1/17(水)午後、陽が傾いてから雨が降り始め、夕暮れには本降りになった。
都区内の雨(15mm)は、1/8(月・祝)~9(火)の一時雨以来。
年が明けてもカラカラに乾き切った天候が続き、花粉が飛び、インフルエンザが流行り、大陸から大気汚染(PM2.5)が移動して来ているので、
成人式の晴れ着の皆さんは別として、"恵みの雨"に思えた。
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そんな今夜19時から2H強、NHK-FMの「ベストオブクラシック -N響第1877回定期公演-」を楽しんだ。
サントリーホール(港区赤坂1-13-1)から生中継 !!
アンカー: 大林奈津子フリーアナ
ゲスト: 広瀬大介
・・・音楽評論家、音楽学者(シュトラウス研究など)・青山学院大学文学部教授
素人の私ですが、中ではモーツァルトの「ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466」(約31分)を満喫した。久し振りも久し振りの雨のリズムのように。
(指揮)ダーヴィト・アフカム
(管弦楽)NHK交響楽団
(独奏ピアノ) 小山実稚恵(みちえ)
・・・1959年5月3日仙台市生まれの盛岡市育ち。東京藝大大学院修了。ピアニストにしては珍しく留学経験がない。1982年チャイコフスキー国際コンクール第3位、1985年ショパン国際ピアノコンクール第4位(女性最高位)と、二大国際コンクール両方に入賞した日本人唯一のピアニスト。2017年芸術選奨音楽部門文部科学大臣賞受賞、紫綬褒章受章)
改めて、「ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466」をチェックしてみると---
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが初めて手掛けた短調の協奏曲。
1785年2月10日に完成され、翌日にウィーン市の集会所「メールグルーベ」で行われた予約演奏会で初演された。
モーツァルトは、1784~86年、音楽家として作曲・演奏ともに円熟味が増し、またそれらを発表する良い機会も得て順風満帆の時期となった。
安田和信・・・桐朋学園大学准教授(音楽学)の解説によると---
作曲年代:具体的な作曲期間は不明だが、『自作品目録』の日付は「1785年2月10日」に完成
翌日にウィーン市の集会所「メールグルーベ」で行われた予約演奏会で初演された。父レオポルトの書簡によると作曲者独奏だった。
モーツァルトの協奏曲は、他のジャンルと同様に長調を主調とする作品が圧倒的に多い。
モーツァルトの協奏曲全体のうち、編曲や断片を除いたすべての完成作品は37曲(注)現存するが、短調作品は今回演奏される《ピアノ協奏曲第20番ニ短調》(K.466)と《第24番ハ短調》(K.491)の2曲のみである。
18世紀後半は全般的にみて長調の作品が偏愛された時代であった。
1760年代から1780年代の間はとくに長調作品への傾斜が激しかったようで、主にこの30年間で協奏曲を書いた作曲家の中には、モーツァルト並に短調作品が少ない場合も多く(ヨハン・クリスティアン・バッハ、アーベル、ロゼッティ等)、短調作品を全く書いていない場合(ボッケリーニ、ヴァンハル、イグナーツ・ヨーゼフ・プレイエル等)も稀(まれ)ではない。
以上のように考えれば、モーツァルトの短調協奏曲から特別な印象を受けることは、現代の我々のみならず、18世紀後半の聴き手にも大いにあったと想像される。
作曲家側も長調作品とは違った腕の振るい方をしたに違いない。
第1楽章 アレグロ、ニ短調、4/4拍子。協奏曲のソナタ形式。冒頭はフォルテでなくピアノで始まり、主旋律がはっきりせずにむしろ曖昧(あいまい)のままに進んで行く。
第2楽章 ロマンツェ、変ロ長調、2/2拍子。ロンド形式。中間部における激情的な短調は穏やかな主要主題と極端なまでの対比を生み出す。これらは、長調の作品にはなかなか見出すことのできない特別な表現と言えるだろう。
第3楽章 アレグロ・アッサイ、ニ短調(コーダはニ長調)、2/2拍子。ロンド形式。コーダにおける長調への転換の鮮やかさも短調作品ならではである。
(注)ピアノ協奏曲が23曲、ヴァイオリン協奏曲が5曲、ホルン協奏曲が3曲(《第1番》は未完の可能性が高いので省く)、その他の管楽器のための協奏曲が4曲、協奏交響曲が1曲、フルートとハープのための協奏曲が1曲の計37曲。