■ 5月14日は「温度計の日」
□ 華氏温度
1686年5月14日(ユリウス暦、グレゴリオ暦ならば5月24日)、ドイツ(後のポーランド)の物理学者 Fahrenheit (ファーレンハイト) が生まれた。
1714年頃、水銀温度計を作製。1724年、様々な液体の氷点と沸点を測定し沸点は気圧によって変化することを発見、氷と塩の混合物を 0度 (零度)、人の体温を 96度と提唱。
「Fahrenheit (ファーレンハイト、中国表記: 華倫海)」に因んで、「華氏(カシ)」「記号 °F」と表記する。
□ 摂氏温度
一気圧下の水の氷点 (凝固点) を 0 ℃ (零度)、沸点を100 ℃として、その間を100等分した温度目盛りを、1742年、スウェーデンの物理学者 Celsius (セルシウス)が提唱。
「Celsius (セルシウス、中国表記: 摂爾思)」に因んで、「摂氏(セシ)」「記号 ℃」と表記する。
□ 摂氏と華氏の換算式 (式の移項)
氷点の摂氏 0 ℃を 華氏 32°F、 沸点の摂氏100 ℃を 華氏 212°Fとして、その間を(212-32=180)等分した温度目盛り。
C:100=(F-32):(212-32)
C/100=(F-32)/(212-32)
C/100=(F-32)/180
C=100/180(F-32)
C=5/9(F-32)
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□ お題「毎日、今日の気温確認してる?」
▼本日限定!ブログスタンプ
ほぼ毎日、居間のデジタル時計&温度計(アイデアファクトリー製)とアナログ温湿度計(クレセル製)とで確認している。
アイデアファクトリー(IDEA FACTORY)・・・豊島区東池袋2-23-2 いちご池袋イーストビル7F
クレセル(CRECER)・・・千葉県山武市埴谷1936-1
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■ NHKBSプレミアム選「失われた色を求めて~植物染め・伝統100色を今の世に~」
過去に所々を観ていたが、今回初めて通しで観賞し、改めて大和心の琴線に触れる "ジャパンカラー" に魅せられた。
□ 放送日時
初放送は、2017年8月
今回のプレミアム選(再放送)は、2020/05/13(水)24:45~26:25
□ キャスト
出演: 染織史家・故吉岡幸雄氏、 染織家・吉岡更紗氏/小川恒二氏、他
朗読: ジャン・ユンカーマン、余貴美子
語り: 奥貫薫、高良健吾
□ 番組概要
世界に例がない豊かな日本の伝統色。
染織史家・吉岡幸雄は英国のヴィクトリア&アルバート(V&A)博物館から永久保存用の植物染めを依頼された。
失われた材料や手法を求めて様々な「色の世界」を旅する。
V&A博物館で開催中の「Fashioned from Nature 展覧会」の一環として、吉岡幸雄の作品が東芝ギャラリーにて2019年1月27日まで特別展示された。
①「甦る天平の色『紫の物語』」
聖徳太子の冠位十二階で最も高貴な色とされた紫色の材料は「紫草」。
吉岡は、現在入手が困難な紫草の栽培を大分県竹田市の郊外・志土知(しとち)村の農家と共に取り組み、かつての「紫」を復活させた。
千年以上前の日本人が最も尊び憧れた「紫」の物語。
②「甦る天平の色『茜の物語』」
その染料の作り方が今に伝わっていない再現が最も難しい色である。
吉岡は、奈良時代の文献から「米」というヒントを得て、米酢を使うという技法に辿り着く。
父から二代に亘って取り組んで来た「日本茜」の物語。
③「甦る天平の色『紅の物語』」
東大寺「お水取り」では吉岡が染めた紅の和紙で造った椿の花が納められる。
一時は色紙で代用されていたが、吉岡が三重県伊賀上野市川北の「榮井農園」に紅花畑を復活させて染めた紅は、千年前の色だと東大寺は評価する。
天平時代の色を甦らせた「紅」の物語。
④「甦る天平の色『藍の物語』」
明治時代、外国人は日本の青の豊かさを見て「ジャパン・ブルー」と表した。
化学染料の普及によって、昔ながらの「蒅(すくも)」を使う藍染めは消え去ろうとしている。
一つの染料から職人技によって様々な青色を染め上げる「藍」の物語。
⑤袈裟(けさ)「糞掃衣(ふんぞうえ)」の赤・黄・緑・紫など全9色の染色
▽ 引用: 植物から汲み出す「日本の色」人と自然の深いつながりから文化は生まれる(ARTLOGUE赤坂志乃2019/03/16)
失われつつあった植物染めで「日本の色」を再現するために、吉岡さんは『正倉院文書』や平安時代の律令を記した『延喜式(えんぎしき)』などの史料を調べ、父の代から腕を磨いてきた染師の福田伝士さんとともに当時の染色法を試行錯誤。約20年の歳月をかけて、日本の伝統色を復活させた。
梔子・茜・蓼藍・矢車
刈安・紅花・紫根・檳榔樹
吉岡さんが最も苦労しているのが、染料となる植物を手に入れること。工房で用いている植物は、50種類以上。染料植物は和漢薬と共通するものが多く辛うじて手に入るが、今では栽培が難しいものもある。鮮やかな色を染めるには質だけでなく量も必要。
例えば、紅花は山形と三重の伊賀上野、紫草は大分の竹田、大和茜は奈良の五條から、刈安は伊吹山で刈り取られたものを取り寄せている。蓼藍は徳島の吉野川から蒅(すくも ※蓼藍の葉を発酵させたもの)として取り寄せるほか、工房近くで有機農法を営む農家に頼んで育ててもらっている。竹田市の紫草や五條市の大和茜も、歴史的に地域に所縁の深い染料植物。地元有志がその植物を復活させようと取り組んで来た。伝統文化の継承は、地域の再生と、かつてあった人と自然の関わりを取り戻すことにも繋がっている。
毎年1~2月にかけてこの紅花で染めた和紙が、奈良・東大寺のお水取りで二月堂の十一面観音に捧げる椿の造り花に使われる。
出典: 朝日新聞
何度も塗り重ねた紅色は、驚くほど濃く鮮やか。1枚の和紙を染めるのに約1kgの紅花が使われている。紅花の色素を「烏梅(うばい)」(完熟した梅の実を燻蒸し天日乾燥したもの)で沈殿させた「艶紅(つやべに)」は、江戸時代以前に女性の口紅や頬紅としても利用されていた。
「源氏物語」第十四帖「澪標」色辞典 深紫・浅紫・浅紫・深緋・浅緋・深緑・浅緑・深縹
==以下略==
▽ 引用: 天然だからこその美しさ。日本の伝統色を訪ねて、京都の工房「染司よしおか」へ (和樂編集部2019/08/23)
高野山別格本山・三宝院の住職が「検校法印」(高野山内の最高位)に就く「法印転衣式(ほういんてんねしき)」を機に新調される袈裟「糞掃衣(ふんぞうえ)」の染色の現場に立ち合わせて頂いた。
「糞掃衣」とは、本来、捨てられた布を拾い集めて作った袈裟のことだが、現在では、様々な裂をパッチワークのように縫い合わせて作られる。今回のものは、山が連なる姿を連想させる「遠山」という文様。
赤、黄、緑、紫…全部で9色の絹地を配(あしら)うそうだが、染色に必要な植物は茜、蓼藍(たであい)、槐(えんじゅ)、紫根(しこん)の4つ。1種ないし2種の植物を掛け合わせることで多様な色彩が生まれる。
蓼藍・槐・茜・紫根
工房を訪れた日に染められていたのは、最も高貴な色、紫。使用するのは、奈良時代から産地である大分県竹田市で育った紫根。栽培が難しく、一時は絶滅の危機を迎えたそうだが、吉岡幸雄さん自ら指導の下、畑を蘇らせることに成功した。その品質は最高級で「色の美しさはもちろん、色素を多く含んでいるので染め上がるスピードも違うんです」と語るのは、娘の更紗さん。
伏見の水は鉄分が少なく染色向きで、地下から汲み上げた井戸水を使用している。上質な材料と清らかな水。どちらも備わっていることが「よしおか」の技術が守られ続けている理由のひとつと言えるだろう。染色作業は先ず、一晩、酢水に漬けて柔らかくした乾燥紫根を、石臼で細かく砕くところから始まる。トントントン…木槌の優しい音と紫根の土っぽい香りで工房が満たされ、これから生まれるであろう美しい色彩への期待が、大きく膨らむ。次に、砕いた紫根を麻袋に入れ、60~70℃ほどの湯の中で色素を揉(も)み出す工程に。揉み出しは手と足で10数分。一度、笊(ざる)で漉(こ)したら同じ作業を2回繰り返し、この日使う分の染料ができ上がる。因みに染料自体は、紫ではなく小豆色に近い色調。これが実際に布に浸され、紫へと生まれ変わるかと思うと、自然界の不思議を感じずにはいられない。そしていよいよ染めの作業へ。先程の染料を漉して容器へ移し、蒸気と火でゆっくり温め、新しい絹地を浸して行く。染料に生地をそよそよと泳がせ、様子を窺(うかが)うこと約30分。染まり具合を確認しながら引き上げ、水洗いをしたら媒染(ばいせん)作業に。「媒染」とは染料を固着させることで、今回は明礬(ミョウバン)液の中に15分程浸す。この作業を2回。これを5日間繰り返すことで、ようやく理想の紫に仕上がった。植物染めは少しずつ染めることが大切。絶えず人の手で布を動かし、目視することで、ムラのない仕上がりが叶うのだ。「引き際も大事なんです。染まり過ぎたら後戻りできない。どこで止めるか見極めないと」と語るのは、職人歴22年の小川恒二(こうじ)さん。取材中も手を休めることなく、じっくり絹地と向き合う姿が印象的だった。絹地が染まったら、シワが寄らないよう竿に掛けて自然乾燥。深みのある色と絹の光沢が織り重なり、高貴で煌(きら)びやかな絹地ができ上がった。他の色と合わせた全9色を、設計図通りに裁ち、配置し、縫い合わせると「遠山」が完成。伝統的なのに大胆な雰囲気が、返ってモダン。
■ 参考図書
「日本の色手鑑 特装本」監修:吉岡幸雄、染色:染司よしおか工房、刊行:紫紅社。
・・・日本古来の染色方法による古の色の再現に取り組む、染織史家・吉岡幸雄の生み出す色が、V&A博物館に収蔵されることを記念して制作された、52種の実物色標本を貼付した特装本。
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昨日5/14(木)
南東の空の雲間に、雰囲気の有る下弦の月: 月齢20
20200514--03:07