーブンスの旅のなかに彼の過去が織り込まれる。それを思い出し、自分の生き方を悔いて、旅の終りに彼は泣く。
現在から過去へ赴き、過去から大過去へとさかのぼったり現在に引き返したりする入り組んだ時間の扱い方はまことに見事なもの。」

「イシグロがイギリス小説に新しくもたらしたものは、時間というもの、歴史というものの、優美な抒情性かもしれない。わたしは、男がこんなに哀れ深く泣くイギリス小説を、ほかに読んだことがない。」


*


□ 土屋政雄の訳者あとがき(文庫本巻末)

「日本英文学会第73回大会(2001/5/18,19)における『イギリス文学から英語文学へ』というシンポジウムでは、イシグロの作品を縦軸、ハニフ・クレイシらの作品を横軸にして、最近の「英語文学」の問題を探る試みがある。」






■ 映画化作品: 英米合作のハリウッド映画「日の名残り」

原題「The Remains of the Day」
配給: コロンビア トライスター映画
公開: 米国1993年11月、日本1994年3月

 

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カズオ・イシグロは1999年のソルボンヌ大学での対談で、映画化作品について質問され、原作と「異なる芸術作品」だが「いとこ」のようなものだと述べ、結構気に入っている旨を述べている。


□ スタッフ

監督: ジェームズ・アイヴォリー
脚本: ルース・プロワー・ジャブヴァーラ、ハロルド・ピンター(クレジット無し)
撮影: トニー・ピアース=ロバーツ
音楽: リチャード・ロビンズ

ロケ地: 世界遺産の街Bath(バース)から6マイル(車で20分)北のDyrham Park (ディラム・パーク、ナショナルトラスト所有)、10マイル北のBadminton House(バドミントン・ハウス)など。


□ キャスト

アンソニー・ホプキンス・・・主人公の執事 ジェームズ・スティーヴンス。
ピーター・ヴォーン・・・主人公の父親 ウィリアム・スティーヴンス。

エマ・トンプソン・・・元女中頭のミス・ケントン、現・ベン夫人。
ティム・ピゴット・スミス・・・元下僕のベン。

ジェームズ・フォックス・・・前主人のダーリントン卿。
クリストファー・リーヴ・・・現主人のアメリカ人富豪ファラディ。

ヒュー・グラント・・・ダーリントン卿が名付け親になった青年 カーディナル。 


□ 受賞歴

アカデミー賞・・・8部門(作品・監督・脚本・主演男優・主演女優・作曲・衣装デザイン・美術)にノミネートされた。


□ あらすじ・・・出典 https://movie.walkerplus.com/mv10702/

英国の名門家に一生を捧げてきた老執事が自身の半生を回想し、職務に忠実な余り、断ち切ってしまった愛を確かめる様を描いた人間ドラマ。

1958年。
オックスフォードのダーリントン・ホールは、前の持ち主のダーリントン卿(ジェームズ・フォックス)が亡くなり、アメリカ人の富豪ルイス(クリストファー・リーヴ)の手に渡っていた。
かつては政府要人や外交使節で賑わった屋敷は使用人も殆ど去り、老執事スティーヴンス(アンソニー・ホプキンス)の手に余った。
そんな折、以前に屋敷で働いていたミス・ケントン(エマ・トンプソン)から手紙をもらったスティーヴンスは、彼女の元を訪ねることにする。
離婚を仄(ほの)めかす手紙に、有能なスタッフを迎えることができるかもと期待し、それ以上にある思いを募らせる。

彼は、過去を回想する。

1938年。
スティーヴンスは勝気で率直なミス・ケントンをホールの女中頭として、彼の父親でベテランのウィリアム(ピーター・ヴォーン)を執事として雇う。
スティーヴンスはケントンに、父には学ぶべき点が多いと言うが老齢のウィリアムはミスを重ねる。
ダーリントン卿は、第二次大戦後のドイツ復興の援助に力を注ぎ、非公式の国際会議をホールで行う準備をしていた。
会議で卿がドイツ支持のスピーチを続けている中、病に倒れたウィリアムは死ぬ。

1936年。
卿は急速に反ユダヤ主義に傾き、ユダヤ人の女中たちを解雇する。
当惑しながらも主人への忠誠心から従うスティーヴンスに対して、ケントンは卿に激しく抗議した。
2年後、ユダヤ人を解雇したことを後悔した卿は、彼女たちを捜すようスティーヴンスに頼み、彼は喜び勇んでこのことをケントンに告げる。
彼女は彼が心を傷めていたことを初めて知り、彼に親しみを感じる。
ケントンはスティーヴンスへの思いを密かに募らせるが、彼は気づく素振りさえ見せず、あくまで執事として接していた。
そんな折、屋敷で働くベン(ティム・ピゴット・スミス)からプロポーズされた彼女は心を乱す。
最後の期待をかけ、スティーヴンスに結婚の決めたことを明かすが、彼は儀礼的に祝福を述べるだけだった

1958年。
20年ぶりに再会した2人。
孫が生まれるため仕事は手伝えないと言うケントンの手を固く握り締めたスティーヴンスは、彼女を見送ると、再びホールの仕事に戻った。

 




 

上野駅前で応援演説。「不忍池」「五條天神社」などを散歩。

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今日10/12(木)午前中、自転車で上野広小路へ買い物に向かったところ、

 

JR上野駅広小路口で、小池さんが応援演説を行っている最中だった。

 

思わずシャッターを切ったけれど、ピンボケ。

 

 

■ 「マツザカヤ上野店」 (台東区上野3-29-5)

 

もうすぐハローウィン

 

 

買い物の後はやっぱり---

 

■ 「不忍池」 (上野公園6~池之端3)を巡った。

 

アキニレの紅葉が先行している。

「弁天堂」(上野公園2-1)↑ 「精養軒」(上野公園4-58)↑

 

シダレヤナギとアキニレ

    

 

 

■ 「五條天神社」  (別名「下谷天満宮」、上野公園4-17)
学問と医薬の祖神。

 

 

里神楽殿とススキ

白樺、コギク、ミズヒキ

ハス、ミズヒキ、タイワンホトトギス


ハギ



 

■ 関連ブログ
「上野公園」の紅葉は間もなく見頃(2015-11-21)
不忍池のハスを見に行く~西洋美術館・五條天(2016-07-03)
台東区内の花満開風景(2)(2017-04-13)

 

 

 

カズオ・イシグロの長編小説「わたしを離さないで」あらすじ

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長編小説 「わたしを離さないで」

■ 原作

原題:「Never Let Me Go」

著者: Kazuo Ishiguro (石黒一雄)


リブログ

 

 

刊行:「Faber and Faber」社 2005年3月 

 

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□ 発刊当時の評判 

 

The New Yorker writer Louis Menand described the novel as “quasi-science-fiction." (準SF小説)

Sarah Kerr, writing for the New York Times, described it as a subversive exception in the “pop genre—sci-fi thriller.”(ポップなSFスリラー小説) 

The horror novelist Ramsey Campbell considers it a horror novel. However, at its core, the novel is about human relationships and perhaps the ability of those relationships to transcend the technologically complicated and dystopian systems they are entangled in. (ホラー小説) 

Joseph O’Neill, writing for The Atlantic, frames it best when he described it as a “coming of age” novel, or a Bildungsroman.(人間形成小説)

 


 

 

■ 土屋政雄・日本語訳

邦題:「わたしを離さないで」

□ 早川書房単行本2006年4月

□ ハヤカワepi文庫2008年8月

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□ カバーのキャッチコピー

優秀な介護人のキャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。
生まれ育った施設ヘールシャムの親友トミーやルースも提供者だった。
キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。
図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度・・・。
彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく。
---全読書人の魂を揺さぶる、ブッカー賞作家の新たなる代表作。


■ 主な登場人物

キャシー・H (Kathy H.)・・・主人公の語り手。優秀な介護人。
ルース(Ruth) ・・・キャシーの親友。提供者となりキャシーを介護人にリクエストした。
トミー(Tommy)・・・キャシーのボーイフレンド。提供者。
ローラ(Laura)・・・おどけ者。トミーの介護人。提供者としての通知が届いている。
ルーシー先生(Miss Lucy)・・・新任の保護官。保健体育教師。
ジェラルディン先生(Miss Geraldine)・・・保護官。美術教師。
エミリ校長先生(Miss Emily)・・・ヘールシャム施設の創立者。実父はクローン研究の一人者。
正体不明のマダム(Madame)・・・施設の支援者。実はマリ・クロード(Marie Claude)というエミリ校長とは彼女が主任先生の時期からレズビアンカップルだった。

*

 


■ あらすじ

1990年代末のイギリス。
自他共に認める優秀な「介護人」(carer) のキャシー・H は、ヘールシャム(Hailsham)と呼ばれる施設で育てられ、今では「(臓器)提供者」(organ donor) と呼ばれる人々を世話をしている。
共に青春 の日々を送り、固い絆で結ばれた親友のトミーやルースも彼女が介護した「提供者」だった。
そもそも、キャシーも生まれながらにしてヘールシャムで育った「提供者」である。
施設を出て、大人となったキャシーは、病室のベッドに座りあるいは病院へ車を走らせながら、閉鎖的なヘールシャムでの子供時代の奇妙な日々を回想する。

ヘールシャムでの教育は、至って奇妙なものであった。
「保護官」(guardian) と呼ばれる教師たちのぎこちない不思議な態度。
展覧会に出展するための絵画や詩などを作る創作活動に力を入れた授業や、毎週繰り返される健康診断など。

キャシーが12~13歳の頃、彼女にはトミーという親友がいた。
彼は周囲の能力の差について行けずに教室内で度々、癇癪(かんしゃく)を起こす生徒だった。
しかし、或る日を境にトミーは騒ぎを起こさなくなり、それがキャシーにとっては疑問であった。
またの或る日、キャシーは、トミーに騒ぎを起こさなくなった理由について問い質(ただ)す。
彼は「保護官」の一人であるルーシーの影響だと語る。
トミー曰く、ルーシーには絵を描きたくなければ描かなくてよいと言われたと言う。
またルーシーはヘールシャムの方針に不満を抱いていることがトミーの口から明かされる。
この話を聞いた頃からキャシーは、ルーシーのことを注視するようになった。
キャシーが15歳になった時、ヘールシャムでの最後の1年の出来事であった。
或る雨の日、ルーシーは生徒の「映画俳優になりたい」という一言を耳にし、突如、生徒を集めて、このヘールシャムの真実を語ったのだ。
「提供者」達は臓器提供のために造られ、摘出手術が終われば死ぬだけのクローンだった。
ヘールシャムを出ると直ぐに臓器提供が始まる。
将来の夢など無意味だという、驚くべき残酷な真実をキャシーの回想が明かして行く。キャシーと愛する人々が辿(たど)った数奇で皮肉な運命。


□ 印象的な箇所(抜粋)

p105~106 キャシーの回想
ノーフォークはわたしたちの心の拠(よ)り所でした。
だからこそ、いい年をしたいまになっても、冗談を装いながら、相変わらずノーフォークについて語り合うのだと思います。あれから数年後、トミーと二人、ノーフォークの海岸沿いの町を歩いていて、なくしたものと同じテープを見つけたとき、わたしたちはそれを単なる偶然とは考えませんでした。心の奥底に感動がありました。かつて心にあった願いが、再び信じられるものになったという感動が・・・。テープに戻りましょう。ジュディ・ブリッジウォーターの「夜に聞く歌」でした。レコーディングが1956年。もともとはLPレコードだったようですが、わたしが持っていたのはカセット版で、ジャケットの写真もLPジャケットのそれを縮小したしたものだと思います。

 

p110~111 キャシーの回想
このテープがわたしにとって特別のものだったのは、先頭から三曲目に「わたしを離さないで」があったからです。スローで、ミッドナイトで、アメリカン。「ネバーレットミーゴー・・・オー、ベイビー。ベイビー・・・わたしを離さないで・・・」このリフレーンが何度も繰り返されます。
この歌のどこがよかったのでしょうか。聞きたかったのは、「ベイビー、ベイビー、わたしを離さないで」というリフレーンだけです。聞きながら、いつも一人の女性を思い浮かべました。死ぬほど赤ちゃんが欲しいのに、産めないと言われています。でも、あるとき奇蹟が起こり、赤ちゃんが生まれます。その人は赤ちゃんを胸に抱き締め、部屋の中を歩きながら、「オー、ベイビー、ベイビー、私を離さないで」と歌うのです。もちろん、幸せで胸がいっぱいだったからですが、どこかに一抹の不安があります。何かが起こりはしないか。赤ちゃんが病気になるとか、自分から引き離されるとか・・・。

p401~402 エミリ校長
「 あなたがたからすると、しごく当然の疑問でしょうけれど、でもね、みなさん、歴史的に見るとどうなります? 戦後、50年代初期から次から次へ科学上の大きな発見がありました。あまりに速すぎて、その意味するところを考える暇も、当然の疑問を発する余裕もなかったのですよ。突然、目の前にさまざまな可能性が出現し、それまで不治とされていた病にも治癒の希望が出てきました。世界中の目がその点だけに集中し、誰もがほしいと思ったのですね。でも、そういう治療に使われる臓器はどこから?真空に育ち、無から生まれる・・・と人々は信じた、というか、まあ、信じたがったわけです。ええ、論議はありましたよ。でも世間があなた方生徒たちのことを気にかけはじめ、どう育てられているのか、そもそもこの世に生み出されるべきだったのかどうかを考えるようになったときは、もう遅すぎました。こういうことは動き始めてしまうと、もう止められません。癌は治るものと知ってしまった人に、どうやって忘れろと言えます?不治の病だった時代に戻ってくださいと言えます?そう、逆戻りはありえないのです。あなた方の存在を知って少しは心を痛めても、それより自分自身が、自分の子供が、配偶者が、親が、友人が、癌や運動ニューロン病や心臓病で死なないことの方が大事なのです。それで、長い間、あなた方は日陰での生存を余儀なくされました。世間はなんとかあなた方のことを考えまいとしました。どうしても考えざるをえないときは、自分たちとは違うのだと思い込もうとしました。完全な人間ではない、だから問題にしなくていい・・・。こに世界があって、その世界は生徒の臓器提供を必要としている。そうであるかぎり、あなたがたを普通の人間と見なそうとすることには抵抗があります。」

p439の抜粋 ラストシーンのキャシー
半ば目を閉じ、この場所こそ、子供の頃から失いつづけてきたすべてのものの打ち上げられる場所、と想像しました。いま、そこに立っています。待っていると、やがて地平線に小さな人の姿が現れ、徐々に大きくなり、トミーになりました。トミーは手を振り、わたしに呼びかけました・・・。空想はそれ以上進みませんでした。わたしが進むことを禁じました。顔には涙が流れていましたが、わたしは自制し、泣きじゃくりはしませんでした。しばらく待って車に戻り、エンジンをかけて、行くべきところへ向かって出発しました。



■ 書評

イシグロは読者に最初から完全な情報を示さないで少しずつ開示して行くことで期待を高めたり、不穏な雰囲気を醸し出したりすることに長けた作家との評が広まっている。

□ 英米文学者・柴田元幸氏の解説(文庫本巻末に掲載)

細部まで抑制が利いていて、入念に構成されていて、かつ仰天させてくれる、きわめて稀有な小説である。
静かで端正な語り口とともにはじまって、いかにもありそうな人間関係が丹念に語られるなか、奇怪なありようが次第に見えてくる。そして奇怪さが見えてきたあとも、端正な語りから伝わってくる人間的切実さはますます募っていき、もはや他人事ではなくなっているその切実さが胸を打ち、心を揺さぶる。決してあわてず、急がず、じわじわと切迫感を募らせていくその抑制ぶりは本当に素晴らしい。
イシグロ自身の頭のなかで醸造された奇怪な妄想をとことん膨らませ、持ち前の緻密な書きぶりを駆使して強引かつ精緻に最後まで書き切ったかのような迫力がある。
作家が想像力のなかにとことん沈潜したその徹底ぶりによって、これまでのどの作品をも超えた鬼気迫る凄味と、逆説的な普遍性をこの小説は獲得している。
1980年代から90年代にかけてイギリスで起きた理想主義の消滅と関連づけて考えることもできる作品だろうし、遺伝子工学が今後ますます進展して行くなかでその倫理を考えるための重要テクストとみなされるようになるかもしれない。

□ 訳者・土屋政雄氏のあとがき(文庫本巻末に掲載)

ミステリではないが、やはり謎めいた要素があって、雰囲気も微妙な違和感に満ちている。謎自体は、途中、比較的早い段階で登場人物の口から明らかにされる。
一つだけ、翻訳直後に湧いてきた疑問がまだ心に残っている。物語の最後で、エミリ先生はかなり衰えている。加齢による衰えだけでなく、何らかの病気があるのかもしれない。そんなエミリ先生の前に、介護人を終えて次の段階に進んだキャシーが現れたとしたら、エミリ先生はキャシーを使うだろうか、という疑問。そしてマダムは?

□ 小池昌代 (詩人)

朝日新聞2006年5月28日 http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2011072701328.html

「不可解な『存在』めぐる戦慄の小説」


英国にある施設・ヘールシャム。幼少時から共に育ってきた生徒たちが、数人の教師と暮らしている。全寮制の学校かと思いきや、描かれる空気には微妙な違和感がある。
まず彼らには家族が見あたらない。孤児かというと、そういうわけでもなく、その「存在」の感触に、言葉では、説明しにくい不可解さが漂う。望めばいつの日か、好きな人と暮らす程度の可能性はありそうだが、どうやら子供は産めないらしい。
そんなことってあるだろうか? わたしたちが普通に使うような意味での、「将来」とか「未来」あるいは「可能性」などという言葉が、彼らにはどうも、うまくフィットしないのだ。若者たちは施設にいるあいだ、仲間たちと密接な関係を育み、詩をつくり絵を描く、一見幸福そうな日々を送る。
だが施設を出たあとは、「介護人」あるいは「提供者」となって、孤独な生活を強いられるようになる。
誰を介護するのか、何を提供するのか。すべては明確に説明されぬまま、作品は注意深くミステリアスに進む……。

著者、カズオ・イシグロは日本人として生を受け、幼い頃に英国に渡った。厳密な意味で母語でない英語で書く作家である。
不条理な世界に取り残されたような人間(それは私たちのことに他ならないと思うが)が、多くの作品に登場し、彼らの魅惑的な語りを通して、いくつもの豊穣(ほうじょう)な物語を生み出してきた。

本書では、穏やかな知性と豊かな感受性を持つキャシーという女性が語り手である。彼女もまた、あの施設で育ち、今は「介護人」として働いている。
彼女の繊細で音楽的な語りは、読み進めるにしたがって、ああこの人は信じられるという不思議な友情を読者に感じさせる。
ヘールシャムでの膨大な過去をゆさぶりながら、人が確かに生きたという証を丁寧に紡ぎだしていくその手つきは、母のように懐かしく慈悲があり、証人のようにおごそかだ。
その語りによって真実は、薄皮をはがすようにあきらかになっていくが、それでも最後まで、あれはいったい、どういうことだったのだろうと、謎のままに残される細部もある。
しかしその謎は解明されずに残されるからこそ、まぎれもない生の温(ぬく)もりを持って記憶の底でいつまでもうごめく。
わたしたちは、何かの目的のために生まれるわけではない。生まれるために生まれ、生きるために生きる。なぜ、生きていくのか、わからないままに、先の見えない暗闇を進んでいく。ある目的のもとに生を受け、役割をはたして死ぬ彼らは、その点で私たちとまったく異なってみえる。
だが、どんな圧力が彼らの生を限定し未来を縛ろうとも、命それ自体は、目的など無効にして、ただ生きようとするのだ。
生きるために。その矛盾と拮抗(きっこう)がこの小説に、深く大きな悲哀をもたらしている。
「複製」の概念が「命」の本質を押しつぶそうとする戦慄(せんりつ)の小説である。
まだ誰もこのことを経験したことがない。でも知っていたという既視感がある。そこが真に恐ろしい。

□ 勝田有子(精神科医)

紀伊國屋書店「書評空間」2008年2月15日 

https://www.kinokuniya.co.jp/c/20110418004051.html

「仕掛けられたSF」

『わたしを離さないで』は紛れもなくSFである。そして、郷愁の想いが全編を通じて深々と読者のこころに沁みわたる逸品である。
主人公たちにとっての故郷、彼らの出自(ルーツ)、そこからの出立とそれらの喪失は、回顧のかたちでキャシーという女性によって語られる。
イギリスの曇天を想起させる、おそらくは寒々とした片田舎を舞台に、キャシーは介護人として働き、年若くしてその職を辞そうとしている。
こども時代を回想する当たり前の始まりが、胸をえぐられるような結末になろうとは読者は予想だにしない。
本書の書評を書くにあたっては言葉を失くさざるをえない。見事に仕組まれた展開が、推理小説並みの謎解きを胚胎しているからだ。
したがって、幾層もの意味を帯びた『わたしを離さないで(Never let me go)』というタイトルのことも、そこに込められる痛切な感情も、凍るような仕掛けも、何ひとつ洩らすことはできない。
巧妙なのは、謎解きの仕掛けがあることにすら気づかせず、こども時代への郷愁を湛えた回顧のごとく読ませていく筆力である。
読み進むうちに言い知れぬ謎が湧き、本書がSFである謂われは後半に至ってから知らされるという異端の筋書きである。
『わたしを離さないで』の謎解きは蓋を開けるようにではなく、紐が自ずからほどけるような具合に明らかになっていく。
キャシーの回顧に沿って、ジグソーパズルのピースがゆっくりとはめられていくようにして、戦慄の全貌が明かされていく。
緩慢でいて間延びせず、謎に惹き寄せながも焦らすでもない独特のリズムが、350頁近い長編の器量のなかで絶妙に配分されている。
独創的でありながらも奇抜さも強引さも感じさせない、自ずからの流れを感じさせるような重心の利いたリズムこそがカズオ・イシグロの特徴なのかもしれない。
回想のなかでは、こども時代から思春期にかけての人間関係が、あたかも映画を見るような刻銘さで描かれる。
仲間意識や除け者意識、移ろいやすい関係と固い絆、おとなの世界とこどもの世界の間にある壁と間隙、性の意識の芽生えと戸惑い。
危うい年頃を象徴するそれらの事象が意外性もなく綴られていくうちに、そこにある嫉妬・羨望・差別・秘密が単なる個人的物語ではなく、途方もなく深い地底を発祥としていることに読者は知らされていく。意表を突く真実の恐怖を明かされていくのだ。

本書のタイトルは、仕掛けられた物語の骨格のなかで折々に出没し、鍵の役割を果たしている。『わたしを離さないで』という端的な言葉には、別離を拒絶する意志が込められている。そして、ジグソーパズルがはめられていくにしたがって、別離の意味はその深さと次元を変えていく。
恋愛を彷彿させがちな情緒的次元やうら悲しい郷愁とはまったく異質の状況と感情が、読者の想像力に挑んでくるかのようだ。
そして、主人公の拒絶する意志が単なる拒絶でも意志でもないことを、読者は圧倒させられる思いのなかで知らされることになる。

土屋政雄の翻訳は、本書の淡々とした基調をしっくりと日本語に乗せている。あざとさのない平易な言葉遣いとリズムが、イシグロの墨絵のような世界と歩調を合わせ、その濃淡を慎ましく浮き彫りにさせている。見事な翻訳である。さらに、表紙を飾る民野宏之の装画も大胆なようでいてひっそりとしていて、その意匠も読後になって一層頷ける具合になっている。

『わたしを離さないで』は、切望と絶望の境界を越えて、彼女なりの方法で別離を拒否する女性を描いている。
離れていくこと、離れていることを運命づけられた主人公(たち)が、それぞれの離別を体現していくなかで、キャシーは彼女自身の運命に対処していく。
そもそも別離、「離す」ということは何を意味するのか。離れていくことによってしか離れないでいることが叶わない運命。巧妙に仕組まれたシステムは作品の構造だけでなく、主人公たちの運命の仕掛けを意味している。
決定的な別離または隔離の起きた場所・施設は、ありきたりの望郷を越えて、彼らを疎外し同時に吸引していく故郷なのだ。
『わたしを離さないで』は恐怖に満ちたSF小説であり、その感動は身体に響く。


◇--------------------------------------------------------------------


■■ 映画化作品

■ 英米合作のハリウッド映画

原題:「Never Let Me Go」
製作: 2010年英米合作
配給: 20世紀フォックス、フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
先行公開: 米国2010年9月(テルライド映画祭)、日本2010年10月(東京国際映画祭)
一般公開: 英国2011年2月、日本2011年3月

 

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□ スタッフ

監督: マーク・ロマネク
脚本: アレックス・ガーランド
音楽: レイチェル・ポートマン
撮影: アダム・キンメル
編集: バーニー・ピリング

□ ロケ地: 

寄宿学校ヘールシャムは、ロンドンの南西部サリー州リッチモンド地区の「ハムハウス(Ham House)」。
美しい桟橋は、イングランドの南西部サマセット州クレブドン地区の「クレブドン桟橋(Clevedon Pier)」。
その他、Andrew Melville Hall、Bexhill-on-Sea、Clevedon、Weston、Docking、Holkham Beach and Estateなど。

□ キャスト
 
語り手、介護人のキャシー(Kathy H.): キャリー・マリガン・・・英国インディペンデント映画賞/主演女優賞 (幼少期 イゾベル・ミークル=スモール)
友人、提供者のトミー(Tommy D.): アンドリュー・ガーフィールド (幼少期 チャーリー・ロウ)
友人、提供者のルース(Ruth C.): キーラ・ナイトレイ (幼少期 エラ・パーネル)
校長先生、保護官のエミリー(Miss Emily): シャーロット・ランプリング
新任先生、保護官のルーシー(Miss Lucy): サリー・ホーキンス    

□ 受賞歴

英国インディペンデント映画賞
主演女優賞・・・受賞。
インディペンデント映画賞(作品賞)・監督賞・脚本賞・助演男優賞・助演女優賞・・・ともにノミネート。

□ あらすじ・・・出典 「Movie Walker」 https://movie.walkerplus.com/mv46988/

緑豊かな自然に囲まれた寄宿学校ヘールシャム。
そこで学ぶキャシー(キャリー・マリガン)、ルース(キーラ・ナイトレイ)、トミー(アンドリュー・ガーフィールド)の3人は、幼い頃からずっと一緒に過ごして来た。
しかし、外界と完全に隔絶したこの施設には幾つもの謎があり、“保護官”と呼ばれる先生のもとで絵や詩の創作に励む子供たちには、帰るべき家が無かった。
18歳になって、校外の農場のコテージで共同生活を始める3人。
生まれて初めて社会の空気に触れる中、ルースとトミーは恋を育んでい行く。
そんな2人の傍に居ながらも、次第に孤立して行くキャシー。
複雑に絡み合ったそれぞれの感情が、3人の関係を微妙に変えて行く。
やがて、彼らはコテージを出て離れ離れになるが、それぞれが逃れようのない過酷な運命を全うしようとしていた。
やがて再会を果たしたルース、トミーと掛け替えのない絆を取り戻したキャシーは、細(ささ)やかな夢を手繰り寄せるため、ヘールシャムの秘密を確かめようとする。
だが、彼らに残された時間は余りにも短かった……。


*

 

 

■ ホリプロの舞台化

□ 劇場

2014年4月29日~5月15日:「彩の国さいたま芸術劇場」大ホール
2014年5月23日~5月24日:「愛知県芸術劇場」大ホール
2014年5月30日~6月 3日:「梅田芸術劇場」シアター・ドラマシティ

□ スタッフ

企画制作: ホリプロ
演出: 蜷川幸雄
脚本: 倉持裕
音楽: 阿部海太郎

□ キャスト

介護人の八尋: 多部未華子
提供者のもとむ: 三浦涼介
提供者の鈴: 木村文乃
晴海先生: 山本道子
校長の冬子先生: 銀粉蝶 
マダム: 床嶋佳子

□ 概要

舞台は、第二次世界大戦後の現実世界とほとんど同じだが、少しだけ異なるところのあるパラレルワールド。
そこでは遺伝子工学がクローン技術を実用化していた。
昨今、話題になっている万能細胞にしても、この技術を確立する第一歩。
それがもう少し早く確立していたらどうなるか?
そんな想像から構想されたのが『わたしを離さないで』のパラレルワールドなのだろう。

□ あらすじ 

 

出典: 小山内伸 評論家・専修大学教授(現代演劇・現代文学)http://webronza.asahi.com/culture/articles/2014050700005.html

寄宿学校「ヘールシャム」では、生徒たちが思春期を迎え、若い輝きを放っている。
プロローグを置いての冒頭、少年たちがサッカーボールを追い、舞台後方からスローモーションで前面にせり出して来る。
学校は海に近く、波の音や汽笛が聞こえ、教室の白いカーテンが風に揺れる。透明感あふれる爽やかな幕開けだ。
クラスで浮いた存在のキレやすい「もとむ」(三浦涼介)は、サッカーチームの編成で仲間外れにされ、教室で暴れる。
そんな「もとむ」に、大人びた八尋(多部未華子)は優しい気遣いをみせる。
一方、自己主張の強い親友の鈴(木村文乃)は「もとむ」が好きで、積極的に付き合い始める。
一見、普通の学園生活に見えるが、冬子先生(銀粉蝶)は頻(しき)りに「ヘールシャムの生徒は特別」だと説く。いったい何が「特別」なのか?
彼らは多くの時間を図工に費やし製作した作品を「マダム」(床嶋佳子)と呼ばれる女性が買い取って行く。
なぜかマダムは生徒たちを怖がっている。この女性の謎が終盤への伏線となる。
2年後、使われていない教室で、良心的な晴海先生(山本道子)は集まった八尋ら3人に言う。「あなた達は、普通の人たちが働くような仕事には就けない……なぜってあなた達の人生はすでに決められているんだから……」と。
そして、衝撃の事実が明らかになる。生徒らは、成長して後、臓器提供することだけを目的に作られたクローン人間だったのだ。
彼らは「ヘールシャム」を出て「農園」に移り、準備期間に入る。
次に、提供者の介護人を3年以上務めた後、何度かの提供をして使命を終える、というルートが定められていた。
クローン人間は心を持ちながら、人権はないのだ。しかし、クローン人間同士が愛し合うことは普通にある。
「農園」を出ることは愛する者との別れを意味し、彼らは残り時間が少ないことを自覚する。
そんな或る日、「農園」の同僚から、「鈴のオリジナルを目撃した」という情報が寄せられる。
その女性は、かつて鈴が憧れたガラス張りのオフィスで働いているという。鈴らはその女性を見に行く・・・。
==以下略==

*

 


■ TBSドラマ化

制作: TBS金曜ドラマ枠
放送期間: 2016年1月15日~3月18日(10回)

 

Amazon  DVD-BOX

 

□ スタッフ 

 

プロデュース:渡瀬暁彦・飯田和孝 

演出: 吉田健・山本剛義・平川雄一朗 

脚本: 森下佳子 

音楽:やまだ豊 

劇中歌: 「Never Let Me Go」(作曲・やまだ豊、作詞・Julia Shortreed / Henri Ohara、歌・Julia Shortreed)・・・劇中ではCDアルバム「Songs after Dark / JUDY BRIDGWATER」の1曲という設定。 

 

Amazon  オリジナルサントラ


□ キャスト

介護人 保科恭子: 綾瀬はるか(幼少期:鈴木梨央)
提供者 土井友彦: 三浦春馬(幼少期:中川翼)
提供者 酒井美和: 水川あさみ(幼少期:瑞城さくら)
提供者 遠藤真実(まなみ): 中井ノエミ(幼少期:エマ・バーンズ)
教師・保健体育 堀江龍子: 伊藤歩
教師・美術 山崎次郎: 甲本雅裕
経営者・校長 神川恵美子: 麻生祐未
正体不明のマダム: 真飛聖

□ 概要

世間から隔離された施設・陽光学苑で「良質な」教育を与えられ育てられて来た恭子・友彦・美和。
子どもらしい生活、子どもらしい教育を享受し「普通の子ども」であったはずの彼ら。
或る日、生まれながらに或る使命を与えられた「特別な子供」であると教えられ、自分たちの「本当の運命」を知らされる。
彼らに課された使命とは?学苑に隠された秘密とは?
運命を知った3人は絆を求め、人を愛することで生きる希望を得ようとする。
子どもから少年・少女、そして大人になる中で「生きる意味」を模索して行く3人。
大人になった3人は運命に抗うのか?それとも運命に従うのか?
生と愛が絡み合うヒューマンラブストーリー!!

□ あらすじ 

 

出典: TBSオンデマンド https://tod.tbs.co.jp/program/9442

 

 

 


「世界で一番美しい瞬間(とき)」「赤毛のアンの島 紅葉のときめき カナダ」あらすじ

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「世界で一番美しい瞬間(とき)」
#27「赤毛のアンの島 紅葉のときめき カナダ」


初放送 NHK-BSプレミアム 2014/11/27(木) 21:00~21:50
再放送 NHK-G 2016/01/02(土) 午前4:00~4:50
再放送 NHK-BSプレミアム 2017/10/15(日) 午前6:00~6:50


YouTube

 

■ スタッフ

P 伊藤純
D 安原歩


■ キャスト

リポーター: 桑子真帆
語り: 真下貴

地元の写真家のジョン・シルベスター
オーナーシェフのゴードン・ベイリー
グランベリー農家のマイク・ウィティーとタイリー・ウィティー

自然農法を営むブライアン・マッケイとキャシー・ウェア


■ 概要

“世界で一番美しい島”と呼ばれ「赤毛のアン」の物語が生まれた、カナダ東部に浮かぶプリンス・エドワード島。

 

 


この島が1年のうちで最も美しく輝く季節…それは秋、燃えるような紅葉に彩られるとき。
アンの時代と同じ100年前の伝統的農法に挑む農家も、大地の恵みをもたらす紅葉を待ち望んでいる。
そこに秘められたアンの物語のような家族の絆とは?
秋は深まり、広大なクランベリー畑では無数の実が水面を真っ赤に染める。
紅葉のときめきを探す旅へ---。

 

   

 

 



旅人の桑子真帆アナは、「赤毛のアン」の舞台となったグリーン・ゲイブルスを訪れ、そして

地元の写真家であるジョン・シルベスターの案内のもと紅葉の絶景地に訪れた。
この島は秋の味覚の宝庫でもあり、シェフのゴードン・ベイリーは、島の豊かな食材に驚いてこの地に移り住んだという。
ゴードン・ベイリーは、「この島は何でも手に入るので料理人にとっては遊び場だよ」とコメントした。
この島では、秋を告げるイベントとして、育てたカボチャの大きさを競い合う 「お化けカボチャ・コンテスト」が行われている。
また、紅葉の季節にはクランベリー畑が実る時期でもあり、畑一面にクランベリーの実がなっている様子を見ることができる。


■ あらすじ


カナダ東部のプリンス・エドワード島は約14万人の人が暮す農業と漁業の島だ。
この島が一番輝くのは10月の中旬に訪れる紅葉の時。
その季節の初めに、小さい頃から「赤毛のアン」を愛読書にしているという桑子真帆アナが島を訪れた。
「赤毛のアン」は、この島で生まれ育った作者が親戚の農家をモデルに創作し、今から100年ほど前に発表された小説だ。
緑色の切妻屋根が特徴のアンの家「グリーン・ゲイブルズ」のモデルとなった建物内では、アンの世界が再現されていた。

 

 



桑子アナが「赤毛のアン」の一節を読み上げた。

島の紅葉はグラデーションを描くのが特徴。
森はイギリス領となった18世紀の開拓時代から薪を取る場所や防風林として大切に守られて来た。
プリンス・エドワード島では古くから紅葉が秋の収穫の時を告げると言われて来た。

 



桑子アナは昔ながらの農業を守っている農家を訪ねた。
この島の農家の生まれであるブライアン・マッケイとキャシー・ウェアは結婚していないが6年前からパートナーとして生活を共にしていて、100年前に先祖たちがやっていた自然農法を行っている。

ブライアンはスコットランド移民の農家の5代目。先祖が島に来たのは19世紀後半、カナダ建国の頃だ。
今も昔も秋は大事な収穫の季節で、中でもジャガイモは保存が利くため冬を越すための命の糧だった。
秋のジャガイモの採り入れは一年で最後の収穫とあり、拘(こだわ)りの自然農法の成果が出る時だ。
ブライアンは「紅葉は大地の恵を告げる一年で一番素晴らしい時」と話した。

3日目、ウエストリバーを訪れた桑子アナ。
30年間、島の美しい風景を撮り続けている写真家のジョン・シルベスターが川から見る紅葉の案内をした。

桑子アナは年に1度の収穫の最盛期を迎えたクランベリー畑を訪れた。
その収穫方法は独特で、畑に水を入れて池のようにし、機械で枝から実を外して行くというものだ。
クランベリー農家のマイク・ウィティーは、農家の4代目で若い頃は農業から離れていた。
しかし、大地に根差した生活がしたいと13年前からクランベリーの栽培を始めた。
収穫の時期には、市場価格の急落を受けて離れた場所で働いている長男のタイリーも戻って来て手伝うという。
そして一晩が経つと、風で運ばれて集まったクランベリーに満ちた畑の光景が広がっていた。

 

 

 

 

 

 

 


桑子アナは太いロープでクランベリーを集める作業を手伝った。
マイクは「息子が戻って来てくれる1年間、待ち続けた特別な時」と話し、タイリーは「島で暮らしながらクランベリーを作るのが夢」と語った。

地元の食材を使うと評判のレストランを訪れた桑子アナ。
16年前にカナダ本土からやって来たオーナーシェフのゴードン・ベイリーは、島の豊かで新鮮な食材に驚き、腕を奮いたいと移り住んで来た。
拘っているのは野菜の力で肉や海の幸の力を引き立てること。
秋のメニュー「ホタテのオーブン焼き」などを紹介し、桑子アナは「牛肉ステーキ 秋の野菜添え」を味わった。

秋のプリンス・エドワード島の風景は、イギリスによる開拓が始まった18世紀から続けられて来た人の営みが作ったものだ。

感謝祭に向けた農作業を手伝おうと桑子アナはブライアンとキャシーの元を再び訪ねた。
2人の農場では様々な家畜を飼っており、畑の穀物や野菜を家畜の餌にして、その糞で作った堆肥を畑に戻す伝統的な自然農法を行っている。
桑子アナは七面鳥の出荷や子牛にミルクを与える作業を手伝った。
ブライアンたちは土づくりにも伝統的な方法を取り入れているという。
それは島の特産品のムール貝を砕いて入れるというものだった。
野菜は季節ごとに40種類ほど作っていて、農薬は使わないため虫に食べられてしまうこともしばしば。
ブライアンは「島を誇りに思うからこそ先祖からの土地を守り継いで行きたい」と語った。
ブライアンとキャシーが暮す家は150年前に建てられた古い家屋。
オランダから移り住んだキャシーの父親が農地とともに買い取ったものだ。
キャシーはここで結婚生活を送り5人の子供を育てた。
しかし離婚を経験し、子供達が独り立ちして行く寂しさの中で、ブライアンと出会ったという。
またブライアンも同じく離婚を経験していて、やがて2人で一緒に住むようになった。
すると、古い土地と建物の権利書が見つかり、何と!!ブライアンの先祖は150年前に今のキャシーの家に暮らしていたことが分かったという。
この家ではキャシーの息子たちやその家族も一緒に暮らしている。

桑子アナは「赤毛のアン」の一節を読み上げた。

プリンス・エドワード島の森という森が鮮やかな色に染まった頃、ブライアンとキャシーの自然農法を取り入れたジャガイモ畑では収穫の時が訪れていた。
桑子アナは収穫に同行し、手伝った。大きなジャガイモを収穫し、ブライアンも手応えを感じている様子だった。

 



秋を告げるイベント、手塩にかけて育てたカボチャの大きさを競い合う「お化けカボチャ・コンテスト」を紹介。
今年の優勝は重さ100キロを超えるカボチャだった。
感謝祭が近づくと家々にはカボチャが飾られ、人々は秋の恵みに感謝しその喜びを分かち合う。

プリンス・エドワード島を訪れてから1週間、秋の感謝祭の日がやって来た。
桑子アナは主役となる収穫したばかりのジャガイモを使って料理するブライアンとキャシーを手伝った。
キャシーは母から子へ代々伝わって来たレシピで作られるマッシュポテトなどを作っていた。
すると、ブライアンの長男・ケビンやキャシーの母など続々と親戚たちが集まって来た。
感謝祭はブライアンとキャシー2つの家族が年に1度、顔を合わせて一つの食卓を囲んで秋の実りを祝う大切な日なのだ。
ブライアンは「来年6月に結婚する」と報告し、キャシーの指にある指輪はブライアンの祖父が祖母に贈ったものだと話した。

桑子アナは「赤毛のアン」で年老いた父親代わりのマシューを気遣う場面の一節を読み上げた。

 

収穫の後には家族とゆっくり過ごす長い冬が待っている。
桑子アナは「何よりも最高のパートナー・最高の家族を持って同じ夢に突き進んで行くというのが本当に羨ましいとも思った」とコメント。
ブライアンは「なにもかも愛のおかげ」と話すと、キャシーは涙を流し、それは「うれし涙」だという。
さらに「2人の娘のような気持ちになっている」と話す桑子アナに、2人は「そう感じてくれたなんて感謝するわ」、「私たちの赤毛のアンになってくれるんだね」と話した。

 

 

 

 

■ 「世界で一番美しい瞬間(とき)」 関連ブログ


常夏の島"雪"の花が咲くとき~ハワイ島~ (2016-03-30)
コットンが大地を純白に染めるとき アメリカ (2016-01-22)
秘密の花園に光あふれるとき スペイン・コルドバ (2015-06-17)
街が紫に染まるとき ブエノスアイレス (2015-04-22)
 

NHKBSプレミアム 「名画の暗号 ~ゴッホと北斎のミステリー」あらすじ

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「名画の暗号 ~ゴッホと北斎のミステリー」

 

NHKBSプレミアム


10/18(水)21:00~21:59

 




■ 出演

 


オレ:イッセー尾形 (俳優・一人芝居の達人)

バー「コード」のママ:アン・サリー (シンガーソングライター・内科医)

番組最後にママさん役のアン・サリーさんが歌う。 これまで聞いたことのない、デリケートなデリケートな歌声。 


常連客: 

片岡鶴太郎(俳優・画家)
西岡文彦(多摩美術大学教授・版画家、『名画の暗号』著者)
渡邉 晃(太田記念美術館 主幹学芸員)

 

 

《富嶽三十六景 凱風快晴》1830~33年頃、大英博物館

 

 

《富嶽三十六景 神奈川沖浪裏》1831年、山口県立萩美術館・浦上記念館



■ 番組概要


古今東西の名画には巨匠たちの秘密の暗号が潜んでいる。
『名画の暗号』は名画に隠された宗教・権力・出自・同性愛といった、思わず誰かに話したくなる巨匠たちの人間らしい逸話をまとめた粋な美術史。
エンタメ的美術鑑賞ガイドの決定版『名画の暗号』を原案として、イッセー尾形扮するオレ」の熱いモノローグと「妄想人形劇」で編み上げられた、風変わりなドラマ仕立ての美術番組。

 

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*

 

 

■ 番組詳細



天才画家の生み出す名画にはどんなメッセージが隠されているのか。
「オレ」行きつけのバー「CODE(=暗号)」に、名画好きの常連客が夜な夜な集う架空のバー。「オレ」は常連客とともに、夜通し楽しくも奥深い、妄想力を駆使した名画のミステリー談義に耽(ふけ)る。

熱く語る新説・珍説。飲むほどに酔うほどに、アートを巡る愉快でオシャレな妄想。

その時、いつしか「名画の謎解きゲーム」が始まって、名画の魅力の秘密や巨匠の知られざる人物像が明らかになって行く。

 

 

イッセー尾形扮する「オレ」。名画への愛に溢(あふ)れる妄想の達人。
トークの間に挿入される「妄想人形劇」は、「オレ」=イッセー尾形さんのオリジナル。
イッセー尾形さんは、ストーリー構成、絵コンテ作成を自ら行い、人形や背景画まで手作り。ひとり芝居さながらにひとり人形芝居を行う。
絵画の登場人物や画家が「指人形」の姿を借りて、賑(にぎ)やかに語り出すセリフも同時収録。
「オレ」の妄想によって可能になった、不思議なアートミステリー。

 

 

今回はゴッホと葛飾北斎を取り上げ、ゴッホ篇と北斎篇のオムニバスでお届けする。

ああ天才ゴッホさん。北斎さん…会って話をしてみたい。

どんな風にあの数々の名作を生み出したのか聞いてみたい。

 

 

ああゴッホ(1853~1890)、炎の人ね、黄色のひまわり描いて、耳切って、ゴーギャン(1848~1903)と喧嘩別れして、自殺してとかエピソードだけを思い浮かべてしまうが、彼が絵筆を握った原動力そのものは? そんなところにバッチリ焦点を当てる。

日本人になりたかった画家ゴッホ。
お坊さんの姿をしたゴッホの自画像。

「ひまわり」「坊主としての自画像」に表現されている「日本への憧れ」を探る。

 

《寝室》1888年、ファン・ゴッホ美術館

 

 

 

 

 

 

《ひまわり》1888年、損保ジャパン日本興亜美術館

 

《坊主としての自画像》1888年、ハーバード大学フォッグ美術館

 

 

世界に名を轟(とどろ)かす天才絵師・北斎。
なんとも奇妙奇天烈な「西瓜図」「木曽路の奥阿弥陀ケ瀧」。

特異な視点や興味深い見立てがたくさんある。
北斎の特殊な体質(?)にニクハクして、作品と結びついて行った過程を解き明かして行く。

 

《諸国瀧廻り 木曾路ノ奥阿弥陀ケ瀧》1833年、ボストン美術館

 

《西瓜図》1839年、皇居東御苑三の丸尚蔵館

 

 

彼らはどんなメッセージを込めたのか。

 

 

久し振りの秋晴れ!!「横網町公園」~「大横川親水公園」をサイクリング。

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ああ何と久方ぶりの天高く晴れた秋空。

 

 

 蔵前橋~墨田区横網(よこあみ)2丁目

 

□ 都立「横網町公園」(横網2-3-25)


1930~31年、公園内に、「関東大震災」(1923年9月1日)の惨劇と復興を後世に伝えるため、遭難死者の「納骨堂」(三重塔)、「東京都復興記念館」が完成した。ところが、1945年3月10日の「東京大空襲」で、当公園だけでなく多くの公園に犠牲者が仮埋葬されていたため、当公園の「納骨堂」を拡張して合祀した。1951年、「東京都慰霊堂」と改称。毎年、「関東大震災」の9月1日と「東京大空襲」の3月10日に法要が営まれている。

 

ニシキギ

 

日本庭園の泉水・・・錦鯉も見える

 

イチョウ並木が僅かに色付く

 

 

墨田区横網1丁目

 

□ 「NTTドコモ墨田ビル」 (1Fに「NTTドコモ歴史展示スクエア」、横網1-9-2)

脇道のタイワンホトトギス




□ 都立「江戸東京博物館」(横網1-4-1)~「両国国技館」(横網1-3-28)

 

北斎通り~墨田区亀沢4丁目


□ 墨田区立「大横川親水公園」 (愛称: ユートリヤ)

1993年4月に開園。墨田区内を流れている大横川の多くの部分を埋め立てて造成された。
東京スカイツリーの押上・業平橋地区の北十間川合流地点から江戸東京博物館・国技館の両国地区の竪川合流地点まで。総延長は約1.8kmの南北に長い。


「長崎橋跡」~「イベント広場」(亀沢4-18)

トウカエデ?も色付いて来た

                   東武ホテル↓

 

ラクウショウ(互生) が実を付け色付いて来た

               東京スカイツリー↓


 「清平橋」~「万華池」

 

アキアカネの雌雄連結



台東区西浅草2丁目

 

ベニガシワ?


 

サイクリング + 2900歩。

 

AM期日前投票、PM向島百花園

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10/20(金)午前中は、ススキ梅雨(秋雨前線の長雨)の止んでいる間に、

衆院解散総選挙と最高裁判事国民審査の期日前投票に行って来た。

会場の区役所庁舎(台東区上野4-5-6)までウォーキング。

 

終了後はJR上野駅アトレで買い物。3,600歩。

 

 

*

 

 

午後は雨が上がっていたので、都立「向島百花園」(墨田区東向島3-18-3)までサイクリング。

ここは年間パスを買ってある。

 

江戸通り~隅田川・白鬚橋~明治通り

 

カリンが豊作

 

メイゲツソウ(別名ベニイタドリ)の花の後

 

池の淵にアザミ、ススキ、赤い実

 

 

都立「東白鬚公園」(墨田区堤通2-2)

 

墨堤通り~隅田川・桜橋~言問通り

 

サイクリング + 6,900歩。

 

 

 

NHKBSプレミアム「京都異界中継」濃縮版

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■ スーパープレミアム「京都異界中継」

 



NHKBSプレミアム 
再放送 10/21(土) 21:00~23:00 濃縮版

初放送 08/09(水) 19:00~23:00  

 


□「はろういん」って何でございましょ



丑三つ刻(うしみつどき)に、こんばんは。ワタクシ、京都の闇に住んでおりますあやかしでございます。
サテ、「京都異界中継 濃縮版」の放送がいよいよ今週土曜に近づいてまいりました。
生放送は8/9(水)でしたから、もう2か月あまりたつのですね。あれは夏の盛りでございました・・・

 


貴船川にはたくさん川床(かわゆか)が並び、涼を求める人々が集めっておりましたね・・・本宮では七夕笹飾りライトアップが行われておりました・・・
月日は流れ、来月には同じ本宮で、紅葉のライトアップが行われるそうな。さぞかしきれいでございましょう。
日も暮れよ 鐘も鳴れ  月日は流れ あやかしは残る・・・
千年以上生きている身にも、季節のすぎゆく速さは沁みますわ。いかにも怪談にふさわしい夏の夜から、秋の夜長へ。
人間の皆さまは秋の怪談を楽しんでくださるかしら・・・と思っておりましたら、どうもこのごろ、骸骨やら西洋あやかしやらが描かれたものが街にあふれているではございませんか。
はろういん?なんでございましょ??
なにやら陀羅尼(だらに)のような響きでございますわ。玻璃(はり)と関係があるかしら?玻璃宇印とか?玻瑯院とか?
もっとも・・・あやかし界にも、波というものがございまして、千数百年の間には、はやりのあやかし、すたれるあやかし、ございます。
でもそのブームはワタクシどもあやかしが作っているというより、実は「新し物好き」な京都人たちが作り出してきたような気がいたします。
そのあたりも2時間の濃縮版で感じていただければと存じます。ぜひとも御覧 下 鎖 帷 魔 世


□ あやかし「ゆとり」説

 



丑三つ刻(うしみつどき)に、こんばんは。ワタクシ、京都の闇に住んでおります、あやかしでございます。
「京都異界中継 濃縮版」の放送、いよいよ今夜でございますよ。
サテ、皆さまへのメッセージもかねて、ワタクシどもあやかしは、いったいどこに住んでいるのか、というお話をいたしましょう。
平安の世、ありとあらゆることがワタクシどもあやかしのなせるわざ、ということになっておりました。
「ここに笏(しゃく)を置いたはずなのに、ハテ見あたらぬ」
「それはあやかしのせいでございましょう」
「わたし人妻なのに恋におぼれていく…」
「それはあやかしのせいでございましょう」
平安の人々は、自分の頭や心の中でさえ、自己責任を厳しく問われなかったのです。(ワタクシたちのおかげで)
それは「ゆるみ」であり、「ゆとり」でありました。そしてワタクシどもあやかしは、そんな「ゆとり」の中に住んでいたのでございます。
そんなわけで、平安の世に活躍したワタクシどもの仲間は、「ゆとり世代」と呼ばれております。
やがて・・・人間たちが責任を追及し、アイマイなものをなくしていったとき、ワタクシどもは少しずつすみかを失っていったのでございます。
それでもまだ京都の街にワタクシどもが住んでおりますのは、この街にはまだ「ゆとり」があるから。アイマイでムダであっても、それを排除しない奥の深さがあるから。
今夜2時間「京都異界中継」におつきあいいただければ、皆さまに恐怖、だけではなく、ゆとり、も味わっていただけるはず、そう申し上げます。
それでは・・・







■■ 「京都異界中継」「百物語」生放送


NHKBSプレミアム 8/9(水)19:00~23:00 

 

■ キャスト

 

MC:平祐奈、武内陶子アナ


「百物語」語り手:石丸幹二、中嶋朋子、麿赤兒、きたろう、江口のりこ、島田秀平、一龍斎貞水(人間国宝)、大槻文蔵(人間国宝)


ゲスト・リポーター:篠原ともえ、山崎樹範、三戸なつめ、阿佐ヶ谷姉妹、夢枕獏、小松和彦、伊藤雄彦アナ、岩槻里子アナ、小林千恵アナ、丹沢研二アナ

 

 

■ 異界地図

 

 

京都の街のあちこちに、異界への通路がある…。

 

□ 龍穴を守る「貴船神社」

 

 

□ 井戸が冥土につながる「六道珍皇寺」

 

 

□ 安倍晴明が式神を隠した「一条戻橋」

 

 

□ 目に見えない白狐が住まう「伏見稲荷大社」

 

 

名だたる伝説の地を中継でつなぎ、平安の「今昔物語集」から現代の都市伝説まで、妖怪や鬼、祖霊神霊が登場するフシギな物語を、4時間かけて生で「百物語」する。真夏の夜、百本のロウソクと幻想的な照明のもと、歴史の闇に消えたモノたちが召喚される!「百物語すると真の怪が現れる」とか。史上最大の百物語を行う番組中、いったい何が起きるのか?美しくておそろしい、ゾッとして知的な異界への旅をお楽しみください。


■ 8/9(水)夜のおよその予定
 

7:45ごろ あの世へいける井戸 
 

8:25ごろ 安倍晴明が登場 
 

8:45ごろ 白狐の住む山 
 

9:00ごろ 行ってはいけない祠 
 

9:30ごろ 鬼になった女 
 

9:45ごろ 恐怖のトンネル 


10:00ごろ 暗闇の血天井・・・・


その一。まず、予告された時間を若干遅れた19時29分、伏見稲荷大社からの中継。
百物語の第七話「柱の穴より 児(ちご)の手がまねくこと」(平安「今昔物語集」より)
女優の中嶋朋子さんが「夜な夜なひらひらひらと手招きする」と語るその奥、
赤い鳥居の間から、スッと直線的に伸ばされた不気味な上向きの右手による手招き。
語りの進行に合わせて、自然な色合いからやがて青みがかった緑色に染まるのは下向きの左手。
「矢を一本ぶすりと穴に突き入れた」の件に至り、
こわばる苦悶のその手は右手だったはずが、やがて左手に入れ替わっています。
なんとも表情豊かな井関さんの手、そして腕。

その二。20時46分、「白狐の住む山」のタイトルからの伏見稲荷大社、再び。
第四十八話「ある男 女狐の化けた美女と会うこと」(鎌倉「古今著聞集」より)
左右に分かれる千本鳥居の手前、赤い衣裳の井関さんと白い面を付けた吉﨑さんが
妖しく絡み、ふわりと妖しく回ります。
「おつきあいすれば、あなたは死にます」と言い出す女。
「あなたの代わりにわたくしが死ねばそれで済むこと」とも。そして女は扇をねだる。
ーーー逢瀬の顛末。広げた扇の下の狐の亡骸、法華経、そして一度だけ夢に現れて消えた女。
夢と現(うつつ)、そのあわいをたゆたう摩訶不思議な感覚。
ラスト、吉﨑さんの面を外し、自ら付ける井関さん。
語りを終えた中嶋朋子さんの背後に留まる井関さんの白い面が
妖しい雰囲気を醸し出したまま締め括られました。

その三。22時00分、「戦国リアル残酷」というタイトルから三たびの伏見稲荷大社。
第八十四話「伏見稲荷炎上」(室町「経覚私要鈔」「応仁記」)
語りは文楽の豊竹咲甫太夫(とよたけさきほだゆう)さん。
このパートの井関さんと吉﨑さんですが、
ちょっと見では、見知ったはずの「人」の身体とは捉え難い、
均整を欠いた禍々しさが目を撃つ姿で登場してきます。
まず、右側の鳥居の奥から、面を付け、黒い布の下に赤い衣裳、剥き出しの両足。
やや体を縮ませた前屈みの姿勢だというだけでなく、
全身のプロポーション中、頭部の存在感が突出した、
異様で、アンバランスな身体で踊る井関さん。
代わって今度は、左の鳥居奥から、やはり面を付け、如何にも偉丈夫な立ち姿ながら、
動きにどこか異様なぎこちなさを漂わせた吉﨑さんが現れます。
ほどなく、彼が体を回転させると、
その動きの異様さは面を後ろ頭に付けていたからだとわかります。
一方、カメラが再度、井関さんを捉えます。すると、「えええっ!?」
ろくろ首のお化けのように首が伸びて、頭部が上方にあがっていくではありませんか。
時を置かず、伸びた首の下にもうひとつ、笑みを浮かべた井関さんの頭部が現れ、
ふたつの頭部が並んで、こちらも種明かし。
伸びた首は井関さんの右腕、上方に移動した頭部はその先にあったことがわかります。
けれん味たっぷりに「異形」が可視化されるパートでした。


*


■「京都異界中継」「百物語」

 


「京都異界中継」「百物語」#1
第一話 「人の妻 悪霊となること『今昔物語集』より」 語り:麿赤兒  作:円城塔 

 


「京都異界中継」「百物語」#7
第七話 「柱の穴より児(ちご)の手が招くこと『今昔物語集』より」 語り:中嶋朋子 舞踊:Noism 作:三輪チサ 休日の丑三つ刻(うしみつどき)に、こんばんは。「コワスギル!」と大いに話題を呼んだ第七話をお届けいたします。ひら、ひら、ひら


「京都異界中継」「百物語」#10
第十話 「早朝官庁で鬼のために食われること『今昔物語集』より」 語り:麿赤兒 作:円城塔 「平安京の霞ヶ関」で起きた戦慄の怪事件!見エナイ鬼ハ オソロ シ ヤ

 


「京都異界中継」「百物語」#11
第十一話 「西三条大臣死後に小野篁に会うこと『今昔物語集』より」 語り:石丸幹二

 


「京都異界中継」「百物語」#17
第十七話 「深泥池 タクシーの女性客、消える・・・!?」 タクシードライバー祗園太郎 新作の動画をお届け!京都で有名な怖いスポットのひとつ「深泥池」。タクシードライバー祗園太郎が乗せたのは、成仏できない女性客だった・・・?


「京都異界中継」「百物語」#20
第二十話 「和泉式部 夜の貴船詣で『後拾遺和歌集』より」 語り:江口のりこ、麿赤兒  作:円城塔


「京都異界中継」「百物語」#27
二十七話 「一条戻橋で鬼の行列に会うこと『今昔物語集』より」 語り:きたろう  作:三輪サチ

 


「京都異界中継」「百物語」#29
第二十九話  語り:笑福亭純瓶
 

「京都異界中継」「百物語」#30

第三十話  語り:島田秀平
 

「京都異界中継」「百物語」#31
第三十一話 「アッチ」 語り:三木大雲(蓮久寺・怪談和尚) 
 

「京都異界中継」「百物語」#33
第三十三話 「裏拍手」  語り:島田秀平   
 

「京都異界中継」「百物語」#34
第三十四話 「地下アイドル」 語り:三木大雲(蓮久寺・怪談和尚)
 

「京都異界中継」「百物語」#35
第三十五話 「見えない女性客」 語り:笑福亭純瓶 
 

「京都異界中継」「百物語」#36
第三十六話 「家族思いのタクシー」 語り:島田秀平  
 

「京都異界中継」「百物語」#38
第三十八話  語り:笑福亭純瓶
 

「京都異界中継」「百物語」#39
第三十九話 「心霊番組」 語り:島田秀平
 

「京都異界中継」「百物語」#40
第四十話 「頭痛」 語り:三木大雲(蓮久寺・怪談和尚)
 

「京都異界中継」「百物語」#55
第五十五話 「鴨川・等間隔カップルの怪談」  「タクシードライバー祗園太郎」の新作動画をお届け!【注意:幸せカップルは閲覧ご用心】 京都・鴨川河原の名物「等間隔で並ぶカップル」。幸せ光景の奥底に秘められた歴史に震撼・・・!?
 

 

「京都異界中継」「百物語」#57
第五十七話 「首塚」 語り:山口綾子(怪談師)  作:黒史郎 
 

「京都異界中継」「百物語」#58
第五十八話 「付喪神記」(室町) 語り:きたろう 百鬼夜行:妖怪藝術団体 百妖箱 + 大駱駝艦 道具も百年タツと化けるそうナ びよろん べべべん 古い道具に気をツ ケ  テ

 


 

「京都異界中継」「百物語」#59
第五十九話 「田んぼの緑色の小学生」 語り:笑福亭純瓶
 

「京都異界中継」「百物語」#60
第六十話 「いわくつき物件」 語り:島田秀平
 

「京都異界中継」「百物語」#61
第六十一話 「香食」 語り:三木大雲(蓮久寺・怪談和尚)
 

「京都異界中継」「百物語」#62
第六十二話  語り:笑福亭純瓶   
 

「京都異界中継」「百物語」#64
第六十四話 語り:三木大雲(蓮久寺・怪談和尚)
 

「京都異界中継」「百物語」#65
第六十五話  語り:笑福亭純瓶
 

「京都異界中継」「百物語」#66
第六十六話  語り:島田秀平
 

「京都異界中継」「百物語」#73#74#75
第七十三話~七十五話 「タクシードライバー祗園太郎 3話」 東山ドライブウェイの首無しライダー、旧東山トンネルの走るおやじ幽霊、清滝トンネルの首。
 

「京都異界中継」「百物語」#84
第八十四話「伏見稲荷炎上」 語り:豊竹咲甫太夫 舞踊:Noism(井関佐和子・吉﨑裕哉) 幻想的な千本鳥居 幻想的なあかり 語りと踊りに酔イシレル。

 


 

「京都異界中継」「百物語」#93
第九十三話 「タクシードライバー祗園太郎 新町の劇場」 五山の送り火。
 

「京都異界中継」「百物語」#99
第九十九話 「田中河内介事件」 語り:石丸幹二 作:黒史郎

 

 

 ◇

 

「中井精也のてつたびスペシャル 『ゆる~っと縦断・ベトナム編』」あらすじ

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NHKBSプレミアム    
「中井精也のてつたびスペシャル 『ゆる~っと縦断・ベトナム編』」


再放送10/22(日) 15:00~16:29
初放送08/24(木) 19:30~20:59


【出演】中井精也
【声】山口勝平

 

 

■ 概要

HP 予告動画

人気の鉄道写真家・中井精也が、美しい絶景や夜行列車の幻想的な風景、人々の笑顔など、ベトナムの魅力満載の写真を撮影する。
ベトナムの魅力を再発見!
鉄道に関するものなら何でも、ゆる~い雰囲気でとらえる「ゆる鉄」写真。
人気の鉄道写真家・中井精也が、笑いあり、涙ありのぶっつけの旅を繰り広げる。
どこか懐かしい風景にも出会えるハートウォーミングな旅。





■ あらすじ

「中井精也のてつたびスペシャル」で乗り込むのは、木製シートの客車や3段ベッドの寝台車から成るクラシックな長距離列車。

たまたま乗り合わせた現地の人々と触れ合い、途中下車しての寄り道を繰り返し、特産の手作りスイーツや素朴な農家飯を頬張りながら、

中国と国境を接する北の町から、南はホーチミンまで、およそ2000キロを南北統一鉄道で縦断する。

 

*
 

 

出発は首都ハノイの郊外・中越国境の町ラオカイ。ラオカイ線バオハ駅。

 

 

→蓮の花が盛りを迎えた首都ハノイの市街地。

 


→旧市街が世界遺産に登録されている古都フエ。世界遺産のあるフエでの出会いとは?

 

→エメラルド・ブルーのオーシャン・ビューが広がるハイバン峠。白い砂浜が人気のリゾート地で撮影した写真とは?

 



→高級避暑地を走るダラット高原鉄道。

 




→重さ50キロの巨大フルーツ畑が広がるロンカイン

 


 

 

→終着のホーチミン(旧サイゴン)。

 




どこへ行っても笑顔がいっぱいのベトナムを2週間かけて旅する。


 

2017衆院総選挙の推移【追記】

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夫婦挙っての汚職疑惑を揉み消そうと目論み、

度重なる北朝鮮の軍事的脅威を渡りに船の好機とみて、

大義なき衆院解散の虚に出た、安倍総理。


都議選の大勝利の勢いに乗じて、

半ば独裁政権化した安倍自民党の流れをリセットし、

新保守(原発ゼロを宣言する)の存在を顕示しようとした、小池都知事。

 

党勢挽回策にあぐねいて閉塞状況にある前原民進党代表は、

小池氏の甘い囁きに飛び付く一方で、

リベラル(安保法制の違憲性を質す)を排除するという踏み絵(選別)も飲んでしまった。


代表選に敗れた枝野氏は、

反・安倍の御旗のためなら大同小異も辞さぬと、

上り始めた梯子を外された。

しかし彼はサムライの如く、毅然として巨悪と闘うのだった。


【追記】 出典は毎日新聞10/23(月)朝刊などの論評より

都議選で小池氏が率いた地域政党・都民ファーストに投票し自民を大敗させながら、

今回の総選挙では新保守(保守改革)政党・希望にそっぽを向いて、
そんなに違わないのならと多くが自民に回帰した。
 

三極構図が注目された今回の総選挙で、無党派層が比例代表の投票先に挙げたのは、リベラル政党・立憲民主が多かった。
 


総選挙と台風21号---嵐の後の隅田川"暮情"【追記】

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長雨と吹き荒れた嵐が去った

 

10/23(月)夕暮れ時

 

隅田川テラスを散歩した。

 

駒形橋の上。

ヒジャブの観光客女性が、向こう岸の友だちと交信しているらしいのだ。

 

夕日がアサヒビール本社ビルやリバーピア吾妻橋ライフタワーに映えている。

 

テラスの葦(ヨシ)がまだ戦(そよ)いでいる。

 

吾妻橋の夕暮れが深まって来た。

 

依然、渦巻いている隅田の流れ。

 

アサヒ・スーパードライホールの壁面に、修繕工事の枠組み足場が映っている。

 

 

【追記】

 

「霜降」の日の帳(とばり)もすっかり降りて、

南西の夜空には三日月が凍(こご)えるように光っていた。

20171023 18:10

 

 

「亀戸中央公園」の紅葉とサザンカを訪ねる

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今日10/24(火)は、スッキリは晴れなかったが久し振りに小春日和に近かった。

「亀戸中央公園」までサイクリング。名物のサザンカは咲き始めたばかり。

隅田川・駒形橋⇔浅草通り(北十間川沿い)⇔明治通り(丸八通り) を往復。

 

サイクリング + ウォーキング4,300歩と軽く。


■ 都立「亀戸中央公園」(江東区亀戸9-37-28)


日立製作所亀戸工場の跡地利用。面積10.3ha、開園1980年6月。
江東区の花でもあるサザンカの名所。


□ A地区・・・中央広場に時計塔や遊具。

 

メタセコイア(対生)の紅葉は未だ。

 

ユリノキ

 

トチノキ

 

トウカエデ

 

ケヤキ



□ B地区・・・人工池や流れがある憩いの広場。

 

カツラの紅葉(左)、Xmasももうすぐアメリカハリモミ(右)

   

 

サザンカ(見驚)

サザンカ(昭和の栄)

サザンカ(原種)

 

シャラノキ(別名ナツツバキ)




□ C地区・・・運動広場。

 

サザンカ(福包)


サザンカ(御美衣)

サザンカ(昭和の栄)

 

元気なく鳴きながら身体を擦り寄せて来た、赤猫。

 


 旧中川

 

・・・~江東新橋(蔵前橋通り)~総武本線鉄橋~ふれあい橋~

中川新橋(京葉道路)~亀小橋(旧都電鉄橋)~逆井橋(旧逆井の渡し)~虹の大橋~・・・

 

この辺りの「旧中川」は、いつまでも眺めていたい美しい流れだ。

 

 

「ふれあい橋」(江東区亀戸9丁目~江戸川区平井3丁目)と東京スカイツリー

 

"将軍様のミサイルロケット"みたいな、靴下猫クンの右耳はどこへ!?

タンポポが見える御自宅

  

カラスウリが実る御自宅


広い水場には決まって、この御方がいらっしゃる。

 

 

2017年に発生し日本列島に接近・上陸した台風の進路(2017年10月24日現在)

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台風23号の日本列島接近・上陸が心配されている。

 

今年の台風で、これまで日本列島に接近・上陸し大きな被害をもたらした、

台風3号・5号・18号・21号についての規模・被害・進路は次の通り。

 

出典: 気象庁・Wikipedia・その他。

 

 

■ 2017年 台風3号

 

発生期間 2017年7月2日~7月5日
寿命        72時間
最低気圧 985hPa
最大風速 30m/s (55kt)
平均速度 44.4km/時、1064km/日
移動距離 3,194km
死傷者数 梅雨前線及び台風3号による死者25名、行方不明者1名、重傷者4名、軽症者24名。住家被害は全壊98棟、半壊27棟、一部破損71棟、床上浸水156棟、床下浸水564棟など。 

7月2日に沖縄の南海上で発生し、3日未明に石垣島付近を通過した後、東シナ海を北上し、次第に進路を東寄りに変え、4日8時頃に長崎県長崎市付近に上陸した。その後も台風は強い風雨をもたらしながら速い速度で東進し、12時過ぎには愛媛県宇和島市付近に、17時前には和歌山県田辺市付近に再上陸した。5日9時、日本の東で温帯低気圧に変わった。
強風の影響で九州各県において計6万8500世帯で一時停電となった。また、九州新幹線は全線(博多 - 鹿児島中央)で一時運転を見合わせた。長田部海床路(宇土市)の電柱が6本倒れた。

 

 

 

 

■ 2017年 台風5号

 

発生期間 2017年7月20日~8月8日
寿命       456時間
最低気圧 935hPa
最大風速 50m/s(95kt)
平均速度 15.6km/時、375km/日
移動距離 7,036 km
死傷者数 死者2名、重傷者2名、軽症者49名。住家被害は全壊2棟、半壊14棟、一部破損208棟、床上浸水48棟、床下浸水306棟。非住家被害は11棟。

7月20日に南鳥島の北東海上で発生し、ゆっくりと九州に接近した後、8月7日には室戸岬付近を通過し、和歌山県に上陸した。8日には日本海へ抜け、8日21時に温帯低気圧となった。台風として19日間存在した、これまでで1位タイの長寿台風となった。
滋賀県長浜市で8日未明、姉川が氾濫し、住宅への浸水被害があった。愛知県豊橋市では7日16時半頃、台風の接近に伴い竜巻とみられる突風が発生し、トラックの横転や30棟以上の家屋被害が発生した。三重県松阪市でも7日、住宅27棟の屋根瓦が突風で飛ばされる被害があった。

 

 

 

 

■ 2017年 台風18号

 

発生期間 2017年9月9日~9月18日
寿命        216時間
最低気圧 935hPa
最大風速 50m/s(95kt)
平均速度 25.6km/時、614km/日
移動距離 5,529 km
死傷者数 死者5名、重傷者8名、軽症者51名。住家被害は全壊3棟、半壊11棟、一部破損531棟、床上浸水1970棟、床下浸水4653棟。非住家被害は60棟。

9月9日マリアナ諸島近海で発生し、北上して鹿児島県に上陸した。その後も高知県、兵庫県、そして北海道には2度上陸し、さらにサハリンに上陸した18日の21時に温帯低気圧へと変化した。観測史上初めて九州・四国・本州・北海道の本土4島全てに上陸した台風である。尚、この台風により、台風第18号が6年連続日本の領土に接近または上陸した。
 

 

 

 

■ 2017年 台風21号

 

発生期間 2017年10月16日~10月23日

寿命        
最低気圧 925hPa
最大風速 50m/s(95kt)
平均速度 26.5km/時、635km/日
移動距離 4,763km
死傷者数 死者7名、重傷者12名、軽症者85名。住家被害は、一部破損50棟、床上浸水25棟、床下浸水134棟。非住家被害は4棟。

10月16日にカロリン諸島で発生し、10月20日時点で、2015年の台風23号以来となる強風域が半径800km以上の「超大型」台風となった。さらに、21日午前7時時点で、中心付近の最大風速が44m/s以上の「非常に強い勢力」の台風に成長し、近畿地方や東海地方を暴風域に巻き込みながら速度を上げて東海沖を進んだ。そして遂に23日3時頃に静岡県御前崎市に上陸し、関東地方を通過し東北沖へ抜け、23日15時に北海道の東で温帯低気圧に変化した。

この台風は、2017年10月22日(日)に実施された2017年衆議院議員総選挙に多大な影響を与えた。

 

 

 

「浮間公園」(板橋)を訪れる

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10/26(木)午前中は、「浮間公園」を訪れた。2015年の花見以来2年半振り。

□ リブログ

 

 

JR京浜東北線で上野駅⇒赤羽駅、JR埼京線に乗り換えて浮間舟渡(うきまふなど)駅で下車。


駅前も浮間公園も、板橋区舟渡(西)と北区浮間(東)の区境。

 

駅前のケヤキ




■ 都立「浮間公園」(板橋区舟渡2-15-1、荒川の三日月湖「浮間ケ池」)

 

「浮間ケ池」

東側はシルバーの釣りが盛ん。

西側は、芝生広場やシンボルの風車があり家族連れが多い。

 

高層マンション「アイタワー」(板橋区舟渡 1-13-10)↓

風車↓

 

 

 

                                                                            アオサギ↓

 

カモ類

 

センニチコウ                          モンキチョウ↓

キタテハ↓



水生植物の沼



荒川土手を上る。

 

川向こうには、埼玉県川口市の巨大な高層マンション群が広がっている。

 

 

JR高架の反対側には、北区立の浮間中学校、水再生センター、新河岸東公園などがある。

 

 

 

*

 

 

帰途は、JR京浜東北線の王子駅で途中下車。

 

5月にも来た「名主の滝」などを見ることにした。

 

□ 関連ブログ 「王子神社」~「名主の滝公園」を歩く(2017-05-16)

 


■ 区立「名主の滝公園」(北区岸町1-15-25)

江戸時代に王子村の名主・畑野孫八が屋敷内に滝を開いた。1960年に都の公園として開園。1975年に北区に移管。

 

 ホトトギス↑

 

サザンカ↑

 

男・女・独鈷(どっこ)・湧玉(ゆうぎょく)の4つの滝がある。
 
男滝

 

 

茶室

 


■ 「王子稲荷神社」(旧称「岸稲荷」、北区岸町1-12-26)

江戸時代には関八州の稲荷の惣社とも称され、江戸の人々の崇敬を集めた。江戸時代、落語『王子の狐』でも有名。

 

拝殿

本宮

 

 

□ 「中央工学校」(王子本町1丁目)

かの故・田中角栄総理が卒業し校長も務め、名高い専門学校。

校舎が11棟ほども軒を連ねている。



■ 「王子神社」(旧称「王子権現」、王子本町1-1-12)

1322年、領主・豊島氏が再興し、田楽舞などを奉納して来た。



■ 「音無橋」(1930年竣工)の袂(たもと)に、

「音無親水公園」(王子本町1-1)があり、

石神井川==音無川のせせらぎと緑を楽しむことができる。現在修復工事中。

 

一角の花壇には、秋を代表する花のホウキギ(別名コキア)とサルビア・スプレンデンスが満開だ。

 

 

今日のウォーキング10,300歩の大台。

紅葉が進む「荒川自然公園」を訪ねる

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10/27(金)は今季初の日本晴れと言ってもいい。

 

「荒川自然公園」までサイクリング。

 

"紅葉狩り"としては昨年11/13(日)に訪ねている。

□ リブログ

 

□ その他関連ブログ

「荒川自然公園」の花木を観察(2016-03-25)
「荒川自然公園」の晩春~初夏の花を狩る(2017-05-15)

 

 

*

 

 

浅草国際通り ⇔ 日光街道 ⇔ 明治通り(三ノ輪~南千住~荒川)。
 

 

■ 区立「荒川自然公園」(荒川区荒川8丁目、事務所は荒川8-25-3)

東京都下水道局「三河島水再生センター」の上下水処理場の上の人工地盤に造られ、1974年に開園した。

西・都電荒川線、北・京成本線、東・隅田川、南・荒川1丁目・・・に囲まれた広大な区域。



□ 西側 (都電荒川線停留場で下車して直ぐのところ)

 

 

線路沿いのバラ

チンチン(左)、レッドクイーン(右)

 

 

公園から都電を撮影

 


□ 南側 (荒川2丁目側)・・・白鳥の池・水辺広場・アスレチックコーナー・昆虫飼育園

 

イロハモミジ(ムクロジ科カエデ属)

 

ニシキギ(ニシキギ科)

 

カツラ(カツラ科)

 

白鳥の池

        東京スカイツリー↓

 

ラクウショウ(ヒノキ科ヌマスギ属)



ハゼノキ(ウルシ科)

 

 

ハナノキ(カエデ科)

 

ムクノキ(アサ科)

 

トチノキ(ムクロジ科)

 

カキノキ(カキノキ科)

 

ニレ(ニレ科)

 

クヌギ(ブナ科コナラ属)

 

アスレチックコーナー

 

ナンキンハゼ(トウダイグサ科)

 

 


□ 中央側・北側 (荒川7・8丁目側)・・・児童遊園コーナー・わいわいプール、交通園・ふれあい健康広場・さんさん広場

 

 

ハナミズキ(ミズキ科ヤマボウシ亜属)

 

イロハモミジ

 

ドウダンツツジ(ツツジ科)

 

 

ユリノキ(モクレン科)

 

ニシキギ

 

ケヤキ(ニレ科)

 

 

今日のサイクリング + ウォーキング5,200歩。

 

 

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