東京新聞朝刊2017年5月20日報道
沖縄県・石垣島の「白保竿根田原(しらほさおねたばる)洞穴遺跡」※ で、2016年までの発掘調査で見つかった旧石器時代の人骨のうちの1点 (高齢の男性、推定身長約165cm、虫歯のような痕) が、全身骨格がほぼ残った人骨としては国内最古の約2万7千年前のものとみられる。
5/19(金)、「沖縄県立埋蔵文化財センター」(沖縄県中頭郡西原町上原193-7、所長・金城亀信)が発表した。全身人骨などは5/20(土)~28(日)、同センターで一般公開される。
旧石器時代に人を葬る思想があったことを窺わせ、地中に埋葬せずに風化させる風葬の可能性がある。
生活の痕跡は見られず死者を葬る場所と生活の場所が分かれていたものとみられ、全身人骨が地上の狭い岩の間に、仰向けの姿勢で膝を胸の前に肘は両手が顔の近くになるように折り曲げられていた。
※「白保竿根田原洞穴遺跡」
沖縄県石垣市字白保にある遺跡。海岸から約800mで、標高30~40mに位置している。
2007年以降、新石垣空港の建設に伴う調査で見つかり、これまで1000点以上の人骨片==19体分以上に相当する人骨とみられ、他には、動物の牙で作ったアクセサリーとみられる約4千年前の骨製品などが出土している。旧石器時代の遺跡としては世界最大級。
尚、これまでは2010年2月に沖縄県教育委員会が発表していたのは、人骨のうちの1点(20~30代前半の若い男性の頭頂骨)が約2万年前のもの。
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一方、従来、日本最古とされていたのは、沖縄本島南部の沖縄県島尻郡具志頭村(現・八重瀬町)の港川採石場で発見された「港川人(みなとがわじん)」の約2万2千年前。
<参考> 関連ブログ
NHKhi「私たちはどこから来たのか~日本列島人の起源に迫る~」(2010-06-30)