明治維新の1869年6月(新暦・7月)に咸臨丸で渡米した使節団メンバー、町田房蔵が横浜・馬車道通りに開いた氷水屋で、日本初のアイスクリーム「あいすくりん」を製造・販売した。そして明治の1899年、東京・銀座の資生堂の福原有信が売り出して広まった。
業界団体の「東京アイスクリーム協会」[現在の「日本アイスクリーム協会」(千代田区九段北1-14-19 乳業会館)] では、アイスクリームの消費拡大を図って、東京オリンピックの1964年に、シーズンインとなるGW明けの5月9日に記念事業を開催しアイスクリームをプレゼントした。そして翌1965年以降、毎年5月9日を「アイスクリームの日」と定めた。
一方、ソフトクリーム(和製英語。英語soft serve ice cream)の方は、主に牛乳などで柔らかくしたアイスクリーム。戦後の1951年、連合国占領・米軍が独立記念日を祝って、明治神宮外苑でソフトクリームの店を立ち上げて広まった。1990年に、業界団体の「日本ソフトクリーム協議会」(品川区荏原1-21-4 日世内) がこの日を記念し毎年7月3日を「ソフトクリームの日」と定めている。
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何味のアイスクリームが好き?
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5月9日は「アイスクリームの日」。
■ お題 「何味のアイスクリームが好き?」
私の好きなのは、バニラやミルク。
飴玉(あめだま)やキャラメルとともに、「アイスキャンデー」は物心が付いた1952年(私の5才)頃からこよなく愛した食べ物であり、大正時代(1912~1925年)から日本に現れた長い歴史を持つ。
今日では「氷菓」(ひょうか、乳固形分が3%未満)という分類になるようで、正しく赤・青・黄などに着色された「氷水」の木製棒(バー)のバージョンだ。当時は1本5円だった。
時々、ミルクや小豆餡(あずきあん)を入れたもの、後年にはチョコレート・コーヒーや果肉を入れたものも食べた。
高度経済成長期(1955~1973年、私の7~26才)に伴い、「アイスキャンデー」より高価な「ラクトアイス」(乳脂肪分を含まない乳固形分が3%以上)、「アイスクリーム」(乳脂肪分を含む乳固形分が15%以上)や生クリーム・生ミルクなどを効かせた「ソフトクリーム」が、どんどん需要を増して行った。
その中で、小学高学年~中学時代(10~15才)の頃だったと思うが、『ドリアン』というバナナ味に似た「ラクトアイス」系のバーが気に入っていた。今になってWebでチェックしてみると、何と! そういう記憶の人たちが多くいらっしゃることを知った。どうもメーカー名は「株式会社しまかげ」(宮城県仙台市若林区大和町に本社が在った)だったらしい。
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■ 昭和のアイスの歴史
1953~1984年(昭和28~59年)
1953年
雪印「バニラブルー」
1955年
名糖「アイスクリームバー」
名糖「アイスクリームバー」
1956年
協同「ホームランバー」
協同「ホームランバー」
1962年
丸永「あいすまんじゅう」
丸永「あいすまんじゅう」
1963年
グリコ 「ジャイアントコーン」
グリコ 「ジャイアントコーン」
1964年
赤城「赤城しぐれ」
雪印「モナカアイス」
1969年
竹下「ブラックモンブラン」
赤城「赤城しぐれ」
雪印「モナカアイス」
1969年
竹下「ブラックモンブラン」
1970年
森永「バニラエイト」
1971年
森永「バニラエイト」
1971年
ロッテ「イタリアーノ」
明治「レディーボーデン」
1972年
森永「チョコモナカ」
井村屋「フルーツメロン」⇒「メロンボール」(73年に改称)
1973年
グリコ「スカイ」
1976年
森永「pino」
1977年
グリコ「スカイ」
1976年
森永「pino」
1977年
赤城「みかんチョ」
1978年
グリコ「パナップ」
フタバ「3色トリノ」
雪印「宝石箱」
竹下「ミルクック」
フタバ「3色トリノ」
雪印「宝石箱」
竹下「ミルクック」
ロッテ「ガムンボ」
1979年
明治「うまか棒」
カネボウ「BOB」
明治「うまか棒」
カネボウ「BOB」
1980年
森永「アイスバーガー」「ジャムンチョ」「ビエネッタ」、「ぷらもで〜る」?
1981年
ロッテ「雪見だいふく」
ロッテ「雪見だいふく」
1982年
フタバ「里もなか」
フタバ「里もなか」
1983年
エスキモー「ビエネッタ」
ロッテ「クロキュラー」
雪印「大予言」
エスキモー「ダブルソーダ」
1984年
エスキモー「ビエネッタ」
ロッテ「クロキュラー」
雪印「大予言」
エスキモー「ダブルソーダ」
1984年
グリコ 「キャデリーヌ」「カプリソーネ」
森永「チェリオ」
森永「チェリオ」
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■ 参考図書
「日本懐かしアイス大全」 (タツミムック) 辰巳出版2015/7
アイスマン福留 (著)
アイスマン福留 (著)
1973年4月18日東京都足立区生まれ。アイス評論家。年間1000種類以上のアイスを食し、すべてのパッケージを保存、収集している。現在、人気サイト『コンビニアイスマニア』の運営、業界紙でのコラム執筆など、アイスクリームを軸に幅広く活動中。2014年に「一般社団法人 日本アイスマニア協会」を設立し代表理事に就任した。