■ 8月20日は「蚊の日」
□「蚊」
学名: Culicidae ・・・最も古い化石は、中生代ジュラ紀(1億6500万年前)の内モンゴル自治区の地層から見つかったハエ目の幼虫(サンショウウオを吸血していた)。
英名: mosquito ・・・ラテン語のハエmusca、スペイン語の小バエmosca / ハエmosquitoに由来する。
イギリスの細菌学者ロナルド・ロス(Ronald Ross、1857~1932年)は、大英帝国陸軍少佐でインド医務官の職にあった期間にマラリアの研究を行い、
1897年8月20日、ハマダラカの胃の中からマラリア原虫を発見するとともに、マラリアの感染原因であることを突き止めた。
1902年、彼は第2回ノーベル生理学・医学賞を受賞した。
以上により、8月20日は「世界蚊の日」(World Mosquito Day) とイギリスで制定された。
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□「蚊帳(かや)」の利用
紀元前6世紀の中東で始まり、古代エジプト/プトレマイオス朝ファラオ(女王)のクレオパトラ (紀元前69~30年) が愛用していたという。
▽ ヤマト王権時代
『日本書紀』(720年に成立) には、応神天皇(270~310年)の時、古代中国・呉朝(222~280年) から蚊屋衣縫(かやの・きぬぬい)という女性技術者が渡来した記録がある。
『播磨國風土記』(平安初期に編纂) には、応神天皇が巡行時、御殿を造り蚊屋(蚊帳) を張ったので播磨國飾磨郡加野里[かやさと、現在の兵庫県姫路市野里) と名付けたと記されている。
▽ 奈良時代
蚊帳の技術者が中国から渡来し、高級品の絹・麻などを使った「奈良蚊帳」が作られ、貴族ら上流階級のみが持てる贅沢品だった。
▽ 平安時代
貴族の寝所に御帳台(みちょうだい) が使われるようになり、蚊帳などの布で囲われた中で眠るようになった。
▽ 鎌倉時代
『春日権現験記(絵巻)』 (高階隆兼・画、鎌倉末期) には、武家でも蚊帳を吊って寝るようになった。
▽ 室町時代
『大乗院寺社雑事記』(興福寺大乗院門跡の日記) には、麻製の「近江蚊帳」「八幡蚊帳」など貴族・武家の高級な贈答品とされていた。
▽ 南北朝時代
竹・針金を使い子どもを覆うことのできる「母衣(ほろ)」と言われる小型の蚊帳が出現した。
▽ 江戸時代
近江八幡の蚊帳業者が互助会のような組織を作ったことで、蚊帳が手に入れやすくなり庶民の間にも麻製の蚊帳が普及して行った。
出典「蚊帳を吊る母、息子」 鈴木春信・画、1769年頃
(メトロポリタン美術館・蔵)
▽ 明治時代
海外から紡績糸の綿糸が入って来るようになり、木綿素材の蚊帳が麻よりも安価で通気性が良いことから、瞬く間に広まった。
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▽ 現代の蚊帳利用
昭和時代(~1980年代)までの日本では、蚊帳は夏の夜の必需品であり、風物詩てもあった。
出典 https://anmin.com/kaya-syouwa/
高度成長期には都市化の進行とともに、網戸・エアコンが普及したこと、コンクリートジャングルの4~5階以上で蚊帳が不要となったことから、蚊帳は次第に減少して行った。
とは雖も、公害や地球温暖化などが要因となって、大量の蚊・ハエ・害虫などが異常発生する問題は消えない。
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□ お題 「自分が蚊帳の外にいると思ったことはある?」
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そう思った時期もあった。
□「蚊帳の外」は暗喩 (隠喩、メタファー) 表現。
集団からの「無視」「仲間外れ」「村八分」。
⇒英訳
「out of the loop(仲間・グループ)」
「be left out(除外・除け者) of」
「in the cold(除け者・無視)」
「be excluded(除外・仲間外れ) from」
「be ostracized(仲間外れ・村八分) in」
「be ignored(無視)」
□ 私の 「蚊帳の外」 の時期
幼少~小学低学年期: 私の生まれ育った専業農家で占められた村落では、村祭りなどの獅子舞をはじめ冠婚葬祭の主役は、常に農家の長男だったので、サラリーマン家庭の長男としての私は羨ましかった。
高校現役期: 団塊世代の進学校は凄まじい受験戦争(模擬試験の成績絶対主義) の真っ只中に在った。そんな坩堝(るつぼ)の中で、私は文系志望の劣等生だったため現役期は悶々とした日々を送った。