うなぎ、食べた?
▼本日限定!ブログスタンプ
汽水域(淡水と海水の混じった地域)に育った少年時代---
魚採りと言えば①鮒(フナ)②鮴(ゴリ)③泥鰌(ドジョウ)が、
貝採りと言えば①蜆(シジミ)②田螺(タニシ)が多かった。
偶に、「鰻(ウナギ)」が集落の小川にも遡上(そじょう)していることがあって、目を輝かせて悪戦苦闘したものだった。
今は埋め立てられてしまっている湖(河北潟)はシジミとウナギの宝庫でもあったので、半農半漁の家ではウナギの捕獲用の竹筒(タンポンと呼んでいた)を仕掛けていた。
*
■ お題「うなぎ、食べた?」
妻は、ウナギやドジョウの蒲焼、鮎(アユ)の塩焼など川魚が好物。
どうも義父さんの横で一緒に食べていたかららしい。
夫(私)は、ウナギやドジョウの蒲焼は、自分からは選ばない。
と言うか(自分が作った料理は余り食しないのと似ているのかもしれぬが)、
川の魚介類は自分でさんざん採って来たので、寧(むし)ろ、海の魚介類へと食指が動いてしまう。
*
暑い時期を乗り切るために栄養価の高いウナギを食べるという食習慣は---
奈良時代の「万葉集」に登場している。
編集に携わった大伴家持が吉田石麻呂に対して詠んだ戯れ歌、
「痩(や)すやすも 生けらばあらむを 将(はた)やはた 鰻(むなぎ)を漁ると 河に流れな」
・・・<現代訳> 自分は痩せこけているからと言って、太りたい一心でウナギを採ろうと思い、川に入るのはいいが、水に流されては元も子もないぞ。
江戸時代の初期、京都では既に、「土用の丑の日」にウナギや鱧(ハモ)を食べたり、下鴨神社の糺(ただす)の森・御手洗川で足を水に浸す習慣があった。
江戸では中期の安永~天明期(1772~88年)辺りから、「土用の丑の日」にウナギを食べる習慣が広まったらしい。
*
私が非常に驚いたのは、1986年に初めてスペイン・マドリッドを訪れた時だった。
小エビの塩茹(ゆ)でに加え、ウナギ稚魚(シラス)のオリープオイル煮を初めて食べ、本当に美味しかったこと。