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「お盆」のルーツ、全国各地の「お盆行事」

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■ 時節柄、「盆」のルーツをチェックしてみた。



□ 飛鳥時代の神仏習合

「盆」のルーツは、仏教行事(仏事)の「ullambana」(ウラバンナ、逆さ吊りのような苦しみに遭っている人を救う法要) と言うサンスクリット語 [または古代インド・アーリア語、梵語(ぼんご)]。

それが中国へと伝わって、仏事の「盂蘭盆会」(うらぼんえ)と言う漢語となった。

この古代インド⇒中国へと伝来した仏事の「盂蘭盆(会)」と、日本古来からあった祖先の精霊を供養する神道の「祖霊信仰」「盆踊り」(※) とが習合(融合)した行事なのである。

古代日本では、538年(有力説)に朝鮮半島の百済経由で、中国大陸の南北朝(魏)~隋から仏教が伝来した後、657年には飛鳥寺で始まり733年には宮中の恒例仏事となるなど、次第に神仏習合して行った。


□ 明治時代の改暦

明治維新で、天保暦(旧暦)⇒グレゴリオ暦(新暦)の改暦運動、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の運動の高まりによって、明治新政府は「お盆」をグレゴリオ暦(新暦)7/15前後に統一を図ろうと試みた。
これが7/13~7/16の4日間の「新盆」(にいぼん)と呼ばれるようになった。
函館市・東京都23区・横浜市・静岡市・栃木市・金沢市などの市街地やそれらの近隣地は、明治新政策に従順だった。
 
しかし、多くの全国各地は、こればかりは ! と素直に従わず、グレゴリオ暦(新暦)の上での8/15へと移行した。決め手は、年間の稲作を中心とした農作業スケジュールだった。
これが8/13~8/16の4日間の「月遅れのお盆」や「旧盆」と呼ばれるようになった。

尚、7/13~7/16の「新盆」、8/13~8/16「旧盆」とは異なる例外地もある。

中間期の8/1となっているのは、かつて養蚕が盛んだった地域における農閑期に当たり、東京都多摩地区の一部、岐阜県中津川市とその近隣地の一部など。
沖縄・奄美では、本来の旧暦に合わせて7月~9月の間で毎年日程が移動する。


■「お盆」に行われる行事の例

(※) 「盆踊り」・・・縄文人(狩猟民)が真夏に燃え盛る太陽のお怒りを輪になって鎮める祈りと、弥生人(農耕民)の仏教徒がお盆にご先祖様の霊を送迎する祈りとが融合したという説がある。古くは「盆」の最終日、7/16や8/16日の晩、寺社境内などに老若男女が集まって「盆踊り」を行った。
 

 

 北海道
「北海盆踊り」(8/10~16)
「風連ふるさとまつり」(8/12~13)
 

青森県
「黒石よされ」(8/15~16,8/18~20)
 

岩手県
「盛岡舟っこ流し」(8/16)
 

秋田県

「三大盆踊り」・・・毛馬内・一日市・西馬音内 

 

福島県
「三春盆踊り」(8/15~16)
 

栃木県
「百八灯流し」(8/4)
 

群馬県
「千代田の祭り 川施餓鬼(かわせがき)」(8/18)
 

東京都

「佃島の盆踊り」(7/13~15)
「深川八幡祭り」(8/15)
 

千葉県
「木更津港まつり」(8/14~15)
 

神奈川県
「大本山總持寺 み霊祭り」(7/17~19)
 

富山県
「おわら風の盆」(9/1~3)
 

石川県
「能登のキリコ祭り」(7/5~9/22各地で波状的に実施)
 

福井県
「気比の松原 とうろう流し」(8/16)
 

長野県

「かんば焼き」(8/13~16) 

 

愛知県
「刈谷万燈祭」(7/27~28)
 

岐阜県
「郡上おどり」(7/13~9/7各地で波状的に実施)
 

静岡県
「遠州大念仏」(7/15)
 

京都府
「京都五山の送り火」(8/16)
「嵐山灯篭流し」(8/16) 

 

奈良県
「大文字送り火」(8/15)
 

三重県
「大念仏」(8/13~15)
 

広島県
「盆灯篭」(8/13~16)

 

鳥取県
「鳥取しゃんしゃん祭」(8/13~15)
 

徳島県
「阿波踊り」(8/12~15)
 

長崎県
「精霊流し」(8/15)
「チャンココ」(8/13~15)
 

沖縄県
「沖縄全島エイサーまつり」(8/23~25)
「ソーロン アンガマ」(8/13~15)
 


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