NHK-Gスペシャル「未解決事件」File.5 「ロッキード事件」
【これまでのシリーズ「未解決事件」】
NHK「未解決事件」File.1「グリコ・森永事件」(2011/07/28)
NHK「未解決事件」File.2「オウム真理教事件」(2012/05/26)
NHK「未解決事件」File.3「尼崎連続殺人死体遺棄事件」(2013/06/03)
NHK「未解決事件」File.4 追跡プロジェクト~捜査最前線で何が「世田谷一家殺害事件」他 (2015/04/12)
■ 7/23(土)19:30~20:43
第1部 「未解決事件外伝~ロッキード事件と田中角栄の時代~」 実録ドラマ 前編
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■ 7/23(土)21:00~21:58
第2部 「未解決事件外伝~ロッキード事件と田中角栄の時代~」 実録ドラマ 後編
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■ 7/24(日)21:00~21:58
第3部 「日米の巨大な闇 40年目のスクープ」 ドキュメンタリー
事件から40年が経ち次々に発掘されている第一級資料を基に、新たに明らかになった事実を紹介。米国側で発掘された内部資料から、冷戦時、米国の世界戦略の中で、この事件が果たした知られざる役割などを伝える。
◇
【キャスト】
[法務省]
[刑事局]
刑事局長: 安原美穗・・・小林勝也
*
[検察庁]
[最高検察庁]
検事総長: 布施健・・・木場勝己
[東京高等検察庁]
検事長: 神谷尚男・・・大谷亮介
*
[東京地方検察庁]
特捜本部長・検事正: 高瀬禮二・・・中村育二
特捜副本部長・次席検事: 豊島英次郎・・・小林隆
[特捜部]
特捜部長・捜査統括検事: 川島興・・・国広富之
特捜部副部長・主任検事: 吉永祐介・・・松重豊
特捜部副部長・検事: 石黒久𥇍・・・加藤満
検事: 堀田力・・・石井正則
検事: 村田恒・・・橋本じゅん
検事: 松尾邦弘・・・小林正寛
検事: 小木曾國隆・・・水澤紳吾
検事: 松田昇・・・大場泰正
検事: 山邊力・・・伊藤正之
検事: 安保憲次・・・徳井優
検察事務官: 田山太一郎・・・玉置孝匡
検察事務官: 水野光昭・・・三浦誠己
*
[自民党]
前総理: 田中角栄・・・石橋凌
総理: 三木武夫・・・有福正志
田中の後継総裁候補としては、三木・福田・大平が名乗りを上げていた。三木は公選で選ばれる可能性はほぼ皆無であり、話し合い選出に賭けるしかなかった。三木は話し合いによる総裁選びで自らが選ばれるべく動いていた。7月に副総理 兼 環境庁長官を辞任した後、党近代化を訴え続け田中個人への批判は控えていた。また田中の辞意表明後、民社党の佐々木良作がひそかに三木邸を訪ね、中道新党結成を提案していたなど、民社党との連携工作も具体化しつつあった。最終的に党長老で調整役の椎名は、三木の指名を決断する。理由としては、まず三木は池田内閣時代に党組織調査会長として三木答申をまとめており、田中内閣の閣僚を辞任して党近代化を訴えていて、クリーン三木こそ金権問題で退陣に追い込まれた田中の後始末を行うにふさわしい人物と考えられたことが挙げられる。
丸紅ルートの解明によってロッキード社からトライスター機導入のために5億円の賄賂を受け取ったとして田中角栄が罪に問われた事件の裏には、トライスターの導入を巡る闇があったL-1011トライスタージェット旅客機: ワイドボディ3発(エンジン3基)をオリオン座の三ツ星に準(なぞら)えている。
P-3C対潜哨戒機: P-3の機材を向上させた型。愛称は「Orion」(オライオン)ギリシア神話に登場するオリオン座となった狩人の名に因む。
この解明には児玉誉士夫にロッキード社から渡った21億円の追跡が欠かせない。
児玉の証拠隠滅や米国検察の不開示など,日米の政財界の思惑を田中角栄を人身御供に事件の終息を謀った。
日本に米国製軍用機を買わせることで,日米安全保障体制の強化を名目に,アメリカの財政支出を減らしつつベトナム戦争後の軍需を支える。
*
[丸紅]
会長: 檜山廣・・・村井國夫
専務: 伊藤宏・・・岩谷健司
専務: 大久保利春・・・酒向芳
*
[フィクサー]
戦後最大の政財界フィクサー: 児玉誉士夫・・・苅谷俊介
戦時中は上海で諜報活動・児玉機関。A級戦犯⇒米国CIAエージェント。安保闘争潰しに暗躍。「国士」(右翼の黒幕)⇒日本の再軍備に意欲。
松本清張の小説『けものみち』に登場する人物「鬼頭洪太」は、児玉をモデルにしているとする説。
児玉の妻: 児玉睿子・・・中島ひろ子
児玉の主治医・東京女子医大教授: 喜多村孝一・・・嶋田久作
児玉の秘書: 太刀川恒夫・・・渡辺穣
塚本素山ビルの等々力産業社長。
児玉の通訳: 福田太郎・・・阪田マサノブ
児玉誉士夫・鬼俊良らとともに米国CIA機関員(エージェント)であったことが暴露された。
小佐野賢治・・・キャスティングなし
1950年には長岡鉄道(現在の越後交通)のバス部門拡充への協力を機に、当時同社社長だった後の内閣総理大臣・田中角栄との親交を深め、有力な政商として知られた。政財界と暴力団の橋渡しを行っている「裏世界の首領」などと噂された。
東京スタジアムの経営権を得た際に、ロッテ球団にスタジアムの買い取りを求め、その交渉が決裂したため、いわゆるジプシー・ロッテ問題の原因を作った形。
*
[NHK]
社会部デスク: 大原浩蔵(モデルは大原雄)・・・大西武志
社会部吉永番記者: 伊達孝雄(モデルは小俣一平==坂上遼)・・・眞島秀和
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【関連年表】
1976年
2月4日 米国上院外交委員会多国籍企業小委員会の公聴会でロッキード社が航空機売り込みのための対日工作を証言。「ピーナッツ100個受領」の領収書公表
2月6日 ロッキード社コーチャン副会長が「丸紅・伊藤宏専務に支払った金が政府高官に渡った」と証言
2月16日 衆議院予算委員会で証人喚問が始まる
2月24日 検察庁、東京国税局、警視庁の三庁合同で丸紅本社や児玉邸など、27か所を一斉捜索。三木武夫首相、フォード米大統領に資料の提供を求める親書を送る
3月1日 衆議院予算委員会で第二次証人喚問
3月4日 児玉誉士夫の臨床取り調べ開始
3月13日 児玉を約8億5374万円分の所得税脱税で起訴
3月24日 米国からの資料提供に関する日米司法取り決め調印
4月10日 米国からの資料が検察庁に到着
5月10日 児玉誉士夫を外為法違反で追起訴
5月13日 自民党の椎名悦三郎副総裁、田中前首相、大平正芳蔵相、福田赳夫副総裁が“三木おろし”を画策していたことが判明
大平派と福田派の「大福密約」により、後継には福田赳夫が就くことになった。
6月10日 児玉の通訳、福田太郎が肝硬変で死亡
6月22日 特捜部、偽証罪で丸紅・大久保利春 前専務を逮捕。同地検と警視庁、全日空・澤雄次専務、経理部長青木久頼、業務部長兼国際部長植木忠雄を外為法違反で逮捕
7月2日 特捜部、丸紅・伊藤宏 前専務を偽証罪で逮捕
7月7日 特捜部、全日空・藤原亨一取締役を外為法違反で逮捕
7月8日 特捜部、全日空・若狭得治社長を外為法違反と偽証罪で逮捕
7月9日 特捜部、全日空・渡辺尚次副社長を偽証罪で逮捕
7月13日 特捜部、丸紅・檜山廣前会長を外為法違反で逮捕
7月27日 特捜部、田中前首相、榎本敏夫元首相秘書を外為法違反で逮捕。田中前首相、自民党を離党
8月2日 田中前首相の私設秘書兼運転手・笠原政則の自殺体発見
ロッキード事件を追っていた日本経済新聞の高松康雄記者が2月14日、児玉誉士夫の元通訳の福田太郎が6月9日、
さらに田中元首相の運転手である笠原正則が8月2日---事件関係者が立て続けに急死。
田中邸付き運転者の笠原正則。 元日本航空常務取締役大庭哲夫。 金隆史裁判長。 戸川猪佐武ニュースキャスターらが、怪死・急死する。
マスコミや国民の間で「証拠隠滅と累が及ぶのを防ぐため、当事者の手先によって抹殺されたのではないか」との疑念を呼んだ。
8月16日 田中前首相を受託収賄・外為法違反で起訴。丸紅・檜山、大久保、伊藤を贈賄で起訴
8月17日 田中前首相、保釈(保釈金2億円)
8月20日 特捜部、佐藤孝行・元運輸政務次官を受託収賄容疑で逮捕
8月21日 特捜部、橋本登美三郎・元運輸大臣を受託収賄容疑で逮捕
*
1977年
1月21日 小佐野賢治・国際興業社主を偽証で起訴。児玉誉士夫を脱税、外為法違反で起訴
1月27日 丸紅ルート 第一回公判 田中、榎本は5億円の受領を否認
6月2日 児玉誉士夫 審理開始
1982年
1月26日 全日空ルート東京地裁判決。渡辺尚次 懲役1年2か月・執行猶予3年(有罪確定)
1984年
1月25日 児玉誉士夫死亡につき公訴棄却
1986年
5月14日 東京高裁、佐藤孝行に対し、控訴棄却(上告取り下げ有罪確定)
11月12日 小佐野賢治 死亡につき公訴棄却
1987年
7月29日 丸紅ルート東京高裁判決 伊藤宏 懲役2年・執行猶予4年(上告せず有罪確定)大久保利春 懲役2年・執行猶予4年(伊藤以外の被告人は上告)
1990年
2月13日 橋本登美三郎 死亡につき公訴棄却
1991年
12月17日 大久保利春 死亡につき公訴棄却
1992年
9月18日 最高裁、若狭得治に対し上告棄却(有罪確定)
1993年
12月24日 田中角栄 死亡につき公訴棄却
1995年
2月22日 最高裁、榎本敏夫および檜山廣に対し、上告棄却(有罪確定)。ただし、コーチャンらの嘱託尋問調書については証拠能力を否定
◇
【あらすじ】
ちょうど40年前の1976年7月。田中角栄元首相の逮捕という前代未聞の展開、衝撃的な結末を迎えた「ロッキード事件」。
シリーズが始まった5年前から「是非取り上げてほしい」と多くのリクエストが寄せられて来た「戦後最大の疑獄」に3回シリーズで迫る。
「ロッキード事件」には多くの謎が残されている。米・ロッキード社製の旅客機トライスターの売り込みを巡り、
マクドネル・ダグラス DC-10との販売競争は激しくなり、その過程で「ロッキード事件」などの疑獄事件も発生した
日本の政財界に巨額の賄賂がバラ撒(ま)かれたとされる事件。
ロ社の代理店・丸紅を通じ田中前首相に5億円が渡ったとされ、田中前首相は逮捕。裁判の一審二審で有罪判決を受けた。
しかし、捜査に当たった特捜部が重視していた“戦後最大のフィクサー”児玉誉士夫のルートは解明されず、
児玉が知っているとみられた21億円もの巨額なカネの行方は遂に闇に葬られたのである。
果たして、ロッキード事件の「全貌」とはどのようなものだったのか?
事件から40年。事件の実相を知るための第一級の資料が次々に発掘されている。
ロッキード事件の捜査を指揮した東京地検特捜部の主任検事・吉永祐介。吉永が生前、密かに自宅に保管していた膨大な極秘捜査ファイルを入手した。
そこには、検察が21億円のカネの流れを知っていると見られた戦後日本の黒幕・児玉誉士夫を徹底的にマークしていたことが詳細に記されていた。
極秘ファイルと元検事たちの証言をもとに、歴史的事件の捜査の、知られざる内幕を「実録ドラマ」化する。
米議会で突然明るみに出た事件。東京地検特捜部は、事件発覚当初、吉永祐介主任検事の指揮の下、
ロ社の秘密代理人であり「昭和の怪物」と呼ばれた児玉誉士夫を追っていた。しかし、捜査は難航。事件は、政財界、米国をも巻き込んで、混迷の様相を呈する。
果たして、巨額の賄賂を受け取った政治家は誰なのか? 当時、汚職の摘発は年間1千件を超え、国民の政治不信は頂点に達していた。
疑惑の渦中にあった児玉の自宅には、自称右翼の男がセスナ機で突っ込み自爆。それでも特捜部は、児玉の疑惑を追及し切れずにいた。
そうした中、米国から届いた新たな資料。そこには、「TANAKA」の文字が…。政界に絶大な影響力を持つ田中角栄前首相に特捜部はどのように迫って行ったのか?
そして、残された巨大な「闇」とは…? 数奇な展開を辿った事件を、特捜部の極秘資料から浮かび上がらせて行く。
裁判でも明らかにされなかったロッキード事件の「闇」。児玉に渡ったとされた21億円はどこに消えたのか?
民間機トライスターの導入を巡って田中角栄元首相が5億円を受け取ったという、裁判でも認められた事件の構図は真相に辿り着いていたのか?
事件から40年、ドキュメンタリーでは日米双方の一級の資料を発掘し、重い口を開き始めた関係者の証言を辿って行く。
「歴史の教科書」にも書かれなかった新たな事件像が浮かび上がって来た。
事件は民間機を巡る日米間の国際スキャンダルに止まらず、その先には、日米両国政府を巻き込んださらに大きな構造が見えて来たのである。
ロ社の幹部は、児玉が日本工作に果たした役割を「児玉は我々にとっての“国務省”だった」と語り残していた。
右翼の大物は、ロッキード事件発覚直後、児玉が取った「ある行動」を初めて明かした。
当時の米・ニクソン政権の大物だった人物は、1972年にハワイで行われた、田中・ニクソン会談で、ロッキード事件にも関わる、ある重要なやり取りがなされていたことを証言した。
次々に飛び出した歴史的スクープ。新たに見えて来た事件の全体像は、今に何を突き付けるのか探って行く。